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水野 麻莉江さん
インタビュー公開日:2017.12.27

卒業旅行で訪れた函館のバーで、
本格カクテルと出会いました。
シックな空間でシェイカーを振り、お酒を静かに注ぐスマートな所作。バーテンダーの水野麻莉江さんは、幼いころ大家族のにぎやかな環境で育ったと振り返ります。
「大人がワイワイと過ごすそばには必ずお酒があり、子どもながらに楽しい空間の必須アイテムなんだなってイメージでした」
水野さんは短大に進むまでは保育業界を目指し、保育士や幼稚園教諭の資格を取得。けれど、飲食店でアルバイトを経験し、接客の面白さを感じるようになりました。
「短大の卒業旅行で函館を訪れた時のこと。初めて本格的なバーに入り、提供されたソルティドッグ(※)のおいしさにビックリしました。缶入りのものしか飲んだことがなかったので、グラスのフチに塩が付いていたのも衝撃的(笑)。お酒で楽しい場を作り、プロの接客をするというバーテンダーにあこがれを抱きました」

(※)ウォッカとグレープフルーツジュースのカクテル。グラスのフチに塩を添えた「スノースタイル」で提供するのが一般的。
バーテンダーは師弟関係が
色濃い世界です。
水野さんが最初に働いたのはカジュアルで賑やかな飲食店。そこでお酒にふれるようになり、25歳のころにもっと本格的にバーテンダーとしての技術を学びたいと、いろんなバーを飲み歩くようになりました。
「バーテンダー同士は初めに同業者だと名乗るのが礼儀。なのに、当時はそれも知らずにひたすら仕事の様子をジーッと見ちゃって(苦笑)。なかでも衝撃を受けたのが『the bar nano.(以下ナノ)』のマスター(代表兼現2号店のバーテンダー)が作るカクテル。週に1〜2回お酒を飲みに行くようになりましたが、それでも学び足りず…。バーテンダー仲間を連れ、無理を言って仕込みの時間にシェイカーの振り方や所作を教えていただきました」
バーテンダーは師弟関係が根強い職種。マスターは技術以外にも礼儀や作法、接客の仕方をみっちり手ほどきしてくれたそうです。「その指導があってこそ、今があるんです」と水野さんは笑顔を見せます。
バーテンダーになりたいと思ったら、
まずバーに行きましょう!
水野さんは、ある日ナノのマスターに働かせてほしいと願い出ました。
「でも、スタッフの数は十分と断られてしまって。代わりに人手を探している別のバーを紹介してくれ、人材が確保できるまで働かせてもらうことになりました。それでも、仕事が終わった後にはナノに顔を出し、掃除や片付けを手伝っていたんです」
水野さんが働いていたバーの人員が見つかったタイミングで、マスターに再びお願いに行きました。
「どうなるか分からないけど…というお返事をもらってからいつの間にか5年半が経ちました。今、私がバーテンダーとしていられるのも、マスターがどうにか居場所を作ってくれたおかげです」
バーテンダーになりたいと思ったら、まずバーに足を運んだほうが良いというのが水野さんの考え。一体どういうことなのでしょう?
「特にオーセンティック(伝統)なバーは求人広告を出すことが少ないので、いろんなお店のマスターに『バーテンダーをやりたい』と直球を投げると人づてに情報が広まるかもしれません。初めの一歩は恐れずに伝えること」
接客で自分のお客様を作らないと、
シェイカーはなかなか振れません。
バーを訪ねるお客様は、基本的にマスターをはじめとする「店主のお酒」を飲みにくるものなのだそう。新人バーテンダーの仕事といえば洗い物や接客です。
「でも、接客を一生懸命がんばることで、『君のカクテルを飲んでみようかな』とリクエストをいただくチャンスも。そうして自分のお客様を作らないと、シェイカーを振る機会はなかなかやって来ないと思います」
ところで、水野さんはどんな風にシェイカーを振っているのでしょう?
「一般には八の字に振るんですが、マスターのスタイルは独特。最初は大きく上下に振って大ぶりの泡を作り、どんどん動きを早めます。最後は細かく横に振ることで繊細な泡にするんです。私は当店のバーテンダーを任されて1年半ですが、まだまだマスターには及びません」
立場や雰囲気を察して、
気配りを届けるのも仕事。
バーテンダーに大切な素養を尋ねると、「人が好きなこと」と水野さん。バーという非日常的な空間には、うれしいこと、悲しいこと、楽しいこと、いろいろな感情を抱えて1日を振り返りに来る方が多いといいます。
「お酒の知識やバーテンダーとしての技術を磨くことももちろんですが、お客様の立場や雰囲気を察して、最適な気配りを届けるのが私たちの仕事。例えば常連さんが上司をお連れした時、お話が盛り上がり過ぎて周りのお客様が騒がしそうな表情を浮かべても、『静かにしてください』と直接伝えては顔に泥を塗りかねません。なので、あえて小声で話しかけて静かになる雰囲気を作ったり、音楽をゆったりした曲調に変えたり。お酒の場を通して誰もが心地良く過ごせる瞬間を生み出すことが大切です」
バーテンダーといえば独立する人も多い仕事。けれど、水野さんはここでさらに腕を磨いて、札幌を代表する女性バーテンダーになるのが目標だと力強く言葉を継ぎました。
シゴトのフカボリ
拝見!オシゴトの道具
カクテルを作る必須アイテム。
お酒の量を計る「メジャーカップ」やカクテルを混ぜ冷やす「シェーカー」、かき混ぜに使う「バー・スプーン」、フルーツの搾りかすが入るのを防ぐ「ストレーナー」などを使っています。

