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マーチャンダイザー_髙取 遥さん
インタビュー公開日:2025.09.01

チームを支えるファンの証!
ファイターズグッズの商品開発。
北広島市のエスコンフィールドHOKKAIDOに本拠地を置く、北海道日本ハムファイターズ。選手たちの全力プレーにエールを送り、勝利に歓喜し、心が震える感動を味わった経験がある人はきっと多いはず。
そんなエスコンフィールドHOKKAIDOでの観戦や、ファンであることの証として欠かせないのがファイターズグッズです。選手とおそろいのユニフォームや名前が入ったタオル、ロゴ入りのお菓子など種類は多岐にわたり、球場のグッズストアやオンラインストア、スーパーやコンビニでも手にすることができます。
こうしたグッズや商品の企画開発を統括しているのが、株式会社ファイターズ スポーツ&エンターテイメント(以下、FSE)のマーチャンダイジンググループ。2017年の入社以来、数多くのファイターズグッズに携わってきた髙取遥さんに話を聞きました。
この人たち一緒に!
生き生きと働く姿に憧れて入社。
「入社した2017年は大谷選手が在籍した最後の年。わずか半年ですが同じチームの一員でいられたことは私の自慢です」髙取さんは誇らしげな笑顔を見せます。
もともとは北海道民としてチームを応援していた一人。優勝争いで盛り上がった2016年、偶然、球団スタッフ募集の広告を目にし、自分もなにかの形で関われたらと応募を決意しました。
「高校卒業後に進学した短大では栄養学について勉強をしていました。卒業後は医療機関の栄養士となり、働きながら大卒資格を得るため放送大学でも学びました。面接で訪れた当時のオフィスは今よりもずっと小さく『こんなところで!?』と驚いたほど(笑)。でも、働いている人たちは皆、生き生きとしていてエネルギッシュ。なにより心から仕事を楽しんでいる雰囲気がひしひしと伝わってきました。応募の際はややミーハーな気持ちもあったのですが、それよりも『この人たちと一緒に働きたい!』と強く思ったのを覚えています」
球団グッズからスタッフの社員証まで。
あらゆる“モノ”がMDの領域。
入社以来、一貫してファイターズ社のマーチャンダイジング(MD)に携わっている髙取さん。マーチャンダイジングとは、お客様が求める商品を購入してもらうための一連のプロセス。どんな商品を、どれだけの数量で、どこで製造し、どのように販売するか…多岐にわたる業務を手掛けています。
「一口にファイターズグッズと言っても、いくつかのカテゴリーに分類されます。球場のストアで販売されるタオルやTシャツなどの球団グッズ。ファイターズのロゴが付いたティッシュや食品など、私たちが直接販売しないライセンス商品。ほかにも企業と球団がタッグを組んで発売する商品や、球場にご来場いただいたお客様へのプレゼントなどがあり、その全てに対してデザイン監修と品質管理に携わっています。Fビレッジに住むくまの子『えふたん』も私たちが企画したものです」
さらには会社のスタッフが身につける社員証、業務で使うアイテムなどの製作も担っており、「あらゆる“モノ”がMDの領域」だと説明します。
ファンの気持ちを大切にした商品提供。
SNSのチェックも大切な仕事。
コラボする企業や製造を委託するメーカーとのやりとりなど、きめ細やかなコミュニケーションとスケジュール管理が、仕事において欠かせないと話す髙取さん。なかでも心を砕くのは、ベストなタイミングでファンに商品を届けることだそう。
「ファンとしては、今まさに注目している選手のグッズを持って応援したいですよね。ですが、シーズンの途中で急に人気に火が付くこともあり、私たちも予測は困難。チャンスでホームランを打った選手のタオルが、その直後に完売になる…なんてことも少なくありません。だからこそ、お客様が何を求めているかには常に目を配り、ニーズに合わせてスピーディーに商品を届けることが重要。もちろんファイターズグッズとしての品質も守らなければならず、そのあたりに頭を悩ますことは多いですね」
とはいえ、選手が活躍する、チームが活気づくこと自体は喜ばしいこと。ファンの気持ちに寄り添えた時に、大きなやりがいを感じると話します。
「ファンのSNSをチェックしてリアクションを分析したり、ファン同士がどんな会話をしているか、選手をどんな“愛称”で呼んでいるかといったリサーチも欠かせません。最近は『推し活』も人気なので、トレンドには敏感であることを心がけています」
球場に来てくれたお客様に
“忘れられない一日を届ける”
「2023年に新球場エスコンフィールドHOKKAIDOに移転したことで、業務環境も一変しました。自社球場となったことで意思決定の自由度が高まり、すべての社員が『自分たちの球場をより良くする』という意識で働いています」
ちなみに髙取さんらが働くオフィスは球場内にあり、チャンスの場面でお客様の歓声が聞こえることもあるそう。チームとの一体感を肌で感じて仕事ができるようになったと笑顔を見せます。
「私たちが一番大切にしているのは、球場に来てくださったお客様に“忘れられない一日を届ける”というミッションです。グッズは単なるモノではなく、観戦体験の一部であり、思い出を形にする重要な要素。家に持って帰って感動に浸ったり、また球場に行くモチベーションになったり。ファンとチームの絆になるような商品づくりに、これからも取り組んでいきたいと思います」
シゴトのフカボリ
マーチャンダイザーの一日
9:30
出勤、朝礼に参加
10:00
グッズストアの確認、ディスプレイなどのチェック
11:00
グッズ販売のピーク
13:00
試合開始、デスクワーク、メール対応
16:00
企画会議、メーカーとの商談
17:00
資料作成など
18:00
退勤
※試合日(デーゲーム)の一日

