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伊藤 蘭さん
インタビュー公開日:2023.06.20

スケートに打ち込んだ学生時代から
好きだった洋服を販売する仕事へ。
私たちが洋服を買う時に、アドバイスをしてくれるアパレル店員さん。イオンモール札幌発寒に、2023年3月にオープンした「オンワードクローゼットセレクト」のスタッフ、伊藤蘭さんに、その仕事に就いたきっかけや今の仕事内容について聞いてみました。
苫小牧市出身の伊藤さんは、幼少からフィギュアスケートに打ち込み、高校生から大学生まで仙台で選手として練習に励む生活を送りました。大学卒業の時期に、お父さんが病気になったことをきっかけに、地元に戻ることに。そして、デパートの子ども服ブランドの売場に就職しました。
「それまでスケートしかしてこなかったので、一般常識を学びながら社会人として働きたいと思ったんです。それに、小さいころから可愛い衣装を着せてもらっていたこともあり、もともと洋服も好きでした」
両親もファッションに関心があり、なんと伊藤さんのスケートの衣装はお母さんが曲のイメージに合わせて毎回手作りしてくれていたそうです。
細かい知識が必要な子ども服。
複数の店舗で経験を積みました。
可愛い服に囲まれる子ども服の販売の仕事はとても楽しかったと伊藤さんは言います。
「洋服だけでなく新生児用の小物など、まずはアイテムの名前を覚えるところから始まりました。また、『生後何カ月で身長は標準何センチ』など、サイズも頭に入れておかなければなりません。帰宅後もマニュアルを見て覚える日々でした。店長がとても良い方で、一からいろいろなことを教えてくれました」
その後札幌のデパートに異動があり、店舗の閉店に伴い札幌のデパートで別の子ども服ブランドに転職することに。
一方、選手として第一線を退いた後も、働きながらスケートは続けていた伊藤さん。札幌のコーチから、「審判の資格を取って競技に携わってみないか」と誘いがあり、冬の競技シーズンには審判として試合会場に足を運ぶようになりました。
試合は主に週末に行われ、同じく週末に混み合うデパートの子ども服ブランドでの仕事と両立するのが難しくなってきました。そこで、一旦退職することにしたのです。
スケートと両立できる環境に恵まれ
レディース服の販売に挑戦。
それから約1年、審判と競技の役員に集中した後、スケートの活動と両立できる仕事を探しました。そこで出会ったのが、現在勤めるオンワード樫山です。会社とお店のスタッフの理解を得られ、冬はスケートが忙しくても仕事と両立できるようになりました。
また、ここで初めてレディースの店で勤務することに。子ども服とは勝手が違う部分もありながら、より接客を楽しめるようになったといいます。「慣れるまでは、店の服のサイズがどのくらいの体型に合うかがつかめないなど戸惑いました。それでも、私が提案したコーディネートを気に入っていただけたり、最初はお客様自身が似合わないと思っていたものも着てみたら似合っていたりと、喜んでいただけることがとても楽しいです」
ちなみに、商品は全国一斉に同じものが入荷するため、春先には北海道はまだ寒いのに半袖が店頭に…という状況に。「早めに長袖を買わないと、この後入らなくなります、とお客様にお伝えしています」
SNSの発信も今や必須の仕事に。
時間を見つけて撮影しています。
現在は、イオンモール札幌発寒に新しくオープンした「オンワードクローゼットセレクト」に配属されています。新規オープンに初めて携わり、店長を中心にお店の仕組みを作っていきました。オンワードのブランドである23区、UNFILO(アンフィーロ)、any SiS(エニィスィス)の商品を扱っている他、オンラインストアで注文した商品が店に届き、試着してから購入できる「クリック&トライ」のサービスも導入しています。「北海道の店舗で取り扱いのないブランドからも取り寄せられるので、どんどん利用していただきたいですね。スタッフも利用しています」
また、今や欠かせないツールとなっているインターネットやSNSの発信は、アパレル店員として必須になりつつあります。「手が空いた時に、スタッフコーディネートの写真や動画をお互いに撮り合い、SNSに投稿しています。オンラインストアにも掲載しており、そこからの売り上げもあるので、会社全体で力を入れているところです」
トレンドの情報を常に収集。
これまで積んだ経験も仲間に共有。
高校生の時から洋服が好きで、雑誌でチェックした服を買いに行ったという伊藤さん。今も雑誌やインターネットからの情報収集をこまめに行い、仕事に反映させています。
勤務時に着用する服は自社のものですが、担当のブランドにこだわらず自由に着ているそう。「スタッフはそれぞれ自分に似合うものや見せ方を分かっていて、みんなコーディネートが上手なので勉強になりますね。仕事着として使っていると洗濯する回数も多くなるので、洗った後の状態をお客様に伝えることもできます」
経験が長くなり、新しく入ったスタッフに仕事を教える機会も増えたといいます。「これまで、他の会社での経験もあり、今のようなショッピングモールのほか百貨店での経験も積んできたので、それを店のみんなに伝えていけたら。そのことを考えると、今までいろいろな店を経験できて良かったと思っています」
好きだからこそ打ち込める、伊藤さんにとって洋服もスケートもそこは共通のようです。
シゴトのフカボリ
アパレル販売員の一日
10:30
出勤、接客
合間に納品済の商品を検品、仕分け、品出し
ディスプレー変更など店頭作業
15:30
休憩(昼休憩と小休憩をまとめて80分)
16:50
合間にSNS用の写真撮影
19:30
退勤
シゴトのフカボリ
拝見!オシゴトの道具
手の油分を保つハンドクリーム
商品が入荷した時のダンボールなどを触ることが多く、手の油分が奪われがちです。また、会計時などに手元を見られることも多いので、ハンドクリームでしっかりケアしています。
シゴトのフカボリ
みなさんへ伝えたいこと

