亀田 ゆいさん
インタビュー公開日:2017.10.30

友人の「もみほぐしが上手だね」
という言葉を本気にしました(笑)。
2016年に「ほぐしThaiマッサージ リラオリエンタル」を立ち上げた店長の亀田ゆいさん。ご自身は、ストレッチと指圧を織りまぜたタイ式マッサージのセラピストとして約10年の経験を持っています。
「高専を卒業した後は居酒屋やコールセンターの仕事を転々としていました。もともとマッサージに興味があったワケではなく、遊び半分で友人に試した時、『もみほぐしが上手だね。向いているんじゃない?』といわれて本気にしちゃったというか(笑)」
亀田さんは、さっそく求人情報を探してタイ式マッサージ店で働くことにしました。
解剖学や基礎医学を学んだことで、
施術後の手応えが変わりました。
「最初の3年間は何度も転職が頭をよぎるほど仕事が好きになれなくて…」
実に率直な言葉でかつてを振り返った亀田さん。一体どうしてなのでしょう?
「先輩の指導や独学で施術を身につけていきましたが、確たる自信を持てずにコレで良いのかな?とモヤモヤ状態だったんです。なので、25歳のころにカイロプラクティックの専門学校に通い、解剖学や基礎医学を学びました」
体の仕組みや筋肉の動き方といった知識が深まることで、施術の随所にわずかな変化が生まれたのだとか。
「以来、お客様の表情が目に見えて元気に映るようになり、『ラクになったよ』の言葉を糧に仕事を楽しめるようになりました」
ストレッチを使って筋繊維を
自然に緩めるのがポイント。
ところで、タイ式マッサージといえば、足裏を使った強烈なもみほぐしをイメージしがち。けれど、亀田さんは本場のタイに技術を磨きに行った時も、そのスタイルを見かけなかったといいます。
「お客様にも『足じゃないの?』とよく聞かれるんですが…当店は違いますし、痛くありません(笑)。疲れの原因につながるのは多くの場合血行不良。タイ式マッサージは指圧で筋肉を押しほぐすだけでなく、ストレッチを使って筋繊維を自然に緩めて血行を促すんです。そうすることで筋肉が固くならず、いわゆるもみ返しも起きにくくなります」
技術の先にあるのは、
癒やしてあげたいという気持ち。
亀田さんに直球質問。ズバリ、施術の良し悪しを分けるのはテクニックなのでしょうか?
「いえいえ、体の使い方やリズム感は、ある程度の訓練を積めば必ず上手になっていきます。そこから先はやっぱり気持ち。お客様を癒やしてあげたいという思いが強いほど、施術後の変化は大きいものなんです。私もタイ式マッサージやカイロプラクティックの資格を持っていますが、マダマダ勉強不足」
セラピスト歴10年という経験値の高さながら実に謙虚な姿勢。事実、癒やしの幅を広げるために、亀田さんは講習会や外部研修にも積極的に参加しています。
ゆくゆくは複数店舗を展開して、
スタッフにもっと還元したい!
「ほぐしThaiマッサージ リラオリエンタル」のセラピストは亀田さんを含めて5名。今後はスタッフがより働きやすいお店を作り上げるのも目標の一つです。
「当店は今のところ9時間営業ですが、ゆくゆくは8時間で閉店したいと考えています。リラクゼーション業界は営業時間が長いお店も多いようですが、セラピストが疲れていてはお客様に癒やしを届けられませんからね。待遇や福利厚生、外部研修への参加を含め、もっともっとスタッフに還元したい。そのためにも複数店舗を展開して、しっかりとした経営基盤を作るのが私の目標です」
シゴトのフカボリ
セラピストの一日
10:15
出勤
11:00
営業スタート
11:15
お客様の施術
13:30
休憩
14:30
お客様の施術
15:30
ブログで情報発信
16:30
お客様の施術
18:00
ポップ作り
19:30
翌日の予約チェック
20:00
退勤

ほぐしThaiマッサージ リラオリエンタル

経験豊富なセラピストがそろうタイ式マッサージ店。全身の疲れをほぐしながら、手の温もりを通して心も癒やされる感覚を届けています。

住所
北海道札幌市中央区南3条西3丁目4-2 中屋ビル4F
TEL
011-213-0699
URL
https://lila-oriental.net

お仕事データ

お客様に癒やしの時間を
セラピスト
セラピストとは
さまざまなサービスで、
癒やしを届ける仕事。

アロマテラピーや頭や顔のツボ押し、タイ式マッサージなど、お客様の体の状態を整えることで癒やしを提供する「ボディ系セラピスト」がイメージしやすい代表格。音楽や色、香りなどを用いて心をリフレッシュする「心理系セラピスト」もあります。いずれも体の機能や状態を回復するための医療行為ではないため、ケガを負った人や精神疾患の方は施術できません。さまざまなサービスによってお客様に「癒やし」の時間を届けるのがセラピストの使命です。

セラピストに向いてる人って?
人を包み込むようなやさしさと、
コミュニケーション力を携えて。

セラピストの施術を受けに来るお客様は、心身ともに癒やしを求めている方。人を包み込むようなやさしさは、安心感を届ける上でも必要な素養です。また、セラピストは人を癒やす職業であると同時に接客業でもあります。お客様との会話を楽しみながら、問題点を的確に察して、ベストな施術をご提案できるコミュニケーション力も求められます。いわば人とふれ合うことが好きなタイプは向いているでしょう。

セラピストになるためには

セラピストとして働くために決まった国家資格はなく、未経験からでもOKのサロンやリラクゼーション店も少なくありません。働きながら技術を身につけていく方法もありますが、スクールや通信講座で基礎知識・技術を学び、民間資格を取得した上でチャレンジするのもおすすめです。一定レベルの基礎スキルを持っているという証にもなり、お客様の信頼も得やすいとされています。民間資格についてはさまざまなので、気になるセラピストの職種があれば調べてみましょう。

ワンポイントアドバイス
あん摩マッサージ指圧師や
整体師との違いは?

タイ古式マッサージやアロマテラピー、リフレクソロジーなどのボディ系セラピストと同様に、体のゆがみなどを整える整体師も民間資格(資格がなくても施術はできますが、取得しておくことがおすすめです)。リラクゼーションを目的としているところはセラピストと共通です。これに対し、あん摩マッサージ指圧師や柔道整復師、鍼灸師は国家資格を持つ医療類似行為者として治療にあたるという違いがあります。