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成田  光さん
インタビュー公開日:2023.05.31

ものづくりに興味が湧いたのは、
父の仕事の影響です。
北海道内を中心に店舗・施設・住宅の内外装や看板サインなど、幅広い設計・施工管理を手がける株式会社タケベ 建装事業部。成田光さんは2022年に新卒として入社し、設計アシスタントとして奮闘中です。
「父が看板の製作やイベントの設営といった仕事に携わっているので、幼いころからものづくりの分野が好きでした。小学生の時に得意だった授業は、やっぱり図工です」
成田さんは、高校時代には建物分野に興味を持ち始め、次第に「ハコ」ではなく、「ハコの中身」を作りたいと思うようになったとか。内装設計の仕事を志そうと、北海道芸術デザイン専門学校の環境デザイン学科に進みました。
「専門学校では空間設計をする上での考え方や実践的なスキル(CAD、Illustrator、Photoshopなどの操作技術)を学べたのが、今につながる経験になったと思います」
採用担当者の接しやすさに、
安心して就職を決めました。
成田さんは、専門学校時代に設計ができるだけではなく、現場の施工管理(資材や職人の手配、工程や仕上がりを管理する役割)も担える人材にあこがれを抱くようになりました。
「就職活動も設計と施工管理ができそうな企業に重きを置いていました。とはいえ、私は緊張しやすいタイプなので面接で上手くいかなかったり、インテリアデザインを手がけているもののオフィス自体は殺風景でグッとこなかったり、理想とする会社になかなか出会えずにいたんです」
そんな時、学校求人で見つけたのが同社の建装事業部。面接に出かけた時にオフィスの内装を一目見ただけで、「あっ、オシャレだなと好印象を抱きました」と成田さんは笑い、こう続けます。
「面接で緊張しがちな私ですが、採用担当者とはリラックスして話せました。こんなふうにコミュニケーションがとりやすい職場なら安心。そう感じて就職しようと決めました」
「リアル」な現場では設計を
シビアに考える必要があります。
成田さんは同社建装事業部に入社後、まずは「図面」を見られるようにインプットを重ねました。
「大工をはじめとする職人さんが扱うような実施設計図(実際の工事や積算に使用できる図面)は、学生時代にはなかなかお目にかかる機会がありません。そのため、入社してからほどなく、社内にストックしてある過去の図面に加え、内装材や建材、家具などのさまざまなカタログを見て、自分の引き出しを増やしました」
入社から約1カ月後にはマンションリフォームの図面作成を経験。描いては上司のチェックを受け、修正を繰り返した日々が成長につながっていると振り返ります。
「例えば、出入口の寸法を間違えていると、キッチンやユニットバスなどが運び込めないケースもあるため責任は重大です。『設計をシビアに考える』スタンスを学ぶ意味も含め、上司は私にトレーニングさせてくれたのだと思います」
映画やストリートビューで、
世界観をインプット。
同社建装事業部は「経験」が成長を後押しする何よりの学びと考えています。事実、成田さんも1年目にして店舗や施設、マンションの図面作成、積算、材料選定の実務アシスタントなど幅広い経験を積みました。
「中でも印象深い仕事は英国スタイルのオーダースーツ店。お客様が店舗のイメージとして教えてくれた映画を見た他、ストリートビューで舞台となった街も散歩しながら、世界観をインプットしていきました。上司のフォローもたくさん受けましたが、自分の作成した図面が実際に形になったのがうれしく、良い経験になりました」
ところで、インテリアや設計と聞くとセンスが必要なイメージ。その磨き方はあるのでしょうか?
「設計の仕事に関しては施工事例だけではなく、実際の工事の進め方や工法などを覚えるのも大切です。自分の引き出しを増やすトレーニングがセンスにつながるはずなので、上司の修正指示も、『知識』としてレパートリーの一つとするために素直に吸収しています」
コンペの勝利では自分の頑張りが、
社外にも認められたと思えました。
ここ最近、成田さんは専門学校の内外装を改修するためのコンペに参画。上司のチェックや指示、フォローを受けながら空間デザインの提案をメインで担当しました。
「パース(建物の外観や室内を立体的に表現)を1枚制作するにも自分が想定する3倍くらい時間がかかりましたし、上司や先輩とチームでなければやり遂げられなかったと思います。けれど、結果として提案が採用されたのは、頑張りが社外にも認められたと感じられ、大きなやりがいを覚えました。予算や規模の制約がある中で、クライアントの希望に最大限応えるデザインをするのが大切だと感じた仕事でもあります」
現在、成田さんは施工管理の仕事も覚えるべく、現場の見学をしながら、実際の工事についても勉強中です。
「施工管理の仕事は設計とは違った難しさがあります。けれど、上司も私の望みを後押ししてくれているので、どちらも担える人材を目指して努力していきたいです!」
シゴトのフカボリ
設計アシスタントの一日
9:00
出勤
9:10
TODO確認/図面作成
12:00
昼休憩
13:00
打ち合わせ準備(資料の用意)
15:00
客先の打ち合わせに同行
17:00
打ち合わせ内容を社内共有
18:00
退勤
シゴトのフカボリ
拝見!オシゴトの道具
仕事に欠かせない3つのツール
現場調査の時に必要な「スケール」。お客様との打ち合わせや資料集めに使用する「タブレット」。上司の指示や仕事のポイントをメモする「ノート」。この3つが私の仕事に欠かせないツールです。
シゴトのフカボリ
みなさんへ伝えたいこと

