木村 翔平さん
インタビュー公開日:2019.02.14

生活の中でも身近な薬を学べば、
みんなの役に立てると思いました。
もともと、親族に看護師など医療関係の仕事に就いている人が多く、医療関係の仕事には興味を持っていたという木村翔平さん。
高校の体育館にさまざまな大学が集まって行われた説明会で、印象に残ったのが薬学部でした。
「祖母など家族が毎日薬を飲んでいた姿が記憶にあり、自分に薬の知識があれば家族みんなの役に立てると思いました。
また、大学は楽しいイメージだったので、通常は4年間で終わる大学生活が6年あることにも興味を持ちましたね」
大学では、毎週のように実験を行って薬の構造式や作用についても深く学び、病院や薬局での実習も経験。薬剤師の国家資格を取得しました。
病院の薬剤師は、医師や看護師など
他の職種と関われることに注目。
薬学部を卒業した人の進路は、主にドラッグストア、調剤薬局、病院、そして製薬会社などの研究職です。
木村さんは、大学時代の長期実務実習を通して、医師や看護師などさまざまな職種と関わりながら働ける病院に魅力を感じ、方向を定めました。
勤務する北海道大野記念病院の薬局では、病棟と調剤室を定期的にローテーションし、勤務に当たっています。
病棟では入院している患者さんの飲んでいる薬の管理や服薬指導、調剤室では外来に訪れる患者さんの投薬や、注射薬や抗がん剤といった薬の提供など、薬剤師の仕事も多岐にわたります。
コミュニケーションも重要な技術。
大学で試験を受けて現場に出ます。
患者さんとのコミュニケーションは、薬剤師の最も重要な仕事の一つ。正しく安全に薬を使ってもらわないと、時には人命に関わるためです。
その重要さは、大学の薬学部から病院に実習に行く前に、患者さんとのコミュニケーションの実技試験を行っているほど。
病院では分かりやすい言葉で患者さんに伝えることが求められます。木村さんも、いろいろと試行錯誤してきたといいます。
「糖尿病薬は血糖を下げる薬。血栓予防の薬は血液をサラサラにする薬と言い換えます。
特に、患者さんはお年寄りの方が多いので、誰にでも分かる伝え方が大事ですね」
患者さんから感謝を伝えられることも多いといい、それが木村さんの日々のやりがいになっています。
投薬にミスは許されません。
チームプレーで万全な体制に。
薬の調合や投薬の際も、薬局では万全のチェック体制を敷いています。
病棟、調剤室ともに、患者さんに薬を出す時は二人の薬剤師が付いて、調剤と監査をそれぞれ行います。
また、医師が出した処方箋に対し、薬剤師が薬の種類や量や飲み合わせに間違いがないか、最終チェックの役割を果たしています。
患者さんが入院する時は、最初に面談し、別の科で出されているものも含めどんな薬を飲んでいるかを聞きます。それを踏まえ、薬剤師が医師に進言することも。
また、北海道大野記念病院は多数の診療科を持つ病院なので、患者さんの疾患の種類も多様です。
冬はツルツル路面で転び、痛み止めなどの処方が増えるのも北海道ならでは。
さらに専門知識を身につければ、
医療現場で頼られる存在に。
薬剤師として現場で3年間の経験を積んできた木村さん。
薬剤師の資格には、さらに上位の資格もあります。がん、感染制御など5分野の専門の知識を認定する試験に合格した認定薬剤師、そして、その分野の研究の業績が認められて指導的な役割を果たす専門薬剤師という資格です。
「病院の先輩にも資格を取っている人がいて、医師や看護師も疑問はその人に聞くというほど信頼されています。そういう人たちは、専門分野だけでなく幅広い知識も持っています。
私ももっと知識を身につけて、他の職種の人から頼りにされるようになっていきたいですね」
シゴトのフカボリ
薬剤師の一日
8:45
出勤
9:00
退院する患者さんに薬を渡す
10:00
当日入院してきた患者さんと面談
11:30
昼休憩
12:30
昼のシフトで調剤室へ
13:30
病棟に戻り、入院患者さんと面談、服薬指導
16:00
面談の記録を作成
17:00
翌日に退院する患者さんの準備、チェック
18:00
退勤
シゴトのフカボリ
みなさんへ伝えたいこと

薬剤師は、医師が出した処方箋に基づいて薬を調合し患者さんにお渡しする、薬物医療の最後の工程を担っています。私の好きなサッカーに例えると、ミスを食い止めるゴールキーパーのようなポジションです。

シゴトのフカボリ
拝見!オシゴトの道具
調剤のチェック用印鑑
患者さんに薬を出す時は、調剤する人と監査する人、二人の薬剤師が担当し、二重にチェックします。それぞれが印鑑を押すことでチェック体制を見える化し、ミスを防いでいるのです。

社会医療法人 孝仁会 北海道大野記念病院

2016年に建設された新しい病院。がん、脳卒中、心臓病の三大疾病と運動器疾患を中心とした高度急性期医療を軸に、最新の設備で診療を行っています。

住所
北海道札幌市西区宮の沢2条1丁目16番1号
TEL
011-665-0020
URL
https://ohno-kinen.jp

お仕事データ

医薬品のスペシャリスト!
薬剤師
薬剤師とは
「医薬分業」によってミスを防ぎながら、
患者さんの病気やケガを治す薬を調合!

薬剤師の代表的な仕事は、病院や調剤薬局で医師の処方箋をもとに薬剤を調合し、正しい飲み方をアドバイスすること。アレルギーや過去の処方薬、妊娠の有無など、医師の指示が患者さんにとって安全かどうかを確認する「医薬分業」によって医療ミスを防いでいます。また、民間の製薬会社や大学の研究機関で新薬の研究・開発に取り組んだり、厚生労働省で薬剤を認可したり、意外なところでは麻薬取締官も担うなど、活躍の場が幅広いのも特徴。薬剤師は薬にまつわるスペシャリストです。

薬剤師に向いてる人って?
几帳面で責任感のある人。
コミュニケーション能力も必要です。

薬剤師の最も一般的な仕事は薬の調合。医師の処方箋に従って正確な分量で配合しなければならず、一歩間違えると患者さんの健康に直結することもあるため、几帳面で責任感のある人が向いているでしょう。当然ながら、薬の効能や調合についての深い知識も必要です。ここ最近は医師や看護師、栄養士とチームを組む「チーム医療」が進む他、患者さんに服薬を正しく分かりやすく説明しなければならないため、コミュニケーション能力も求められます。

薬剤師なるためには

薬剤師として働くためには、国家資格が必要。そのためには、大学の薬学部か薬科大学で6年制の薬剤師養成課程を修了しなければなりません。「有機化学」や「生物化学」、「薬剤学」、「疫病学」といった学問から調剤薬局での実習まで、薬学に関する幅広い知識や技術を身に付けた上で、薬剤師国家試験に合格することが求められます。

ワンポイントアドバイス
薬剤師は安定した職業として人気。
今後は高度なスキルの習得がカギ!?

薬剤師は専門性が高い仕事のため収入が安定している職業として知られ、福利厚生も充実している職場が多いのも特徴です。結婚や出産を経ても復職しやすいことから、女性にも人気があります。一方、最近は薬剤師を養成する学校が増え、資格取得者も増加傾向。今後は競争が激しくなる見込みです。他の医療スタッフとともに患者さんのもとで服薬指導を行ったり、医師に近い業務をカバーできる力を身に付けたり、より高度なスキルが求められるといわれています。