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長瀨 由武さん
インタビュー公開日:2024.02.01

スーパーバイザーという役職を持ち
コールセンターをディレクション。
購入した商品に不具合が起きた時や、サービス内容などを知りたいといった場合、電話をするとコールセンターという専門のサービス会社が応対してくれるケースが、今はほとんどになっています。長瀨由武さんの職場は、そんなコールセンターの一つ。KDDIエボルバ、りらいあコミュニケーションズという、同様の事業を行う会社が経営統合し、2023年9月に発足したアルティウスリンク株式会社です。
長瀨さんは、SV(スーパーバイザー)という役職をもち、インターネット事業を行っている企業への問い合わせに対応するコールセンターの運営管理と電話を受けるスタッフの労務管理を担当しています。
製品・サービスへの質問に対しては、的確に答えるためのマニュアルが用意されていますが、マニュアルの答えではわかりにくかったり、説明しづらいケースもあるのだとか。
「そうしたことを解決し、受電者さんが答えやすくすることで、回答のパフォーマンスを高めることもSVの仕事です」
業務に精通している、理路整然とした語り口が印象的な長瀨さんです。
北海道で働けること、人と関わる仕事、
自分の成長を描けることが就活の軸。
大学では企業に関する法律を学び、公務員を目指していた長瀨さん。そのため、いわゆる就職活動はあまりしていなかったそうです。
「とはいえ、どうしても公務員になりたい! というわけでもなく、自分の将来像も描けてはいませんでした」
そんな気持ちの浅さを見透かされてしまったと本人は話しますが、公務員はことごとく不採用。改めて就職活動を再開したのは秋も過ぎゆく頃でした。そして、〝自分はどんな働き方がしたいのだろうと〟思案するなかで、三つの軸を見つけます。
「生まれ故郷である北海道で働きたい。人と関わる仕事がしたい。自分が成長する姿やキャリアプランが思い描ける企業で活躍したい。この三つを決め、〝ここで本当によかった〟と思える企業を探そうと思いました」
その結果、卒業が迫る年明けに開催されたジョブキタの合同企業説明会で出会ったのがこの会社だったのだそうです。おしゃべりが好きだったという長瀨さん。コールセンターの受電業務を皮切りに、経験を積みながらマネジメントのスキルを磨いていけるキャリアパスがあることが魅力だったと話します。
お客さまに寄り添い、解決策を示す。
対応が早くなることに成長を感じる。
入社後は社会人マナーなどを学ぶ1カ月ほどの新入社員研修を経てコールセンターの現場に配属され、受電業務からスタートしました。
「困った、どうしようと電話をかけてくるお客さまに寄り添い、解決策を示して安心をご提供できることが楽しく感じられて。自分は誰かの役に立つことが、もともと好きだったのかもしれないと思いました」
ネットが繋がらないといった相談に対して、顔が見えないお客さんから状況を聞き出すことに当初は難しさを感じたそうですが、経験を積みながら、どんなふうに説明すると伝わりやすいかがわかるようになっていくことが楽しかったのだと話します。
「同じような症状を解決するのに、最初の頃は30分もかかっていたものが、10分、5分で済むようになっていき、自分の成長を感じましたし、多少、時間がかかっても〝すごく分かりやすくて、助かりました〟といった言葉がいただけるのがうれしかったですね」
時にはクレームのようになってしまうケースもありますが、どう対応すれば聞いてもらえるかと工夫し、結果として納得いただけた時は、達成感があるのだと長瀨さん。
スタッフが働きやすい環境をつくり、
お客さまへのサービスを向上させる。
受電業務からスタートし、長瀨さんは1年目の秋頃には現場のリーダーへと昇格します。電話を受けるスタッフからのヘルプに応えたり、回答をフォローすることがリーダーの大切な仕事。ケースによっては、スタッフから対応を引き継ぐ二次対応を行い、課題を解決していく頼れる存在です。
「立ち上がったばかりの業務で、管理者が少なかったこともあると思いますが、リーダーに抜擢いただき、責任感も高まりましたね」
リーダーは、長瀨さんが入社の背景として話してくれた、マネジメントのスキルを磨くための第一歩。そして、第二歩も間もなくやってきました。2年目の6月にはSVへと昇格したのです。スタッフの配置、コールバックを約束した案件の発信の確認、クライアントとの打ち合わせなどを担うのがSVの仕事。
「業務の状況などをクライアントに報告すると同時に、受電者さんが説明しやすく、お客さまにもわかりやすくなるよう、トークのマニュアル改訂を提案することも大事な仕事です」
スタッフが働きやすい環境をつくり、サービス向上を図る。それがSVの仕事だと話す長瀨さん。〝さっきの対応、よかったね〟など、直接の声かけも忘れません。
さらにキャリアアップを図っていき、
収益性など会社の数字にも触れたい。
「マニュアルの改訂は、お客さま対応のパフォーマンスを高めることが目的ですが、SVになって、その結果の判断の仕方を学びました。結果がよければ満足感がありますし、よくなければ数字を分析し、次善策を立てます。それも、実は楽しい作業なんです」
通話時間、保留時間などのデータを集計するなかで、改善に向けてどのようなアクションをとっていくか。難しさもあるものの、そうやって現場を動かしていけることが、管理者ならではのおもしろみなのだと長瀨さん。
「現在は、スタッフのパフォーマンス管理や、クライアントとのやりとりがメインですが、さらにマネージャーなどの責任者を目指せるスペシャリスト職(SP職)という職制を目指しています」
利益を高めることもSVの役割ですが、キャリアアップを図り、将来的には収益性、採算、収支といった会社の数字にも触れていきたいと、改めて意欲をみせています。公務員試験は、思い通りにいきませんでしたが、そのことをバネに、今では自分のことをしっかりとマネージメントしているようすの長瀨さん。背中がひと回り、大きく見えました。
シゴトのフカボリ
スーパーバイザー(コールセンター)の一日
8:50
出社、朝礼、業務の引き継ぎ
9:00
受電応対の状況確認など、現場のディレクション業務
12:00
昼食・休憩
13:00
現場の管理業務の遅番担当への引き継ぎ、新人スタッフのレベルチェックなど
15:00
クライアント、上長への現場の状況報告
17:00
イレギュラー案件等の対応に関する確認業務
18:00
リーダーがまとめた現場状況のチェック
18:30
終業、帰宅
※早番勤務の業務例です
シゴトのフカボリ
みなさんへ伝えたいこと

