山野 愛さん
インタビュー公開日:2018.01.23

人と接するのが好きだから、
お客様の笑顔が見られる仕事を。
数あるお店のジャンルの中でも、上質な商品と接客で、特別な気分で買い物ができるのがデパート。山野愛さんは、丸井今井札幌本店の社員として働いています。
人と接するのが好きな山野さんは、たくさんの人と出会える職業を希望。その中で、丸井今井の先輩社員と話をする機会があり、社風の良さを知ることができました。
「北海道では、丸井さんと呼ばれて親しまれる会社。私も子どものころに親に連れてきてもらい、買わない時でも店員さんが相手をしてくれていました。
買い物を楽しみに訪れたお客様のお手伝いをすることで笑顔が見られる、そんな仕事をしてみたいと思ったのです」
研修で学んでから店頭デビュー。
喜んでいただける仕事を実感。
入社すると、まず座学と売場での仮配属を含め、約2カ月の研修がありました。会社の理念、百貨店業界や流通業の知識、接客応対の基本などをしっかり学んでから、現場である店頭に出ます。仮配属先は、婦人服売場でした。
「初めて接客したお客様が、カーディガンの色を迷われていたのですが、私が『こちらの方がお顔の色が映えますよ』といったことで、『本当ね!』とその色に決めてくださいました。新入社員の自分でもお客様へのアドバイスをすることができ、喜んでいただけたことがうれしかったですね」
本配属になったのは、家庭用品と食器のフロア。主にキッチンにまつわる多種多様な道具や食器類が、ずらりと並んでいます。
販売員を取りまとめることが、
社員としての大事な仕事です。
接客や販売をするだけでなく、社員としてフロアの販売員に指示を出したり、メンバーをまとめることも大切な仕事です。フロアにいる販売員50人以上の多くが、派遣社員や契約社員です。
フロア全体を取りまとめるのは、山野さんの上司にあたるマネージャー。アシスタントマネージャーの山野さんは、新人社員の教育を任される立場でもあります。
「社員は、数年後にはアシスタントとしてフロア全体の運営を考えていかなければなりません。そのため、自分から率先して仕事に取り組むことや、指示されるだけではなく自分で考えることができるようになってほしいと考え、指導をしています」
どんな商品がヒットするのか、
アンテナを張って常に考えます。

また、商品展開の企画や仕入れを担当するバイヤーとともに、これからどのような商品を展開・販売していくのか考えるという役割もあります。
そのために、新商品や話題の商品などの情報は、新聞やインターネットを通して常に探し続けています。
「好奇心を持って、面白いもの、ヒットするものへのアンテナを張っておくことがとても大事ですね。自分が入れた商品がお客様に喜ばれると、とてもうれしいし次のやりがいにもなります」
グループ会社の情報チェックも大切にしており、これまで最もヒットしたのは、醤油をスプレーにしてかけられる容器。展開した初日に88本売れて、大きな達成感を味わったそうです。
デパートを一日中楽しめる場に!
笑顔に出会うために日々奮闘中。
売場で、商品をアピールする実演などのイベントを開催することもあります。
地元に密着した百貨店として、北海道が制定した「北海道みんなの日(道みんの日:7月17日)」を記念したイベントを開催。家庭用品と食器のフロアでは、北海道産の野菜を使って、親子でカレーを作る企画を実行しました。参加者には、人気キャラクターの包丁をプレゼント。お子さんはもちろん、親御さんがとても喜んでくれたといいます。
「こうやって、お目当ての商品を探しに来るだけではなく一日中楽しんでいただけるのが、デパートのあるべき姿だと思っています。幅広い世代の方が来てくださり、一日にたくさんの笑顔に触れ合えるのが、仕事をしていて一番うれしいことですね。お客様の、『何かあるかな?』というワクワク感に応えられるように、楽しい売場づくりやスタッフの接客を磨いていきたいと思います」
シゴトのフカボリ
デパート販売員の一日
9:45
朝礼
全館の伝達事項や、前日の出来事を共有
10:00
開店、店頭で挨拶
店頭販売指揮・接客
11:00
メール返信
12:00
店頭販売指揮・接客
13:00
昼休憩
14:00
店頭販売指揮・接客
17:30
休憩
18:00
裏で事務作業
19:00
閉店
シゴトのフカボリ
みなさんへ伝えたいこと

常に好奇心旺盛に、アンテナを張ることが必要とされる仕事。いろいろなことを見て経験した価値を、お客様、一緒に働いている社員や販売員など、他の人に伝えていくことを大切にしています。

丸井今井札幌本店

札幌で誕生し創業145年の老舗百貨店。大通館、一条館、南館、西館の4館で構成され、上質な商品・サービスで地元のお客様からの支持に応えています。

住所
北海道札幌市中央区南1条西2丁目
TEL
011-205-1151
URL
http://www.marui-imai.jp/sapporo/s_top/

お仕事データ

優れた商品と喜びを提供
デパート販売員
デパート販売員とは
お客様と接する機会が多い、
デパートの「顔」。

衣類や食料品、化粧品にインテリアなどさまざまな商品を販売しているデパート。売場や催事場に立って商品の説明やアイテムをオススメするのがデパート販売員です。在庫管理や備品発注、伝票処理、店舗レイアウトの変更なども担当します。実はデパート販売員にはブランドやメーカーからの派遣スタッフも多く、自社社員の場合は独自のマナーや接客方法などを各テナントに教育することも。いずれもお客様と接する機会が最も多く、デパートの顔と言える存在です。

デパート販売員に向いてる人って?
お客様の笑顔に喜びを感じ、
丁寧で上質な接客ができる人。

デパートの接客対象となる顧客はやや高めの年齢層が多い傾向。言葉遣いや所作などを含め、丁寧で上質な接客スキルが求められます。また、洋服のフロアでいえばお客様の好みやサイズに合わせてより魅力的なコーディネートを提案します。食品フロアでも食器のフロアでも、商品知識だけでなく、最新情報や流行に幅広くアンテナを張る必要があります。そして、何より大切なのはお客様の笑顔に喜びを感じられる人柄です。

デパート販売員になるためには

デパートの販売員として働くために必要な資格は特にありません。ただし、丁寧な言葉遣いや正しい敬語、あいさつなどは身につけておきましょう。大手デパートの場合、社員として入社するには大学卒業を条件にしているところがほとんど。テナント企業では高校卒業後に入社できる会社もあります。また、派遣会社を通じ、中長期のアルバイトとしてデパート販売員になるケースも多いようです。

ワンポイントアドバイス
取得しておいて損はない!
「販売士」の資格。

質の高い販売スキルを持つ人材の証となるのが「販売士(1〜3級)」の資格。接客法をはじめ、マーケティング、商品の仕入れや管理、売り場作りなどのノウハウを学び、リテールマーケティング(販売士)検定に合格することで「小売店舗で活躍できるプロフェッショナル」として認められます。デパート販売員に特に必須とされているわけではありませんが、取得しておいたほうが就職の際に有利と言われています。

※販売士の資格については日本商工会議所の検定試験ホームページでご確認ください。https://www.kentei.ne.jp/