中川 竜二さん
インタビュー公開日:2019.09.24

ダンスイベントに出場し、
運営を手伝ったのがきっかけ。
表面から見ると、華やかで楽しいダンスイベント。その裏方には、企画や運営を担うスタッフがいます。札幌で大規模なダンスコンテスト「KING DANCE MATSURI」などを主催するKING PRO.でイベントプロデューサーとしてキャリアを築いているのが、中川竜二さんです。
もともとは、中川さんもダンスを楽しむ側の一人でした。「高校時代に学校祭で、遊び半分でダンスを披露したらみんなに注目され、それをきっかけに部活を辞めてダンスを習いに行くことにしました。その時からの師匠が、今の会社の社長であるMAMEだったんです」
学生時代は、2007年から始まったイベント「KING」に自身も出場しながら、運営を手伝うように。「街中のビルにフライヤーを配ったり、会場設営をするところから始まり、裏方も楽しいと思うようになりました」
これからのダンスの普及・発展を、
仕事にしていくことを目指して。
当時はイベントの運営を担う人が少なく、「ここで自分にしかできないことがありそうだ」と思うようになったという中川さん。北海道でダンスを普及・発展させ、ダンサーを世に送り出していくというKING PRO.の理念に共感し、さらに中学校でダンスの必修化が決まった時期でもあったため、ダンス業界にも可能性を感じていました。
大学卒業前は、就職活動をしていたものの、「面接でダンスの普及や活性化をしたいという話をしたら、『会社でやるより自分でやった方がいいんじゃない』と言われ、確かにそうだなと思いました(笑)大きな組織で企画を通すには時間がかかります。やりたいことをやるには、小さなところから広げていった方がいいと思いました」
その時点で就職活動を辞め、師匠のMAMEさんのもとでダンスの普及活動を仕事にしていくことに決めました。
最初は仕事内容も手探り。
人とのつながりが徐々に形に。
最初は、どんな仕事をしていくか手探り状態からのスタートでした。自社で主催するイベントの企画・運営や広報を軸に、興味を持ったり協力してくれそうな人と話をしているうちに、企業のCMにダンサーの出演や振り付けの依頼を受けたり、イベントにダンサーが出演するなど、仕事に発展していくことも増えました。
また、北海道の大学生のダンスバトルイベント「アルキタ杯」も企業とのコラボレーションの一つです。このイベントでは、KING PRO.が企画・運営を担当しています。若いダンサーを応援し普及させるという目的が双方で一致し、中川さんとしても学生と直接つながれる重要な機会になっています。
北海道のダンスを盛り上げたい。
その思いで日々仕事をしています。
「この仕事では、イベントの当日を迎え、みんなが盛り上がって喜んでくれている時が一番楽しいですね。でも、毎回反省点もあります。そこを改善して、自分たちにしかできないものを追求しています」
北海道のダンス人口は増えており、初心者から通える小さな教室から、もっと上手になりたい人のためのスタジオまで充実してきています。また、ダンサー同士でも派閥がなく、ダンスシーンを盛り上げるために協力する体制ができているといいます。
「そんな中、10年以上にわたり開催している『KING』は、ダンス愛好者向けの濃いイベントに成長しています。もっとダンスの間口を広げるために、『KING』とは別に、ダンサー以外の人も気軽に見に来られるような大きなイベントも企画していきます」
映像制作をもう一つの軸に。
新たな世界を開拓しています。
イベント企画だけでなく、最近は映像制作ももう一つの軸にしていきたいと考え、取り組んでいる中川さん。札幌で活動するダンサーのプロモーション動画が国内の映画祭にノミネートされるなど、徐々に頭角を表しています。現在は、中川さんの後輩も入社し、自社イベントは後輩に任せ、企業との企画や映像制作など新しい仕事の開拓に専念しています。
アイデアを出し、新しく面白いものを作っていくのがイベントや映像制作ですが、会社の中でも、レールの敷かれた道だったわけではないからこそ自分の力で作り上げる喜びを見出している中川さん。「与えられた仕事をするのではなく、常に自分で考えて発信していかなければなりません。難しいこともありますが、それが楽しいですね」
シゴトのフカボリ
拝見!オシゴトの道具
動画撮影向きの一眼カメラ
「これから動画制作に本格的に力を入れていく!」と決めた時に購入した、SONYの高性能デジタル一眼カメラ。比較的軽く、バッテリーの持ちがいいので動画撮影に向いています。
シゴトのフカボリ
みなさんへ伝えたいこと

KINGPRO.のスローガン「PLAYthe DANCE〜ダンスをアソベ〜」にちなんで、「人生をアソベ!」。終身雇用の時代も終わり、やりたいことを仕事にしていく時代になると思います。
ぜひ楽しいことをやっていきましょう!

合同会社KING PRO.

北海道の芸術文化としてストリートダンスの普及・発展を目指し、各種イベント企画や企業との連携によるダンサーの育成、輩出に取り組んでいます。

住所
北海道札幌市中央区南9条西8丁目1-26-102
URL
http://play-the-dance.com

お仕事データ

プロジェクトの統括者!
プロデューサー
プロデューサーとは
プロジェクト全体をコントロールし、
成功に導けるように手腕を発揮。

テレビ番組やWebサイト、アニメ、ゲーム、イベントに広告…こうしたプロジェクトを制作する総責任者がプロデューサー。業界や携わるコンテンツによって多少は異なりますが、主にスポンサー集めや予算の調達、制作する人のスタッフィング、スケジュールの進行管理など、全体を統括します。時には企画のプランを立てたり、ストーリーの加筆修正を行ったり、プロジェクトが成功するように手腕を発揮するのもプロデューサーの役割。責任は重大な分、多くの視聴者や動員数などを獲得した際のやりがいも大きな仕事です。

プロデューサーに向いてる人って?
常に世の中のトレンドをチェックし、
根気強くプロジェクトに取り組める人。

プロデューサーは世の中のトレンドをつかみながら企画を立て、プロジェクトを成功に導かなければなりません。そのため、自分が身を置く業界はもちろん、世間で何が流行しているのか常にチェックする感度の高い人が向いているでしょう。また、長期にわたってスタッフの人選やスポンサー集め、進行管理に携わるため、腰を据えて仕事に取り組む根気強さも必要です。また、スタッフのモチベーションを高め、一致団結する雰囲気をつくるのが好きな人にも素養があります。

プロデューサーになるためには

プロデューサーになるために必要な学歴や資格はありません。高校や専門学校、短大、大学卒業後に、テレビやアニメ、ゲーム、イベント関連といった志望する業界の制作会社に入社し、キャリアを重ねてプロデューサーへとステップアップするケースが一般的です。多くの場合、アシスタントプロデューサーとしてマネジメントスキルやスタッフの活用方法を学び、一人前へと成長していきます。

ワンポイントアドバイス
マルチなスキルが磨かれ、
成功した際には名前が売れる好循環!

プロデューサーはスタッフのマネジメントや市場調査・分析、スケジューリングにクライアントとの折衝、スポンサー集めのためのセールスなど、多種多彩なスキルをフル活用して一つのプロジェクトを動かしていきます。マルチな能力が身に付くだけではなく、成功した際には名前が売れて次の仕事が舞い込む可能性も高まっていくはずです。業務を重ねるたびにスキルが上がり、それが自らの将来を開いていくという好循環を感じられるのも醍醐味です。