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寺前 尚貴さん
インタビュー公開日:2020.02.28

震災の発生、新型肺炎の流行……、
制度融資などで中小企業をサポート。
2018年9月の早朝に発生した北海道胆振東部地震。北海道では過去最大規模となる揺れにより、胆振地方や札幌でも甚大な被害が出たほか、道内全域が停電するブラックアウトが発生し、生活、そして企業の経済活動にも深刻な影響が及びました。
「私が今の部署へと異動になったのは、ちょうどその年の4月でした。震災後には企業の被害の状況を調べ、被害額の確認、その証明を行い、札幌市や北海道が設けている関連融資をご案内し、経営再建のお手伝いをしました」
そう話す寺前尚貴さんが所属するのは札幌市経済観光局産業振興部商業・金融支援担当課という部署で、主に中小企業の支援などを行っています。直近では、中国で発生した新型コロナウイルス関連肺炎の影響が懸念される中小企業者への支援のために融資制度の創設にあたったそうです。
「こうした緊急事態が発生すると業務の負担も増えますが、大変さも感じる一方で、企業のサポートに貢献できるという実感も強く、業務には一層、気持ちが入ります」
経営相談から新規創業の支援まで
分野や業種を問わずに対応する。
中小企業・小規模事業者を対象とした制度融資の案内や、新規創業に向けた支援を行うことが寺前さんの部署の主な業務。札幌中小企業支援センターという窓口を設けており、中小企業診断士や金融機関の経験者といった専門家を置いて企業規模や業種・分野ごとに設けられた制度融資の提案をするほか、経営相談も行っています。
「各専門家の配置、センターの管理・運営が私の部署の大きな役割です。その時々の情勢などに応じて相談体制を見直しており、例えば今は、人手不足対策についてアドバイスを行える体制について検討しています」
事業を始めたいという人の相談も行っており、資金計画の作り方などの助言を行う創業希望者を集めたセミナーなども企画・運営。
「分野や業種を問わず、幅広い支援を行っていることもこの部署の特徴。各業界の動向などを把握しておくことも大切です」
窓口で相談を受ける専門家などから、リアルな状況や感覚的な傾向などを聞き、常に把握するよう努めているそうです。
子育て支援の新制度導入を担当、
ネットワークの大切さを実感。
大学時代から生活に身近な業務を担う公務員の仕事を目指していたという寺前さん。最初に配属されたのは北区役所。生活保護業務を担当していました。
「ケースワーカーとしてご自宅にお伺いし、暮らしぶりを拝見したうえで、生活保護認定についてお話することが仕事でした」
コミュニケーションの方法など、最初は不安もあったものの、先輩職員に同行して業務の流れを覚えるところからスタートし、現場に出る中で自然に感覚をつかんでいけたと振り返ります。この業務を4年間担当し、次に配属となったのが子ども未来局子育て支援部。
「保育所や幼稚園の保育料に関する業務が中心でしたが、この部署で2年目となる2015年に子ども・子育て支援新制度という制度がスタート。仕組みが大きく変わる中、自分の部署の内部だけでなく、保育料算定の窓口となる各区の保健センターと調整を行ったことが印象に残っています」
窓口の担当者の方が詳しいケースもあり、アドバイスをもらうことも多かったと話す寺前さん。市役所の仕事が幅広いネットワークの中で動いていることを実感したそうです。
部署異動で新しいことを学んでいく。
常に新鮮な気持ちで成長できる環境。
北区役所で4年間、子ども未来局でも4年間の勤務を経て現在の経済観光局へと異動になった寺前さん。いずれの担当も暮らしや産業に欠かせない仕事ですが、必要な知識や業務内容は大きく異なります。
「新たな部署に就くと、また一から業務を覚える必要があります。でも、そうやって環境が変わり、新しく学んでいけることは大きなメリットだと個人的には思っています」
国の制度に則って生活や子育てを支援する二つの部署を経て、今度は札幌市独自の政策にも関われる経済関連の部署に今は魅力を感じていると話します。必ずしもそのとおりにはなりませんが、毎年、次の異動先の希望を出すことができるのだそうです。
「民間では一つの仕事に精通していくことが多いのかもしれませんが、専門性の高い技術職を除いて、幅広い分野に関われることも市役所の仕事の良さだと思います。また、異動を繰り返し、いろいろな職員と出会い、一緒に仕事をすることで刺激を受けることや学ぶことも多いと思います」
こうした環境があるからこそ、常に新鮮な気持ちで業務に当たることができ、そのことによって成長し続けられるのだと、寺前さんは力説しています。
経験を積み、さらなる成長を。
自分の将来と札幌市の未来を見据えて。
現在の部署に配属になって2年目の寺前さん。業務に精通していく中、例えば多くの企業の役に立てるよう、よりニーズに合った融資制度の検討などを行うとともに、自分自身や組織が効率的に業務に当たれるようにも取り組んでいきたいと考えているそうです。
「それぞれが経験を生かし、自分なりの発想で業務に当たっている上司や先輩のように、仕事の引き出しを増やし、どんな場面にも柔軟に対応できるようになりたいと思っています。また、自分自身が得た経験や知識で、業務に役立てていけるものは、可能な限り同僚や後輩に伝えていきたいです」と、自分自身の将来も、また市役所全体の向上についても、しっかりと見つめる寺前さんだ。

