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高石  大道さん
インタビュー公開日:2018.05.22

大学で教員免許を取得するも、
教員の道は選択しませんでした。
私立高校である札幌新陽高等学校は、新入生がスライドで高校生活の決意をプレゼンする日本唯一の入学式、将来の生き方を具体的に描けるように実社会での経験を重視する「探求コース」の創設など、新たな教育スタイルで全国から注目されています。この学校で、2017年から教壇に立っているのが、高石大道さんです。
大道さんは、野球に打ち込んだ高校時代を経て、大学の教員養成課程に入学。大学3年の2011年3月、日本を縦断する自転車旅行の最中に、茨城県で東日本大震災に遭遇しました。現地で被害を目の当たりにしたことをきっかけに、その後東北でのさまざまな復興支援活動に参加。活動の体験が大きなインパクトになったものの、大学卒業時は、教員になるという選択はしませんでした。「『復旧・復興支援を通じて、自分が教員になる』のは何か違うなと思って。生徒の前に出ることは、大きな責任を伴います。当時の自分には、生徒を幸せにする自信もチカラもありませんでしたし、今もそんなに変化はありません」
この人たちと一緒に働きたい、
その思いで教員になることを決意。
民間企業勤務を経て、オーストラリアで商社で勤務する傍ら、仲間と留学支援の事業を始めた大道さん。語学はもちろん、スポーツを通じて日本と海外をつなぐ幅広い経験を積みました。
ある時、転機となる再会が訪れます。一時帰国中、高校野球の監督だった父の教え子で以前から親しくしていた、現在新陽高校の教員をしている柿崎哲平さんが実家に遊びに来ていたのです。「てっぺーさんから、一緒に教員をやらないかと熱い誘いをいただきました。また、現新陽高校校長の荒井優(ゆたか)さんが復興支援に大変尽力されていた方であることは以前から存じていました。
人生の大きな変化なので、正直すごく迷いましたね。しかし、新陽高校が既成概念にとらわれない教育を次々に実現していることにも共感し、ゆたかさんやてっぺーさんと一緒に働きたいと思うようになりました。海外でのビジネスの経験や国内でのたくさんの人との交流を通して、今の自分なら学校の先生もできるかなと思い、決断しました」
公立の学校なら教員採用試験を受験しますが、私立の学校は一般の企業と同じように、それぞれの学校ごとに求人があり、応募をして採用されます。2017年4月、大道さんの教員人生が始まりました。
高校生に必要な出会いと原体験。
それを作る、外部とのパイプ役に。
「ゆたかさんは、『高校生に大切なのは出会いと原体験』と教えてくださいました。大学時代や日本にいた頃の自分に足りなくて、海外でのビジネスを通じて得られたものはまさにそれでした。だからこそ、新陽高校の生徒にそれを感じてもらいたい」という考えで、生徒に向き合っています。そのために、今までの経験やつながりを活かして、校内と外部とのマッチングをする役割を積極的に果たしている大道さん。
担当する現代社会や総合的な学習の授業に外部の大人を招いたり、課外活動として生徒を学校外で活躍する機会を積極的に企画し、生徒と一緒に活動しています。
例えば、レバンガ北海道の試合会場で運営のサポートを行うボランティア。バスケットボール部の生徒と希望者で参加しています。生徒がハーフタイム中に行う「モッパーショー」という新たな価値創造も支え、学校とレバンガ北海道との包括連携協定にもつながりました。
また、2018年度に新たに創設された探求コースや探究学習の皮切りとして、アウトドア用品のメーカー・スノーピーク社と連携して真冬のキャンプを行いました。生徒と活動する一方、大道さん自身も教員として働きながら、プロ野球選手の海外自主トレーニングコーディネーターや通訳などにも挑戦しています。2018年3月には、実社会での経験を重視し、インターンシップをカリキュラムに組み込んでいるカンボジアのキリロム工科大学に、生徒4名と一緒に視察に行きました。
学校外で経験し感じたことが、
将来の生き方へとつながります。
「キリロムの視察には、海外旅行者に車いすを託して寄贈する『飛んでけ!車いすの会』に協力いただき、生徒が自ら企画し、現地へ車いすを届けました。生徒や保護者さまとの信頼関係を前提に、空港までの行程や現地での行動も、全て生徒主導で過ごしました。そういう経験を通して、生徒はさまざまなことを感じ、成長します。それが目に見えてわかる仕事は本当に楽しいですし、そんな機会をくださる新陽が大好きです。任せること、そして教えないことも教員の仕事なんだと、生徒から学びました」
そんな大道さんを慕って、自由参加の活動にほぼ全て参加している生徒もいます。生徒の成長の話になると、自然に表情がほころびます。
「生徒は学校外の大人と接することで普段にはない緊張感を持ったり、今までにない経験をすることで、さまざまなことを感じます。授業や課外活動ではその経験や学びを常に言語化して、そこで一人一人の生徒が自分の個性に気づき、強みを見つけていきます。それが将来の生き方、働き方につながっていくと思うんです」
まさに、出会いと原体験。私立学校、いや北海道から発信する教育改革に真正面から取り組んでいます。
働き方改革にも着目。
教員も挑戦できるフィールドです。
とはいえ、通常の業務では公立学校と同じように、担当部署の仕事やさまざまな事務処理もこなす毎日です。一般的に、教員の労働時間が長いことが問題視されていますが、新陽高校でも働き方改革が進められようとしています。その第一弾として、今年度から毎週木曜日は「No残業day」が導入されています。また、キリロム工科大学のように、日本の学校でもインターンシップをカリキュラムに積極的に取り入れることが、教員の働き方改革だけでなく、日本の教育そのものを改革することにつながると、大道さんはいいます。
「これからは知識を『覚える時代』ではなく、『検索して活用する時代』です。高いコーチングやファシリテートのスキルこそが今後の教員に求められる資質ですし、教員は時代に合わせて、i-Phoneのように毎週のようにアップデートしなければなりません。
今後は、探求授業で高校生が日本酒を作り、世界に向けて販売するプロジェクトや、日本国内外、さまざまな企業でのインターンシップなどを計画しています。教員そして生徒全員が、新たな挑戦を果敢に行っていることが新陽最大の特長です」大道さんの挑戦はまだ始まったばかりです。
シゴトのフカボリ
高校教諭の一日
7:30
出勤
8:00
職員室で事務作業
8:15
教室で生徒とのコミュニケーション
8:30
教員の朝打合せ
8:45
教室で朝学習
9:00
ホームルームで連絡事項を伝える
午前の授業開始
空き時間は担当(教務部・渉外部)の仕事
12:50
昼休み
13:20
午後の授業開始
15:15
授業終了
外勤で連携先との打合せ、来客対応、職員会議など
16:45
終業
シゴトのフカボリ
拝見!オシゴトの道具
パソコン
授業や課外活動など、全てこのパソコンを使っています。これさえあれば世界中で働けます。いつの間にか先輩の先生が貼ってくださったシール。こういう職場や仲間が大好きです。誰がすきっぱじゃ(笑)。
シゴトのフカボリ
みなさんへ伝えたいこと