センスというと、その人自身にもとから備わっているものだったり、才能に似たものだったりすると思われがちです。けれど、私は知識量がセンスにつながると考えています。ジャンルを問わず、国内外のさまざまなデザインを吸収するのが自分の引き出しを増やす糧になるはずです。

株式会社タケベ 建装事業部

2010年、株式会社タケベ(江別市-耐火被覆業)の建築・内装工事部門として「建装事業部」がスタート。以来、大手企業とのBtoBや顧客の顔が見える仕事を受け、店舗・施設・住宅の内外装や看板サインなど、幅広い設計・施工管理を行っています。

住所
北海道札幌市豊平区豊平2条8丁目1-25
TEL
011-817-0075
URL
https://takebe.biz/

お仕事データ

機能と美観を備えた空間を!
設計士
設計士とは
クライアントの思いを、
建物や内装にデザイン。

設計士は、主に建物や施設、内装などの設計に携わる仕事。クライアントの要求や目標を考慮しながら、機能と美観を兼ね備えた、安全でサステナブルな設計図を描きます。具体的にはプロジェクトの要件を理解し、現場の調査を行うのがスタートライン。さらに、建物の構想やコンセプトを開発し、図面や模型の作成、3Dモデリング、CADソフトウェアの使用などを通じてデザインを完成させます。設計士はプロジェクトの進行においても重要な役割。建築現場や関係者とのコミュニケーションを取りながら、クライアントの要望を具現化していきます。

設計士に向いてる人って?
クリエイティブな問題解決力や
技術力を生かしたい人!

設計士は新しいアイデアを生み出し、クリエイティブな解決策を提供します。設計やデザインには細かいディテールや技術的な要素が関わるため、細かく観察する力に自信がある人にも素養があるでしょう。また、クライアント、建築家、エンジニア、施工者などの関係者とやり取りする機会が多いため、コミュニケーション能力も求められます。プロジェクトの期限や制約もあるため、ある程度のプレッシャーを跳ねのける力も必要です。

設計士になるためには

設計士になるために必要となる資格や学歴はありません。一般的には設計の勉強を学ぶことができる専門学校や短大、大学に通った後、設計事務所や工務店などに就職するケースが多いでしょう。就職後はアシスタントとして働き、現場の経験を積みながら設計の実務を学びます。キャリアを積んだ後は、建設施工管理技士やインテリアデザイナー、建設関連のコンサルタントとして活躍するケースも少なくありません。

ワンポイントアドバイス
大きな建築物の設計ができる
建築士を目指すにも有利。

実は、設計士が担えるのは、「延べ面積100平方メートル未満の木造建築物の設計」「建築士の補助業務」の二つとなっています。設計士は、最終的なゴールとして有資格者である建築士を目指すことが多い傾向。特に一級建築士は、実務経験が2年以上ないと免許を登録することができないため、その実務経験を積むにも最適です。特定の規模を超える建築物の設計に携わりたくなり、建築士の資格取得を目指す際にも設計士の実務経験は有利に働くでしょう。