インタビュー公開日:

幼少期から絵や造作が好き。
「やりたいこと」へ突き進む。
「物心ついた時には、何かを創作することが好きでした。絵を描いたりブロックで何かを作ったり、いつも手を動かしていましたね」
そう幼少期を振り返るのは、現在グラフィックデザイナーとして働く吉口さん。
小学生の時には全国規模のブロック作品コンテストで入賞。さらに高校の学校祭では、全校生徒が持つうちわに吉口さんのデザインが採用されるなど、次第に持ち前のセンスが開花していきます。
「担任からは大学への進学をすすめられました。勉強は好きなほうでしたが、自分が挑戦したいのはグラフィックデザインだったんです」
高校卒業後、北海道芸術デザイン専門学校に進学した吉口さんは、デザイナーの必需品でもあるIllustratorやPhotoshopなどのデザインソフトの操作などを学び、本格的にデザイナーの道を歩み始めました。
自分のデザインが世に出た時が
何とも言えない感動の瞬間。
専門学校の卒業を控え、デザイン事務所などを訪問する中で出会ったのが、『有限会社スタジオ嶋』。吉口さんの理想と、この会社の取り組みが合致し入社を決めます。
現在の主な仕事は、折り込みチラシやポスターのデザイン、新商品のパッケージ、新規ロゴの制作など。複数のタスクを同時進行することもあり、多い時には1日に6件のデザインを下版(デザインをクライアントに確認してもらい、印刷工程に進む)したこともあるそう。なんだか大変そうなイメージですが…。
「毎朝、一日のやることを書き出し、時間配分は意識しています。なので、そんなに遅くならずに帰宅していますよ。ただ、家でも自主制作でデザイン関係のことをやっているので、寝る以外はほぼパソコンを開いてますけど(笑)」
今でも思い出すのは入社1年後に担当したある中古車販売店のロゴ制作。
「自分がデザインした作品が国道沿いの大きな看板になった時の感動は今でも忘れられません」
自主制作と仕事のバランスが、
双方に良い影響を与え合う。
吉口さんは仕事外でも、『札幌アートディレクターズクラブ』という全国のクリエイターが集まる団体に参加し、年に一度、自主制作のアート作品を提出しています。
「仕事ではクライアントの要望に沿うことが一番なので、自分らしさが出せないこともあります。でもこの取り組みは自主制作が基本なので、思う存分自分を表現しています」
仕事での『デザイン』は相手ありき。クライアントを思うからこそ、文字の間隔や、この文字は大きくなど、細かいところにこだわりが出てくるといいます。「仕事での『見る側』を意識したデザインと、自主制作で鍛えられる自由なデザイン。その二つが相乗効果になって、双方に良い影響を与えている気がしますね」
アイデアは日常から。
幅広い関心を持つことが大事!
ところでデザインを考えるにあたり、吉口さんはどのようにアイデアを出しているのでしょうか?
「他の作品を参考にして発想するという方もいますが、私の場合は自分の内側からアイデアを捻出するというタイプ。日頃から、雑学・流行・ネット・本など幅広く関心を持つようにしていますね。どんな知識もアイデアにつながりますから」
吉口さんのデザインした作品を見せてもらうと、言葉遊びをしているものや、文字を変形させて全く別の意味合いを持つ形を表現しているものなど、独特の世界観が広がっています。
「ただ行き詰まった時には頼るのも大切なこと。先輩が手を貸してくれたりヒントをくれたりするので、助かっています」
技術やPC操作は後からついてくる。
遊びゴコロを持って楽しもう!
グラフィックデザイン業界においても、『北海道ならでは』があるのだそう。
「一次産業が盛んな北海道。自然を舞台とした仕事ならではの『あたたかみ』が、文字やテイストに見え隠れするといわれてますね。反面、東京のデザイナーの作品は、どこかクールでシュっとしているというか…」
そんな吉口さん、デザインするうえで大切にしていることは?
「『遊び心』です。例えば、クライアントにデザイン案を何案か出す中で、1つ目、2つ目は先方の要望に忠実に沿ったものを作り、3つ目くらいにユーモアや個性を感じさせる作品を提出するんです。採用されないことも多いですが(笑)。とにかくこの仕事は、機械的にやるのではなく、楽しんだほうが絶対にイイ。技術は後からついてきます!」
シゴトのフカボリ
みなさんへ伝えたいこと

機械的に仕事をするのではなく、遊び心を持って、楽しく仕事をすることが大切です。

シゴトのフカボリ
拝見!オシゴトの道具
カラーガイド
ポスターやロゴなどのデザインの際、色の組み合わせに迷った時に使います。