シゴトのフカボリ
みなさんへ伝えたいこと

部署異動があることを、行政の仕事を考える中でマイナスイメージに捉える方がいるかもしれませんが、自分が知らない多様なことを学べるチャンスだと私は感じますし、その中で成長を目指したいと思っています。

シゴトのフカボリ
札幌市職員の一日
8:45
始業・朝礼(月曜日のみ)
9:00
局内打ち合わせ
10:00
事務処理(電話対応・メールチェック・資料作成等)
12:15
昼休み
13:00
委託業者・外部関係機関との打ち合わせ
14:00
中小企業向けセミナーの視察
16:00
事務処理(電話対応・メールチェック・資料作成等)
17:15
終業

札幌市役所

都市計画、地域振興、保健福祉、市税、環境保全、産業振興、観光、スポーツ、教育、消防、交通、水道、病院事業などの幅広い分野において、190万人を超える市民の暮らしを支える地方行政全般の業務を行っている。

住所
北海道札幌市中央区北1条西2丁目
URL
https://www.city.sapporo.jp

お仕事データ

より良い暮らしのために
市町村役場職員
市町村役場職員とは
地域住民の暮らしに密着し、
行政サービスを提供。

市町村役場の職員は、警察官や消防士、教員と同じいわゆる地方公務員。地域住民の生活に密着した基礎的な行政サービスを担います。例えば、戸籍住民登録や各種諸証明の発行などの手続き、上下水道の整備、公園や緑地の整備、各種施設の運営管理など業務の幅は多彩です。一般的に「事務職」と「技術職」に分かれています。

市町村役場職員に向いてる人って?
「そのマチが好き」という気持ちがある。

丁寧で親しみやすい態度が好感を得るためのポイント。多くの自治体が厳しい財政状況にある今、市町村役場の職員はコストをかけることに対して地域住民にどんなメリットをもたらすのかを考え、住民サービスや施策を検討する必要があります。もちろん、「そのマチが好き」という気持ちは大前提です。

市町村役場職員になるためには

各自治体の採用試験を受験します。内容は市町村や受験職種によって異なりますが、事務職の場合は特に資格は必要なく、法律や一般常識などの筆記試験と、作文や面接などが行われるのが一般的。技術職は保健師や土木分野など、該当する資格や技能、専門的知識を問われることもあります。

※受験資格も各自治体で異なるため、詳しくは市町村のホームページをご確認ください。

ワンポイントアドバイス
幅広い仕事を経験。

市町村役場の事務職は、3~4年ほどのスパンで異動するケースがほとんど。それまでとまったく畑違いの課で働くことは苦労も多い分、幅広い知識と経験が身につくこともメリットです。市町村役場の中の仕事を一通り覚えて、行政全体の流れを把握できて一人前といわれています。