野原 立さん
インタビュー公開日:2018.10.25

レスキュー隊の仕事を通して、
現代の社会のあり方に疑問を。
2017年より、アウトドアブランドのスノーピークが運営している、スノーピーク十勝ポロシリキャンプフィールド。
野原立さんは、スノーピークの社員として、キャンプ場及び、直営店の運営・管理に携わっています。
以前は、東京消防庁でレスキュー隊員として働いていた野原さん。
「悲しい事故や自殺の現場を多数経験しました。そのような事態が起こってから出動するのも大切な仕事。ですが、そもそも問題が起きないような社会を作るには?と自問自答するようになりました」
一方、学生時代から親しんできた山登りで、自然が持つ力をより実感し、スノーピークが掲げる「人間性の回復」というミッションを知って深く共感したといいます。
新天地・十勝への転職を決意。
職場環境も刺激的でした。
ある時、スノーピークでイベントの企画をする社員の募集を見つけ、転職を決意。
さっそく応募してみたところ、「北海道で新しく指定管理者となるキャンプ場があるので、そこのスタッフとして働いてみないか」という申し出がありました。
自然の豊かな環境を望んでいた野原さんにとっては願ってもない話でした。
さらに、これまで公務員として組織の中で与えられた仕事に取り組むことに少し窮屈さを感じていたという野原さん。
着任当初、会社のメンバーは野原さん一人。帯広市の観光課の方と連携を取り、以前の指定管理者から引き継ぎを受け、本社にも確認を取りながら、手探りでオープンの準備をしていく環境は、とても刺激的で楽しかったと振り返ります。
オープン後はスタッフも増え、現在アルバイトも含め4人で運営に当たっています。
キャンプ好きなお客様と触れ合い、
通勤の風景や焚き火も至福の時。
北海道にはこの仕事を機に初めて来たという野原さん。
「家からキャンプ場までは、車で約45分間の道のりです。日高山脈がドカン!と見える景色を見て、いつも幸せだな、と思います。通勤で幸せを感じるなんて、東京で満員電車に乗っていた時には考えられませんでしたね」
日常の業務は、宿泊客の予約の受け付け、スノーピーク製品販売、訪れたお客様のご案内やテント設営の補助など。キャンプ場や店舗管理の業務を通して、さまざまなお客様と接しています。
「特に夏の繁忙期は慌ただしい時もありますが、キャンプが好きなお客様と接するのは楽しいです。
スノーピークでは焚き火をする時間を特に大事にしており、焚き火を囲んでお客様とゆったりと過ごす時間は格別ですね」
ワールドクラスの魅力を発信し、
十勝を盛り上げていきます!
日々の管理業務に加えて、ここでのキャンプの魅力を多くの人に伝えるのも大切な役割です。
お客様とスタッフが触れ合うキャンプイベントを定期的に主催しています。
「十勝には、まだ地元の人が気づいていない豊かな資源がたくさんあると思います。
弊社の社長も十勝をよく訪れていて、『ワールドクラスのアウトドアフィールド』と表現しています。
自然だけではなく、熱気球体験ができる十勝ネイチャーセンターや本格的な犬ぞり体験ができるマッシングワークス、湖の上に作られた村・しかりべつ湖コタンなど、十勝にはアクティビティーも豊富です。
ここを拠点にしてそういった素晴らしい資源を楽しんでもらい、十勝を観光地としてさらに盛り上げていきたいと思います」
ぜひポロシリで冬のキャンプを!
自然の中の豊かな時間を体験して。
さらに、野原さんたちが取り組んでいるのが、冬のキャンプのPRです。
冬のキャンプはスノーピークが管理するようになった2017年からのスタートなので、認知度もまだまだだとか。
「地元の人に話すと、『冬にキャンプをするなんて信じられない』と言われることもありますが、道外から来た私からすれば、寒いというだけでワクワクするものなんです」
夏のキャンプには、地元の人がリピーターになるなど、手応えを感じると野原さん。
冬にも営業していることをアピールするために、名刺の裏に手書きで冬のキャンプの宣伝を書いたり、地元のイベントに出展してアピールしています。
「お友達に誘われて初めてキャンプに来て、家族みんなが豊かな心で帰っていくお客様の姿をたくさん見ています。
自然を通じて大切なものを見つけてくれる方を、もっともっと増やしたいと思います」
シゴトのフカボリ
キャンプ場スタッフの一日
8:00
出勤
場内施設の清掃、チェックアウト対応
10:00
開店、接客
11:00
チェックアウト終了
レンタル品の洗浄、乾燥、メンテナンス
12:00
昼休み
13:00
チェックイン対応、接客、電話対応
15:00
場内の見回り、設営補助
17:00
閉店、締め作業
備品の補充、清掃
18:00
退勤  
繁忙期は宿直もあり
常連客と焚き火、食事などを共にすることも
シゴトのフカボリ
みなさんへ伝えたいこと