「意思のあるところに道はある」。生徒がやりたいことを見つけて、それに向けて挑戦していけるように、きっかけを作って背中を押すのが私たちの仕事です。

札幌新陽高等学校

「本気で挑戦する人の母校」をスローガンに、勉強、部活動、国際交流など、生徒一人一人の力を引き出す、枠に捉われない教育を実践しています。

住所
札幌市南区澄川5条7丁目1-1
TEL
011-821-6161
URL
http://sapporoshinyo-h.ed.jp

お仕事データ

専門知識を生かした深い授業を。
高校教諭
高校教諭とは
専門性の高い担当教科を指導。
生徒の進路意識や目的意識も高める仕事。

公立・私立の高校で、自分の持っている免許状の担当教科を教えるのが高校教諭。教科は大きく分けると、国語、数学、地歴、公民、理科、外国語などの普通教科と、工業、商業などの専門教科。中学校と比べ専門性がはるかに高いことから、教師も専門知識を磨き、しっかりと授業を組み立てなければなりません。さらに、ホームルームや生活・進路指導も行うなど幅広い役割を担います。また、生徒一人ひとりの適性を踏まえ、進路意識や目的意識を高めるアドバイスを送ることも大切です。

高校教諭に向いてる人って?
生徒一人ひとりを思いやり、
親身になって相談にのれる人。

高校教師は、教科について生徒から高度な質問を受けることも多いため、日ごろから新しい情報や知識を吸収し、指導力を磨く姿勢を持てる人が向いているでしょう。また、多感な時期の高校生と接することから、精神的にもタフでなければなりません。何より生徒の未来を預かる立場として、一人ひとりを思いやり、努力を惜しまずに親身になって悩みや課題を解決に導く熱意が必要です。

高校教諭になるためには

高校教諭になるには教職課程のある大学・大学院に進み、教員免許を取る必要があります。高校教諭普通免許状は、大学で取得できる1種免許状、大学院で取得できる専修免許状の2種類。公立高校の教諭を選ぶ場合は、都道府県や政令指定都市が実施する教員採用候補者選考試験に合格し、面接試験などを経て高校に配属。私立の場合は、各校で独自に行う教員採用試験に合格すると働くことができます。


※教員免許状の取得については、詳しくは文部科学省のホームページをご確認ください。http://www.mext.go.jp/

ワンポイントアドバイス
高校教諭のステップアップ。

新任の高校教諭がまず目指すのは、教科・進路・生活指導やクラス運営などの基本業務が一通りできるようになること。経験を積んだ後、学年主任や生活指導主任など、同僚の教師もまとめながら教育の道筋を立てる役割を任されるようになります。さらに努力が認められると、学校全体の教育目標を立てたり、行事の指示を出したりする、教頭や校長などの管理職へとステップアップできます。