就活の軸の一つにしていたのは、自分の成長をイメージできる環境で働きたいということ。受電業務により、実務能力面での成長を、SVへの昇格でキャリア面での成長を実感。それが次へのモチベーションとなっています。

アルティウスリンク株式会社

「アルティウスリンク株式会社」は、2023年9月1日に発足した「KDDIエボルバ」と「りらいあコミュニケーションズ」の統合会社です。
親会社のKDDIと三井物産の顧客基盤や強みを活かし、新しいデジタル時代のカスタマーサービスへの進化を目指します。

住所
北海道札幌市白石区東札幌2条1丁目2-7 Polaris Sapporo
TEL
011-558-7080
URL
https://www.altius-link.com/

お仕事データ

お客様と声やメールでやり取り。
コールセンタースタッフ
コールセンタースタッフとは
電話やメールに対応するインバウンドと、
自らアプローチするアウトバウンドに大別。

コールセンタースタッフは主にお客様の電話やメールに対応する仕事。企業によって内容はさまざまですが、電話やメールを受け付ける「インバウンド」と、自らアプローチする「アウトバウンド」に大きく分かれます。インバウンドは製品の使い方をサポートしたり、サービスの料金や利用方法のお問い合わせに答えたり、不特定多数のお客様の課題を解決するのがメイン。アウトバウンドは商品・サービスの紹介やアンケート調査などが多いようです。お客様にとってコールセンタースタッフは会社の代表者となるため、声やメールだけのやり取りでも重要なポジションといえます。

コールセンタースタッフに向いてる人って?
コミュニケーションが好きで、
聞き上手なタイプ。

コールセンタースタッフは電話でお客様と会話をするのが主な業務。そのため、人とコミュニケーションをとることが好きな人には向いている仕事です。また、お客様の困りごとを解決するためには課題をきちんと引き出さなければならないことから、聞き上手な人にも適性があるといえるでしょう。電話やメールの文章だけで相手とやり取りするため、分かりやすく説明できる能力も求められます。

コールセンタースタッフになるためには

コールセンタースタッフになるために必要な資格や学歴はありません。高校や専門学校、短大、大学を卒業後、コールセンター業務を行う会社に就職するのが一般的です。コールセンターの多くはマニュアルや研修がしっかりと整っているため、未経験者でも着実に成長していけます。

ワンポイントアドバイス
スーパーバイザーやマネージャーなど、
ステップアップも見据えられる仕事。

コールセンタースタッフとして経験を積むことで、スーパーバイザーをはじめとする管理職にステップアップすることも可能。スーパーバイザーは電話応対業務のサポートをする他、業務マニュアルの作成や新人の教育研修など幅広い仕事を担える役割です。さらに、その先にはコールセンターの管理者であるマネージャーといった上位の役職を置く企業も数多くあります。