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菅原 拓さん
インタビュー公開日:2020.05.08

公共事業にともなう移転などを
補償するために財産価値を算定
新たに道路を作ったり、河川を治すといった公共事業では、民間の土地の取得や建物の移転が必要になるケースがあります。そうした場合に、土地・建物を調査し、財産価値を算定するのが菅原拓さんの仕事。補償コンサルタントと呼ばれています。
「たとえば、移転をお願いする住宅について、使われている資材の種類、建具・窓などの大きさをはじめ、家のなかにあるものも含めて一つひとつ私有財産を調査します」
菅原さんによれば、庭があれば樹木なども調べるほか、工場や店舗、そこにある機械類なども調査の対象となるのだそうです。
「移転は必要ないものの、道路の補修、橋梁の架け替えなど大きな公共工事を実施する際、騒音・振動による影響を受けそうな建物を事前調査することも、補償コンサルタントの大切な仕事です」
これは事業損失調査と言って、対象となる範囲にある住宅、店舗、工場などを一軒一軒訪ねて、基礎部分のひび割れなど工事前の現況を調べます。万が一、工事の影響で破損などが起きた場合に正しく補償するためです。補修・修繕によるインフラの長寿命化が進められるなか、近年はこの事業損失調査が増えているのだとか。
知識ゼロからスタートして3年目
サポート業務を通して学んだ日々
住宅などを調査した結果は、CADにより図面を作成し、算定を行っていきます。建築図面が残っていない場合は、現地で寸法を図り、それをもとに改めて図面を描いていくなど、設計に近い要素もある仕事です。
「大学で専攻したのは語学系。建築の知識もなくCADの経験もありませんでした。まさしくゼロからのスタート。でも、先輩について社内で実務関連の補助業務から徐々に始めました。調査現場でもサポートを行いながら必要なことを教えていただくという手順を繰り返すなかで、ゆっくりですが着実に知識・技術を学ぶことができました」
たとえばCADについては、まずは会社の社屋を実測し、間取りや立面図などを描いてみるなど、上司の指導を受けながら感覚をつかんでいったといいます。
そんな菅原さんも3年目。独り立ちする日も近づいているようです。
「これまでは先輩に同行するかたちで業務を行っていましたが、新年度からは自分も責任者として仕事を動かしていくことが決まっています。スケジュール管理など、新たな業務もあるので、気を引き締めているところです」
少しの緊張と、そして誇りを感じさせる表情で語ります。
2泊3日、釧路での実務体験に参加
フレンドリーな雰囲気に惹かれ入社
一般的にも、知名度が高いとはいえない補償コンサルタント業務に出会ったのは、ほとんど偶然だったと菅原さんは話します。
「アルバイトに力を入れるあまり、就活スタートが遅くなってしまい……実は当社の説明会には参加しておらず、夏も終わる頃、就活サイトで見つけたんです」
特定の業界・業種にこだわっていたわけではなく、生まれ育った札幌で働きたいと考え、調べていくなかで、実家からも近い同社に目が止まったのだとか。業務内容についてはよくわからなかったものの、実務体験ができると知り、まずは見てみようという気持ちで応募しました。
「体験は2泊3日、釧路で行う事業損失調査の仕事でした。その時の、現場の雰囲気がとても良かったんです。どの先輩もとてもフレンドリーで、仕事のこと、会社のことも包み隠さず教えていただけました」
釧路に行ったのは11月。まだ雪はないものの、とても寒い時期でした。現場の厳しさも実感しましたが、それよりも、人の良さ、環境の良さが印象に残り、〝ここなら働いていけそう〟と思えたことが大きいと菅原さんは振り返ります。
観光では行かない土地を知って
おいしいものに出会える楽しみ
補償コンサルタント業務の現地調査は、決して力仕事ではありませんが、実務体験で菅原さんが感じたように、外仕事なので気候などに左右される場面もあるようです。
「印象深かったのは、入社1年目に経験した立木(りゅうぼく)調査の現場。道路の予定地になっている山に分け入り、対象エリアにある全樹木を調べる仕事でした。真夏で気温は30℃、湿度90%超え。連日、汗だくになりながら調査を行っていました」
菅原さんたちが業務を行うのは道内全域。札幌から日帰りの現場もあれば、宿泊となることもあるそうです。
「この山の現場は約2カ月間。週末だけ札幌に戻ってくるという生活でした。でも、個人的には出張が楽しみなんです。プライベートの観光ではまず行かないような土地を知ることができ、その地域のおいしいものにも巡り合えますから。3年間で、道内のほとんどのエリアに行っています」
現場は通常3、4人のチームで担当するそうです。1時間を目安に運転を交代しながら、道中、いろいろな話で盛り上がることも。そんな時間も、楽しみのひとつなのだそうです。
住民の方々と話をすることもあり、
人との触れ合いも意外に多い仕事
専門職である補償コンサルタント業務。現場では淡々と、的確に仕事を行うことが基本となりますが、実は人との触れ合いも多い仕事なのだと菅原さんは教えてくれました。
「民家の調査に行くと、そこにお住まいの方々とお話しする機会もあるんです。〝大変だね〟と声をかけてくれたり、調査が終わると〝お疲れさまです〟と言って飲み物を渡してくれる方もいらっしゃいます。そういうやりとりがあると、ホッとしますね」
行政機関等が計画を作成し、地域への説明会を行って、土地や建物の関係者(所有者・借家人等)への補償を行うことで、公共事業が進められていきます。その流れのなかで、補償に当たっての私有財産調査という役割を、菅原さんが働く補償セミナリーが担っています。準公務員的な立場で、多くの人が利用するインフラなどをつくるサポート役と言ってもいいかもしれません。
「ベテランになると、行政等の担当者や関係者とのやりとりも行い、業務全体を管理していきます。スキルを高め、自分もその立場になっていくことが目標です」
もう先輩には甘えられませんと笑いつつ、決意を新たにしている菅原さんです。
シゴトのフカボリ
補償コンサルタントの一日
8:30
出勤、仕事道具の確認、移動
9:30
調査業務開始
12:00
昼食、休憩
13:00
調査業務
17:30
会社に戻り、業務のまとめ、退勤
(現場作業日の一例)
シゴトのフカボリ
拝見!オシゴトの道具
コンベックス・定規・クラックスケール
私有財産の調査も事業損失調査も寸法を〝測る〟ことが基本。7.5mの長いコンベックスや細かなところを測る定規のほか、クラック(ヒビ)の幅を測る専用スケールも。
シゴトのフカボリ
みなさんへ伝えたいこと