the bar nano.

「カクテルは液体の料理だ」をモットーに、フルーツや野菜を使った珍しいカクテルも楽しめる本格バー。一つひとつの素材に合わせて酸味や甘みを調整し、ベストな一杯を届けています。

住所
北海道札幌市中央区南3条西3丁目 都ビル 7F
TEL
011-231-2688
URL
http://nano.sapporo-bar.net/

お仕事データ

気持ちに寄り添うお酒を
バーテンダー
バーテンダーとは
経験とセンスを生かした技術で、
お客様の好みに合った一杯を。

バーでお酒を作るのがバーテンダーの基本的な仕事。スピリッツ(蒸留酒)やリキュール、フルーツなどを絶妙にブレンドすることでカクテルをはじめとするお酒を仕上げています。カクテルのレシピは数千種類あるといわれ、さらにお客様によってはオリジナルを求めるケースも。シェイカーを振ったり、ステア(かき混ぜ)したり、氷と一緒にミキサーにかけるなど、経験とセンスを生かしたさまざまなテクニックを駆使して、お客様の好みに合う一杯を届けています。

バーテンダーに向いてる人って?
人と接することが好きで、
場の空気を読み取れる人。

バーテンダーはお酒だけでなく、居心地の良い空間を作るのも仕事の一つ。お客様がどんな会話を求めているのかを察しながら話題を提供しなければなりません。あるいは、「話したくない」という方もいるので、その場の雰囲気を読み取る力も求められます。もちろん、自分自身がお酒好きで、多くのカクテルの知識やレシピを身につけるような探究心がある人も向いているでしょう。

バーテンダーになるためには

やる気があれば未経験でもバーテンダーにチャレンジできます。バーで働きながら知識や技術を習得していくのが一般的なルートです。バーテンダーの専門学校や養成スクールもあるので、興味がある人はチェックしてみると良いでしょう。必ずしも資格は必要ありませんが、日本バーテンダー協会(NBA)のNBA検定試験制度に合格するとスキルの証になります。オーセンティック(伝統)バーで働きたい場合は、まず足を運んでバーテンダーの募集情報をチェックするのもオススメです。

NBA検定試験制度については、一般社団法人 日本バーテンダー協会のホームページをご覧ください。http://www.bartender.or.jp/

ワンポイントアドバイス
「バー」と「テンダー」で、
バーテンダー!?

バーテンダーの由来は、「バー」=「木の棒」と「テンダー」=「見張り役」という説も。アメリカ西部の開拓時代、飲食店では樽に入ったウイスキーをグラス売りしていたそうです。けれど、荒くれ者が勝手に注いでしまうことも多く、樽と客席との間に木の棒を置いて近づけないように工夫。さらにテンダーという見張り役を置いたというのです。時代とともにバーは「カウンター」に、テンダーはもう一つの意味「世話人」として変わってきたといわれています。