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荻原 由香さん
インタビュー公開日:2018.07.25

生活に密着した
テレビコマーシャル。
時にはそこから流行語が生まれるほど私たちの生活に密着し、数々の有益な情報を伝えてくれるテレビコマーシャル(CM)。言うまでもなく会社としてのテレビ局にとって大切な収入源です。
ある統計によると、視聴者1 人が1日に目にするCMの数は平均で190 本を越えるとされていますが、そのCMはどのようにして放送されているのか。
その仕組みを株式会社テレビ北海道・業務部の荻原さんにお伺いしました。
「私が所属している業務部は営業局の一部署で、テレビ局の商品であるCMの放送を管理しています。私の担当はCMの放送枠の組み立てなどです」
CMの放送を
〝プランニング〟する仕事!
「これ(下写真)は〝タイムテーブル〟と呼ばれる番組の一覧表で、全ての番組とCMが放送されるタイミングが網羅されています。広告主には、これにCMを放送する箇所を書き込んだものをご提案します」
当然といえば当然ですが、日々放送されるCMは無秩序に流されているわけではなく、その広告効果を考えたプランニングがなされているそうです。
「広告主のニーズやご予算を踏まえ、何曜日の何時何分の枠にCMを放送するか。紹介する商品にマッチした時間帯や番組なども熟慮して……例えばファミリー向きの商品なら、それにマッチした視聴者層の番組を選んだりと、すべてのCMと広告主にとって最大限効果的なプランを組み立てます」
とはいえ、広告主もCM放送枠も数は膨大。そのプランの作成は大変なのでは…
「それはもう大変です(笑)」
このお仕事は、
想像力が欠かせません!
「数が数なので交通整理のような作業です。朝から晩までパソコンに向かってひたすら調整を繰り返しますが、ご提案が1 度で決まらない事も多々ありますので、お客様にご納得頂けるまで、プランニングの直しは何度でもやります(笑)」
交通整理…とは言うものの、単純なパズルや数字合わせだけではなく、この仕事にはイメージ力や想像力も求められると荻原さんは言います。
「広告主が情報を伝えたいターゲットをイメージする想像力が大事だと思っています。その商品についていろいろ調べたり、勉強することも欠かせません」
日々のお仕事はこれ以外にも、営業担当者がセールスしやすいように〝夏休みにファミリー向けのCMを打つならこの番組やこの時間帯が効く!〟といったような、折々のお勧めの枠をまとめて〝商品を作る〟というものもあるそうです。
たまにお昼休みにランチに出かけるのが気分転換…と笑う荻原さんですが、逆に言えばそれだけ息つく間もない激務だということでしょうか。
最初は違った志望部署。
社内研修で視野が広がって…!?
テレビ局というとディレクターやカメラマン、記者やアナウンサーといった番組作りに直結する職種がイメージされがちで、こうした〝デスクワーク〟があるという事を知らない人も少なくないと思います。実際テレビ北海道さんでも、新卒採用の90%近くの人が報道や番組の製作部署が志望だそうです。
果たして荻原さんは就活時から〝業務担当〟を志望していたのでしょうか。
「大学で芸術環境創造を学んでいて、展覧会などのイベント運営に興味がありました。そのため、面接時にもイベントを企画運営する〝事業部〟を志望したのですが…」
荻原さんの言によると、採用後の社内研修で2ヶ月の間、各部署の業務を体験し、各々の特性を改めて見定められ、社内での配置が決められたそうです。
「そして出た辞令が業務部だったんです。当初の希望とは確かに違ったのですが、研修をするうちに全部の部署が面白く思えてきて、残念という意識はありませんでした」
なるほど、実際の現場を見て視野が広がったのかもしれません。
北海道のテレビ局で
働く意義とは。
最後に最近のお仕事で手応えを感じたことを聞いてみました。
「先日のことですが、1クール(3カ月間)の契約でいただいたCM出稿がありまして、その放送枠を経済関連番組周辺に設定したプランをご提案させていただいたのですが、それがご好評をいただいてCMの契約が1年間に延長されました」
来年で開局30 周年を迎えるテレビ北海道。荻原さんの考える地方テレビ局の良さとは、〝視聴者との距離の近さ〟だそうです。
「北海道の人に向けた自社番組を作っていますし、CMを流したいお客様も地元の方々です。地元に根ざした放送局はみんなと距離が近いと思うんです」
シゴトのフカボリ
拝見!オシゴトの道具
業務記録用ノート
中身は〝秘密〟がギッシリで、月に1冊のペースで消費しているとか。表紙の和み系イラストは同僚が書いてくれた電話メモに描いてあったものを貼ったそうです。

株式会社テレビ北海道

まもなく開局30周年。北海道に根を下ろし、北海道の元気を伝える個性的な番組をこれからも!

住所
北海道札幌市中央区大通東6丁目12番地4
TEL
011-232-1117
URL
http://www.tv-hokkaido.co.jp/

お仕事データ

CMの「枠」をプランニング!
スポットデスク
スポットデスクとは
スポンサーのニーズと放送枠を
調整しながら売上アップを目指す!

テレビ局の大きな収入源であるCM放送枠を管理するのがスポットデスク。スポンサーや広告代理店と交渉する外勤営業スタッフの情報をもとに、料金や視聴率、CMのターゲットなどの条件から、CMをどの時間帯に放送するかを決めています。ビジネスパーソンを狙った内容なら夜のニュース、ファミリー層向けならゴールデンタイムのアニメといったように、テレビの前の人を想像しながらCM枠をプランニング。スポンサーの希望と放送枠とを調整しながら、売上アップを目指します。

スポットデスクに向いてる人って?
コツコツと細かい作業が好きで、
チームプレーが得意な人!

スポットデスクは、スポンサーの15秒や30秒のCMを限られた枠の中に収めて組み立てていく仕事。コツコツと細かい作業を積み上げるのが好きな人に向いているでしょう。また、外勤営業スタッフはもちろん、事業部や編成部といったさまざまな部署と連携を取ることが多いため、コミュニケーション能力も求められます。CMは大きな金額を投じて放送されることから、責任感を持って慎重に物事を進める力も大切です。

スポットデスクになるためには

スポットデスクになるためには、テレビ局に就職するのが一番の近道。学部が問われることは少ないですが、多くの場合は4年制大学の卒業が応募条件となっていることが多いようです。ただし、最初からスポットデスクとして配属されるかどうかはテレビ局によって異なります。入社時の希望が通るケースもあれば、異動でスポットデスクになることもあるためご注意を。

ワンポイントアドバイス
タイムCMとスポットCM?

テレビ局で放送するCMは大きく分けて2種類。一つは番組枠と一体のものとして扱われる「タイムCM」。予め固定の番組内でCMを流すことが決まっていて、「ご覧のスポンサーの提供でお送りします」というナレーションとともに社名が出ることもあります。もう一つが「スポットCM」。番組に関係なく、テレビ局が定める枠に挿入されるCMです。契約期間や希望時間帯は、スポンサーの希望に添う形で行われます。

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