調査を行う現場は道内全域。仕事でなければきっと、行くことのなかった町を訪ね、その土地ならではの風景、グルメなどに出会うことが楽しみ。どんどん北海道が好きになっていく仕事です!

株式会社 補償セミナリー

公共事業の計画にともなる補償の調査・算定に40年以上にわたって取り組んでいる老舗企業です。その実績は行政機関から、多くの信頼を得ています。

住所
北海道札幌市南区川沿5条2丁目1-32
TEL
011-571-5688
URL
http://www.ho-seminary.jp

お仕事データ

専門的な視点から課題を解決。
コンサルタント
コンサルタントとは
クライアントの課題を分析し、
解決手法をアドバイス。

コンサルタントはクライアントが抱える課題を共有し、専門的な視点から解決手段を提案する仕事。引き受ける内容は「新しい事業の立ち上げ」や「新商品の開発」、「人材の活用方法」など多種多彩です。コンサルタントの代表的な例としては経営状況を分析してアドバイスを行う「経営コンサルタント」、建設事業の企画から設計を担う「建設コンサルタント」、他にも公共事業で発生する土地や建物の補償を扱う「補償コンサルタント」、ITシステムの構築などを行う「ITコンサルタント」なども。いずれも経営状態や今後の方向性などに対して分析をした上で、アドバイスや指導を行います。

コンサルタントに向いてる人って?
経営や資金の流れに興味があり、
コミュニケーション能力のある人。

コンサルタントは企業の損益や事業予算の配分などにも関与します。ビジネスのノウハウや経営手法、資金の流れといったことに興味がある人はやりがいを感じられる仕事です。また、クライアントの課題をヒアリングし、自ら導き出したアイデアを提案することも重要な業務。相手の状況や立場に思いを巡らせながら、積極的にプランを出すことができるコミュニケーション能力のある人にも向いているでしょう。

コンサルタントになるためには

コンサルタントは特定の学歴や資格が必要な職業ではありません。ただし、「経営」「建設」「補償」「IT」など細かく領域が分かれているため、まずはどの分野で活躍したいのかを決めることが大切。その後、大学や短大、専門学校などで希望する分野の専門知識を身につけ、コンサルティングを専門に行う企業に就職するのが一般的なルートです。

ワンポイントアドバイス
ステップアップのために
オススメの資格とは?

コンサルタントとしてステップアップするためには、資格の取得も有利です。例えば「公認会計士」や「税理士」、「中小企業診断士」などを取得することで、クライアントに対してより説得力のある提案ができ、仕事の幅も広がっていくはず。また、大学院やオンラインスクールなどで「MBA(経営学修士号)」を取得することもコンサルタントとしてのスキルアップにつながるでしょう。