本当に服が好きなので、いつも仕事を楽しんでいます。旅行に行った時も、訪ねた先のショップを訪れて、トレンドや接客を吸収しています。

株式会社オンワード樫山
オンワードクローゼットセレクト イオンモール札幌発寒

2023年3月オープン。23区、UNFILO、any SiSを展開する他、オンラインで取り寄せた商品を試着できる「クリック&トライ」導入店舗。

住所
北海道札幌市西区発寒8条12丁目1番1号 イオンモール札幌発寒1F
TEL
011-666-8811
URL
https://crosset.onward.co.jp/feature/ocs/

お仕事データ

似合うスタイルを提案
ファッションアドバイザー
ファッションアドバイザーとは
お客様の好みやスタイルに合わせ、
洋服や和服をコーディネート。

アパレルショップやデパートのファッション専門店、和服店などで、お客様一人ひとりの好みやスタイルに合った洋服や和服をコーディネートし、販売するのが主な仕事。接客やレジの業務だけでなく、商品を見栄え良くディスプレイしたり、マネキンのコーディネートを考えたり、お客様が買い物しやすい売り場づくりも担当。また、棚卸業務や発注業務に加え、お店によってはダイレクトメールの作成といった販売促進業務も行います。

ファッションアドバイザーに向いてる人って?
人と接するのが好きで、
お客様のニーズをキャッチできる!

ファッションに興味があることはもちろん、基本的には接客の仕事なので人と接するのが好きなタイプは活躍できるでしょう。また、ファッションアドバイザーにはお客様がどんなものを求めているのかを素早くキャッチするための観察力も重要です。流行の最先端で働く華やかな職業の一方、立ち仕事に加え商品の運搬や出し入れなどもあることから、ある程度の体力も求められます。

ファッションアドバイザーになるためには

特に決まったルートや必要な資格があるわけではありません。高校卒業後にアパレルショップや和服店に就職することも可能ですし、アルバイトからファッションアドバイザーになる人もいます。とはいえ、店長を目指すなど明確な目標がある場合は専門学校や短期大学などで専門知識やコーディネート技術を学ぶのがおすすめです。必須ではありませんが、「販売士」などの資格を持っていると、仕事の幅が広がるでしょう。

※販売士の資格については日本商工会議所の検定試験ホームページでご確認ください。https://www.kentei.ne.jp/

ワンポイントアドバイス
あなたがブランドの広告塔!

ファッションアドバイザーは洋服や和服の知識だけでなく、ブランドのストーリーを理解しておくことも大切です。ブランドイメージに合った上手な着こなしは、お客様に対するセールスツール。お手本にしたいと思ってもらうことで、売り上げにつながることもあります。ファッションアドバイザーは、一人ひとりがブランドの広告塔ということを意識して働くと良いでしょう。