シゴトのフカボリ
みなさんへ伝えたいこと

苦手なことから離れようとするのではなく、好きなことに近づこうという意識を持つことで、人生はきっと豊かになるはずです!

株式会社ファイターズ スポーツ&エンターテイメント

北海道日本ハムファイターズの運営を担う企業です。プロ野球の試合運営やチーム強化に加え、新球場「エスコンフィールドHOKKAIDO」を中心としたボールパーク事業や地域貢献活動も展開。スポーツを通じて北海道全体を盛り上げることを目指しています。

住所
北海道北広島市Fビレッジ1番地
TEL
0570-005-586
URL
https://www.hkdballpark.com/

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お仕事データ

売れる商品を見極める目利き!
マーチャンダイザー
マーチャンダイザーとは
市場調査から販売戦略まで、
商品の企画・管理を行う仕事。

マーチャンダイザーは、どんな商品をいつ、どこで、いくらで売るかを決める商品戦略の専門家です。市場のトレンドや消費者のニーズを分析し、売れる商品を見極めて企画・開発を行います。商品の仕入れ計画から価格設定、販売計画、在庫管理まで、商品に関わる全ての流れを管理。店舗での商品の陳列方法やプロモーション企画も手がけます。アパレル、雑貨、食品、スポーツクラブなど様々な業界で活躍。消費者の「欲しい」を的確に捉えて、ビジネスの成功に直結する重要な役割を担っています。

マーチャンダイザーに向いてる人って?
流行に敏感で、
数字の分析が得意な人。

常に市場の動向やトレンドにアンテナを張り、消費者の心理を読み取る感性が重要です。また、売上データや在庫状況を分析し、戦略を立てる論理的思考力も必要です。商品開発から販売まで様々な部署と連携するため、コミュニケーション能力も求められるでしょう。さらに、責任感があり、売上目標に対して積極的に取り組める人に向いています。新しい商品やサービスに興味を持ち、常に学び続ける姿勢も大切です。

マーチャンダイザーになるためには

マーチャンダイザーになるために必要な資格はありません。高校や専門学校、短大、大学を卒業後、小売業やメーカー、商社などに就職するのが一般的です。マーケティングや経営学、統計学などを学んでおくと有利でしょう。入社後は販売員や営業職として経験を積み、商品や顧客について理解を深めてからマーチャンダイザーにキャリアアップするケースが多いようです。また、「販売士」や「マーチャンダイザー検定」などの資格取得で専門知識を身につけることもできます。

ワンポイントアドバイス
デジタル時代の変化に対応し、
新しい販売手法を取り入れよう。

近年はネット通販の普及やSNSの影響で、消費者の購買行動が大きく変化しています。従来の店舗販売に加えて、オンライン販売やSNSマーケティングなど、新しい販売チャネルを活用する能力が求められています。また、データ分析技術の進歩により、より精密な市場予測や顧客分析が可能になってきました。時代の変化に柔軟に対応し、新しい技術や手法を積極的に取り入れることで、より効果的な商品戦略を立てることができるでしょう。