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大坂 敦さん
インタビュー公開日:2021.03.16

引越部門のいわば「司令塔」として
業務量を配分し、仕事全体を采配。
「単身者だと3件、ファミリーなら2件が平均ですね。各担当者が1日に行う引越の件数です。早朝に出発ということもありますが、夕方には帰社できるように業務量を調整し、無理がかからないようにしています」
そう話すのは、業務・運行管理部の大坂敦主任。各チームに割り振る引越の件数などをコントロールする引越業務管理を担っています。適正に業務量を配分しつつ、滞りなく仕事を終えられるよう、日々、細かな調整を施すほか、経験の浅い担当者への指導や、仕事についてのアドバイスなども随時、行っているそうです。
「自分の判断と采配によって、それぞれの担当者、そして仕事が動いていくことに、今はおもしろみを感じています。これまでに携わってきた、数々の引越業務の経験が役に立っていますね」
入社から10年になる大坂さん。株式会社グッドマンの主要部門の一つである「グッド引越センター」に欠かせない、いわば司令塔として、会社を支える存在へと成長を続けています。
寮生活を通して人との会話力を得る。
何事も経験が大切なことを実感。
現在の仕事は内勤業務が中心ですが、ご自身も話すように、大坂さんは引越の現場作業に長い経験をもっています。スタートは16歳の時。中学校を卒業し、初めてアルバイトで働いたのが引越の仕事でした。兄姉の紹介を受け、次に働いたのも引越専門会社。その後、本州での工場勤務などを経て、今の会社で引越に「返り咲き」を果たします。
「当社で働いている知り合いに誘っていただいたことがきっかけですが、経験のある引越の仕事に、また戻りたいと思ったことも大きかったですね」
もともとは、知らない人と話すことが苦手だったという大坂さん。引越で訪れたお宅で、お客様に話しかけられても、まともに受け答えもできなかったのだとか。けれども、寮生活を送った本州の工場勤務のなかで、同じ寮生と話し、遊ぶうちに、自然と誰とでも会話ができる力が身についたそうです。
「そのために寮生活をしたわけではありませんが、自分にとって大きなプラスとなりましたし、そのことも引越の世界に戻ることを後押ししてくれました。経験してみることの大切さというものを知った瞬間でしたね」
大きな荷物を運んでいると『すごいねぇ』「とお客様に感心されることも。そんな時、『もっとほめて。もっと力が出るから』といった冗談も大坂さんの十八番になりました。
やりたいことを尊重してくれる環境。
今も引越、配送のハンドルを握る。
それまでの引越業務を通して、トラックドライバーにも憧れを抱いていたという大坂さん。東京の工場勤務時代に免許取得を果たしていました。そのことも、転職で再び引越に目を向けた理由なのだと話します。
「大きな車両を自在に操り、颯爽と走る。ドレスアップしたトラックが流行っていた時期でもあり、これは絶対、かっこいいぞと(笑)」
グッドマンでは、トラックを運転できる条件、すなわち免許さえあれば経験の有無に関係なく正社員として雇用し、新たな活躍を後押ししているそうです。本人にやる気さえあれば、中型免許の取得もサポートしてくれます。
「当社では引越業務のほか配送業務も手がけており、ドライバーは自分の興味や、たとえば年齢的に引越が大変になってきたので配送にジョブチェンジするといった働き方ができるんですよ」
部門による垣根が低く、ドライバーの意思を尊重する。内勤となった大坂さんですが、人手が足りないとなれば引越、配送のいずれでもトラックのハンドルを握ることが今でもあるのだとか。
「やりたいことを、やらせてもらえるので仕事の幅をどんどん広げていくことができるんです。おかげで、今も大好きなトラックに触れられています」と語ります。
毎日毎日、知らない地域へと行って、
いろいろな人に会える楽しさがある。
家具・家電から生活用品まで、大量の家財道具をテキパキと運ぶ引越の仕事には、体力勝負のハードな仕事というイメージがあることも確かです。
「荷物の量が多いうえ、エレベーターがなく、階段で5階まで運ばなくてはならない現場など、長年やっていても『大変だな』と感じる仕事はありますね」と、正直に教えてくれる大坂さんは39歳。それでも、16歳の頃から足掛け20年以上、引越の仕事を続けているのはなぜなのでしょう?
「荷物の移動が大変に感じても、それはやがて終わりますし、翌日はまた違う現場が待っている。そう考えると、気持ちが切り替わるんですね。アルバイトでこの仕事を始めた時から、毎日、知らない地域に行き、いろいろな人に会えることが、ただただ楽しく感じられて、それは今も変わりません」
その楽しみのために仕事をしていたようなもの、と話す大坂さん。長距離の引越もありますが、助手席に乗る作業員ならドライブ気分も味わえると笑います。身体がきついから辞めようと思ったことはないそうですが、以前、勤めていた引越会社でのあだ名は『のび太くん』。どちらかといえば華奢なタイプですが、特別な筋力・体力は不要なのだそうです。
仕事で得たものを若い世代に教えつつ、
引越の魅力、おもしろさを伝えたい。
大坂さんは入社以来、引越業務、配送業務ともに担当してきましたが、年齢的なことと自身の将来のことも考え、内勤業務を希望するようになります。現場を動かす業務管理の仕事に興味が湧いたこともあり、その希望を伝え、現在のポジションに就きました。
「やりたいことに加えて、自分が希望するステップアップにも応えてもらえる環境のなか、入社時には想像もしなかった業務に携われているというのも正直なところなんです」
引越の現場にいた時、スキルが上がったと感じたのが、荷物をトラックに積む技術。積みこぼすのではないかと危惧したものの、ピタリと納まったケースがありました。
「テトリスの超難しいバージョンといった感じで、まさにパズルのような世界。何度かやりなおしながら、きれいに積み込めた時は、すごくテンションが上がりました!」
一方で、事前の打ち合わせで齟齬が生じて荷物が入り切らず、追加のコンテナを要請するといった、苦い記憶も。そこで得た教訓などを若い世代に教えていけるのも、経験の賜物だと話します。
「今は、会社の利益に貢献しながら、引越という仕事の本当の魅力、おもしろさを伝えていきたいですね」
長年、引越で鍛えた屈強なイメージは…少なくとも外見からはうかがえない、やさしい語り口の大坂さんです。
シゴトのフカボリ
みなさんへ伝えたいこと

