菅井 純さん
インタビュー公開日:2018.02.21

「教員」ではないけれど
「先生」と呼ばれるシゴト。
自動車やバイクの「運転免許」を取得したいという人々のために、運転方法や路上でのルールやマナーを指導する「教習指導員」というシゴト。
麻生自動車学校の教習指導員である菅井純さんは、高校時代から乗り物に興味を持ち、卒業後は普通自動車免許と二輪免許を習得。接客業などを経験した後、コミュニケーション好きな性格を生かせる職場と考え、教習指導員の道を選びました。
「いろんな人と関われる仕事がしたいと思っていた時に、今の職場の求人に目が止まり、運転を教えるって面白いかもと考えたんです」
免許を取りたい人だけでなく、
免許を持っている人にも教習!?
自動車学校というと、これから免許を取る人が通う学校というイメージが強いはず。
「でも実際は、免許だけは取ったけど、運転する機会が無かった『ペーパードライバー』や運転に不安が出てきた高齢者の方に指導をするケースが少なくありません」
営業車に乗る機会が多い企業から依頼を受けて、新入社員への講習も行うのだと菅井さん。実車での教習だけでなく、学科での教習も担当し、運転シュミレーターを使った教習や救命救急処置の教習も行っています。
教習する乗り物毎に資格を取得。
「検定員」という資格も。
自動車やバイクを運転するのに免許が不可欠なように、教習指導員として働くためには公安委員会が定める資格を取得しなければなりません。
「自動車学校に入社したからといってスグに指導できるわけではないんです。私の場合、入社から3カ月くらいは資格のいらないデスクワークなどを行い、その間に先輩たちから指導員になるための知識と技術を教わりました」
資格試験は学科と実技、論文、面接からなり、合格すれば晴れて指導員デビューとなります。ただ、二輪車の教習をするには別途資格が必要になり、検定(運転技術が習得できたかを判断するテスト)を行うには「検定員」という資格も必要になります。
雪道の怖さや危険を
知ることも大切な教習。
自動車学校が忙しくなるのは快適に運転できる夏かと思えば、実際は冬、特に1月から3月がもっとも混雑するのだそう。その理由はいったい…?
「卒業を控えた高校生が、毎年1月ごろから一気に入学してくるんです。4月の就職までに免許を取らなければならない方もいるので、私たちも間に合うようにしっかりと教習します。この時期は雪が多くて運転には気を使いますが、北海道で自動車に乗るなら雪道は避けて通れません。自動車学校で一度経験しておけば、次のシーズンに不安を感じなくて良いというメリットはあると思います」
ちなみに少しぐらいの吹雪であれば、教習が中止になることはないのだそう。悪天候を経験することも大切な教習だと言います。
経験ゼロから免許取得を
サポートする醍醐味。
生まれて初めてハンドルを握るという人に運転の基本を教え、合格まで導いていけた時に大きなやりがいを感じると話す菅井さん。
「スポーツに向き不向きがあるように、自動車運転も得意な人とそうでない人がいます。同じ操作を教えても、覚えるのに時間がかかる人もいます。ただ、基本的に免許が取れない人はいないので、その人の適正や年齢、性格などに合わせて丁寧に指導していくことが大切。時間がかかっても無事に免許が取れた時には自分のことのようにうれしくなります」
シゴトのフカボリ
教習指導員の一日
8:00
出勤〜業務の確認
8:30
車両整備、確認
9:00
実技教習
14:00
昼食・休憩
15:00
学科教習
17:00
企業の新人向け実技講習
20:00
退勤
シゴトのフカボリ
みなさんへ伝えたいこと

運転の楽しさを伝えます。
危険やルールを伝えるだけではなく、「運転は楽しい」ということも知ってほしいですね。

麻生自動車学校

セーフティドライバー養成のためのカーライセンスの総合スクール。無料託児所や中国語対応など、時代のニーズに合わせた教育環境と最新の設備を整えています。

住所
北海道札幌市北区北36条西5丁目1-1
TEL
0120-86-59-18
URL
http://www.asabu.co.jp/

お仕事データ

ドライバーデビューを後押し!
教習指導員
教習指導員とは
安全運転のキホンを指導。

自動車学校(自動車教習所)において、危険を回避しながら車を操作する運転技術と道路を走行するために必要な知識の習得を促す仕事です。免許を取る人の車に同乗して行う技能講習と教室での学科講習を行います。万が一の事態に備え、救命救急処置の方法なども指導します。普通自動車、バイク、トラックなど、指導する車の種類に合わせてそれぞれ資格が必要です。

教習指導員に向いている人って?
運転の上手さよりも接客スキルが大切。

自動車教習では高度な運転技術は必要ありません。それよりも教習生の年齢や性別、性格などに合わせ、的確にわかりやすく伝えることで安全、確実な運転技術の向上を促します。技能講習では教習生にマンツーマンで指導するため、過度な緊張などを与えないような雰囲気作りも大切。接客が得意な人に向いている仕事です。

教習指導員になるためには

教習指導員になるには都道府県の公安委員会が実施する資格試験に合格しなければなりません。資格を得るには自動車学校への入社が一般的。入社後3~6カ月ほどは、資格が不要な教習生の送迎、事務作業などを行い、先輩たちから資格試験に向けた指導を受けます。試験前には公安委員会の行う3週間ほどの教育研修にも参加します。
試験には学科、実技、論文、面接があり、高い合格基準が設定されされています。試験に合格し、事後教養を受けると教習指導員としてのデビューとなります。

ワンポイントアドバイス
他の車種、検定員へステップアップ。

普通自動車の教習指導員は、この業界のスタートライン。二輪や大型、大型特殊など、教習できる車の種類を増やすために、新たな資格取得にチャレンジし続けることが求められます。また、修了試験や卒業検定を行うには「技能検定員」の資格が別途必要です。指導員と検定員の資格を得て、初めて一人前と言われます。