平野 貴士さん
インタビュー公開日:2018.02.21

設備投資や人件費などの視点から、
福祉業界の活性化に一役買いたくて。
銀行員と聞いて思い浮かべるのは窓口ではないでしょうか。けれど、銀行の仕事は顧客を開拓する渉外やローン商品の開発、コンサルティングなどさまざまな業務に分かれています。平野貴士さんは企業に融資や金融商品を提案する法人営業部の所属です。
「大学で専攻したのは福祉分野。就職も老人ホームや児童養護施設をと考えていましたが、ゼミの教授から一般企業も受けたほうが良いとアドバイスをいただきました。道内企業を中心に就職活動を続けるうちに、銀行なら設備投資や人件費といった大きな視点から福祉業界の活性化にも一役買えるのではないかと考えたんです」
平野さんは北海道の銀行の中でも歴史があり、地域に根づいている北洋銀行にチャレンジ。見事に内定を勝ち取り、銀行員としての歩みをスタートさせました。
銀行員は堅いわけではなく、
人間味がたっぷりなんです!
北洋銀行に入行するまでは、「15時にシャッターが降りたら銀行員は帰っているの?と思うくらい知識がゼロ」と笑う平野さん。新人研修では銀行が果たす役割や業務内容をミッチリ教わりました。
「銀行は『経済の血液』。企業や個人のお客様に必要な資金を届け、お互いにウィンウィンの関係として成長していくのが使命です」
入行後は3カ月ほどローカウンターに座って先輩とともに融資の相談にのったり、時にはツーマンで外回りに出かけたり、徐々に銀行員としてのスキルを学んでいきました。
「銀行員は堅い人が多い印象でした。でも、当行の場合は良い意味で人間味がたっぷりの仲間ばかり。お客様の言葉にとことん耳を傾け、人柄をセールスするようなイメージでしょうか。時には新規顧客の開拓のために地域の企業をまんべんなく回るローラー営業をすることもあるんですよ」
できる限り社長と話して、
事業への熱意をくみ取っています。
平野さんはいくつかの支店や融資審査の部署などを経験し、2年ほど前に本店営業部に異動。今は約200社を担当し、70社程度の案件が進行中なのだとか。
「一日に10社くらいのお客様を訪ねるのが自分の目標。新しい金融商品の使い道をご案内したり、雑談からニーズを掘り起こしたり、売るというよりは資金が必要な時に思い出してもらえるようにこま目に顔を出しています」
多くの場合、外回りでお話しするのは地元企業の社長。年齢の差はあれど、さまざまな考えを持つ経営者と向き合うことは成長につながるといいます。
「僕は書類や資料だけで融資を決めず、できる限り社長と直接お話しして仕事現場も見せてもらうようにしています。資金を何に使い、どう成長してご返済いただくか、そして事業に向けた熱意はどうか…それはヒザを突き合わせてこそ分かることですから」
お客様に寄り添う姿勢や
提案のスピード感が何より大切。
企業に融資を行うのは責任も重大。ドラマのように返済が滞ってしまうケースもあるのでしょうか?
「もちろん全てがグッドな対応ばかりではありません。でも、当行は、ご返済が難しい場合はその理由をお聞きして、条件を変更するなど親身にお客様のお手伝いをしています」
平野さんはこうしたお客様に寄り添う姿勢や提案のスピード感を大切にしています。例えライバル銀行より金利が高くても、「平野さんだから融資してもらう」と思ってもらえるプライスレスな関係づくりがモットーなのです。
「初めは1店舗だったお菓子屋さんが、全国へ、そして世界へ進出した例もあります。お客様に必要とされ、自分の提案から企業が大きく成長する姿を目の当たりにできるのも仕事の面白さです」
意見にしっかり耳を傾けてくれ、
素早く実行に移せる職場環境です。
営業部である以上、銀行員にも目標が定められます。ハードルは決して低くありませんが、チームで前向きに取り組める雰囲気が根づいているそうです。
「上司や支店長は僕の意見にしっかりと耳を傾けてくれるので決裁をスピーディーに実行しやすい環境。ミーティングや会議だけでなく飲み会でも交流を深め、何でも言い合える関係を築いているのが要因の一つです」
現在、平野さんの役職は調査役。行内オリジナルの税務や法務、財務といった単位を取得しなければステップアップできないため、「学生時代よりも勉強しています(笑)」と冗談めかします。お話を聞いていると、平野さんはとっても楽しそう。その原動力は何ですか?
「やっぱりお客様の『ありがとう』。その一言に尽きます。あと、いずれは福祉業界に大きな貢献ができるような提案をしたいという思いもモチベーションにつながっています」
シゴトのフカボリ
銀行法人営業の一日
8:30
出勤
8:40
業務スタート
9:00
メールチェック
9:15
外回り
11:30
お客様情報記録
12:00
昼休み
13:00
外回り
16:00
お客様情報記録/翌日の準備
17:00
退勤
シゴトのフカボリ
みなさんへ伝えたいこと