現代の社会は、本来の人間性を失いやすい環境だと思います。キャンプや山登り、焚き火が、それを思い出させてくれます。大切なものを見失いそうだな、と思ったら、ぜひ十勝にキャンプに来てください!

株式会社スノーピーク 
スノーピーク十勝ポロシリキャンプフィールド

帯広市街地から車で約45分、十勝幌尻岳の麓にあるキャンプ場。スノーピーク直営店を併設し、テントなどキャンプ道具の貸出も行っています。

住所
北海道帯広市拓成町第2基線2-7
TEL
0155-60-2000
URL
https://sbs.snowpeak.co.jp/tokachiporoshiri/

お仕事データ

アウトドアを楽しく快適に。
キャンプ場スタッフ
キャンプ場スタッフとは
キャンプ場の管理や接客、
時にはイベントも担当!

北海道にはキャンプ場が数多くあり、そこでの接客や管理を担当するのがキャンプ場スタッフ。具体的には管理棟でお客様の予約対応や受け付けをするフロント業務、トイレの清掃やゴミ拾い、貸出用バーベキューセットの準備・片付けなど幅広い仕事を担います。キャンプ場によっては「アウトドア教室」をはじめとするイベントの考案や運営を任されるケースもあり、それを通じて、アウトドアの魅力を伝えることも大切なしごとの一つです。アウトドアを楽しみに来るお客様に、快適で楽しいサービスを届けるのがキャンプ場スタッフです。

キャンプ場スタッフに向いてる人って?
アウトドア好きで体力があり、
人を楽しませられる人。

まず、アウトドアの活動が好きであることが大前提。テントの張り方や炭のおこし方を尋ねられることもあるため、ある程度のアウトドアスキルは必要とされます。また、広いキャンプ場内を動き回ることから、体力も求められるでしょう。キャンプ場スタッフは接客業務も少なくないため、コミュニケーションを取りながらお客様を楽しませられる力がある人も向いているといえます。

キャンプ場スタッフになるためには

キャンプ場スタッフになるために特別な資格は必要ありません。学歴も問われないケースが多いようですが、自然調査やアウトドアガイドについて学べる専門学校に進学するのも一つの道のりです。仕事の中でキャンプの指導やアウトドアにまつわるイベントに携わる場合もあるため、「キャンプインストラクター」や「キャンプディレクター」、「オートキャンプ指導者」といった資格を取得しておくと役立つでしょう。

ワンポイントアドバイス
アウトドア好きの仲間と、
絆を深められるのも魅力。

キャンプ場は夏場のハイシーズンともなると日差しが強く、お客様も多いことから力仕事でクタクタに疲れてしまう日もあるはず。けれど、スタッフ同士で協力し合って作業を進めることから仲間の連帯感が強まっていきます。休憩時間には一緒にバーベキューを楽しんだり、休みの日に星を見に出かけたり、アウトドア好きにはたまらない環境の中で、仲間と過ごせるのもこの仕事の魅力です。