家財道具をていねいに運ぶと同時に、お客様とコミュニケーションを図ることが大切な仕事です。お客様に家具の配置などをアドバイスすることも。そうしたなか、引越のご紹介をいただくこともあるんですよ。

株式会社グッドマン

2010年設立。「人と人、地域と地域を結ぶ」をキャッチフレーズに運送・物流事業、引越し事業のほか、リユース事業を手がけています。

住所
北海道札幌市豊平区平岸3条16丁目1番45号
TEL
011-826-4077
URL
https://goodman-group.jp

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お仕事データ

家財道具を転居先へ。
引越し作業員
引越し作業員とは
建物や家財道具に傷をつけず、
お客様の荷物を慎重に運ぶ仕事。

個人の転居や会社の移転などに伴い、家財道具を運び出して新しい住所に届けるのが引越し作業員の仕事。具体的には、運搬の際に壁や床を傷つけないよう養生(テープやシートで保護)し、ダンボールに詰めた荷物の他、テーブルや椅子、家電などを手分けして運び出します。引越しのプランによっては、食器や衣類の梱包に携わることも。転居先ではトラックから荷物を下ろし、荷ほどきをして指定の場所にセッティング。時には照明器具の取り付けや家電の設置をすることもあります。建物や家財道具に傷をつけず、荷物を破損させないように慎重に作業を進めることが大切です。

引越し作業員に向いてる人って?
体力とコミュニケーション能力があり、
段取りも得意な人。

引越し作業では重い家具や家電を持ち上げることも多く、体力に自信がある人には向いている仕事です。多くの場合はチームで作業を進めるため、仲間とコミュニケーションをとりながら連携するスキルも不可欠。引越しでは梱包も重要な役割を果たすため、収納や片付けの技術が役立つことも少なくありません。また、テキパキと荷物を仕分けし、運ぶことが求められるため、段取りが得意な人にもオススメです。

引越し作業員になるためには

引越し作業員になるために必要な資格や学歴はありません。高校、専門学校、短大、大学などを卒業後、運送会社や引越し業者に就職するのが主なルート。学生時代に引越しのアルバイトスタッフとして働き、そのまま正社員に登用されるケースも少なくないようです。ドライバー兼荷物の運搬を担うこともあるため、クルマの免許を取得しておくと、より重宝されるでしょう。

ワンポイントアドバイス
お客様との距離が近く、
人生ドラマにもふれられる仕事。

引越し作業員はお客様との距離が近い仕事の一つです。さらに、引越しは進学や結婚、出産、転勤といった「転機」に行うことが多いため、さまざまな人生ドラマにふれられるのも魅力。「子どもが生まれたので、家を建てて住居を移すんです」「進学に伴って新しくアパートを借りました。新生活が楽しみ」。こうした明るい話題を聞きながら、荷物を運んだことに対し、「ありがとう」の言葉が直接受け取れるのは何よりのやりがいになるでしょう。