銀行の営業職はとりわけ人間性がセールスにつながる仕事。いつも笑顔で一生懸命に取り組めば必ず結果がついてくると思います。

シゴトのフカボリ
拝見!オシゴトの道具
外回りの必須アイテム。
法人営業のスタッフに支給されるタブレット。当行のオリジナルアプリがインストールされていて、仕事に必要なデータなどがすぐにチェックできるので便利です。

株式会社北洋銀行

北海道に密着した銀行として、平成29年に創立100周年を迎えました。道内最大の顧客基盤を持ち、「お客さま第一主義」の徹底のもと、地域とともに成長することを使命に掲げています。

住所
北海道札幌市中央区大通西3丁目7番地
URL
http://www.hokuyobank.co.jp/

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お仕事データ

お金の取り引きをサポート!
銀行員
銀行員とは
社会のお金の流れを
支える仕事。

金融業界の代表的な職業が銀行員。その三大業務が「預金業務」「貸し付け業務」「為替業務」です。預金業務はお客様のお金を預かる仕事。貸し付け業務は資金を必要としている企業や個人に利息をつけてお金を貸すこと。事業拡大や住宅を建てる際の資金繰りを支えます。為替業務は振り込みや送金、手形の発行、外国の通貨や債券を売買するディーリングです。銀行員はメガバンクや地方銀行、信用金庫・信用組合、ネット銀行などで、社会のお金の流れを支えています。

銀行員に向いてる人って?
真面目で几帳面、
そして信頼される人柄が大切。

銀行員はお客様の大切なお金を預かり、運用するのが仕事。書類の記入や確認は数字の正確性を徹底的にチェックしなければいけません。そのため、真面目で几帳面な人は向いているといえます。企業の経営状態をチェックしてお金を貸し付けることもあるので、経営や経済の知識があることは強みになるでしょう。また、サービス業の側面もあることから、人当たりがよく、信頼される人柄が求められます。

銀行員になるためには

銀行員を目指すのに特別な資格は必要ありません。総合職の場合は、大学を卒業し、新卒で就職試験に合格するのが一般的なコースです。一般職(事務職)は専門学校・高校卒でエントリーできるケースもあります。銀行員には金融や経済、不動産などの知識が必要になるため、経済学部や商学部、法学部の出身者が多いようです。また、簿記やファイナンシャルプランナーといった資格を持っているとPR材料になります。

ワンポイントアドバイス
銀行の種類は多種多彩。
最近は「ネット銀行」も注目株!

日本の中央銀行と呼ばれるのが「日本銀行」。国内で唯一紙幣を発行でき、税金や国債のお金を預かって公共事業や公務員の給与などに使っています。「都市銀行」は大都市に本店を構えて全国に支店を展開している銀行。各都道府県に本店を持ち、地域経済を支えているのが「地方銀行」です。「信用金庫」や「信用組合」は、地域の発展を目的とした金融機関で、より公共性の高い組織といわれています。ここ最近はインターネット支店の口座を開設することで、より簡単に預け入れや引き出しができる「ネット銀行」も注目を集めています。