インタビュー公開日:

小さなころから、
絵を描くことが大好き!
クリプトン・フューチャー・メディア(以下クリプトン)といえば、歌声合成ソフト「初音ミク」。カワイイ声に加え、擬人化された愛らしいキャラクターが多くのファンを引きつけています。
「私はゲームデザイナー。主に『初音ミク』が主人公として活躍するRPG(ロールプレイングゲーム)アプリ『初音ミクぐらふぃコレクション なぞの音楽すい星』のキャラクターや衣装、背景を描いています」
こういって笑うのは山影綾香さん。小さなころは、少年マンガのキャラクターを描くのが大好きだったと切り出します。
「中学では美術部に入り、パソコンとペンタブレットを使って好きなキャラクターを模写するようになりました。水彩とか油絵ではなく、なぜかイラストを描く部員だらけだったんです(笑)」
イラストのタッチを生かそうと、
ゲーム系に視野を広げました。
山影さんは高校に入るとアニメーション研究部に入部。今度はアニメに興味が?と尋ねると、「う〜ん…アニメーションとは名ばかりでイラストを描く活動が中心」といたずらっぽく微笑みます。
「当時から絵を描くことを仕事にできないかぼんやり考えるようになりました。なので、進学先に選んだのは専門学校のイラストレーション学科。広告系やゲーム系、アナログイラストなどを幅広く学びました」
専門学校2年生のころ、山影さんはクリプトンのインターンシップに参加。自分の得意なイラストのタッチを生かすには、ゲーム系にも視野を広げたほうが良いと思ってのことでした。
皆でコミュニケーションを取り、
目標に向かうのが楽しくて。
クリプトンでのインターンシップを山影さんはこう振り返ります。
「実際の会社で働くと、コミュニケーションを取りながら皆で目標に向かうのが楽しくて楽しくて。一時はフリーランスのイラストレーターを目指そうとも思っていましたが、コレは会社組織のほうが自分向きだと感じた瞬間です」
IT業界というとPCに向かって黙々と作業するようなイメージ。山影さんも以前は引っ込み思案な性格で黙々タイプと自己分析しますが、先輩たちはとにかく話しやすいように接してくれたといいます。
「インターンシップが終わると、そのままアルバイトとして働かないかと声をかけてもらい、卒業後には正社員で入社しました。この和気あいあいとした雰囲気の中で夢だった絵を描くことを仕事にできる…自分にとってこれ以上ないくらいの幸せです」
自然な動きって何だろうと
いつも悩まされます。
山影さんが所属するモバイルコンテンツチームはメンバーが約10人。プランナーがゲームの筋書きを考え、ディレクターがゲームデザイナーやプログラマーに具体的な制作の指示を出しているそうです。
「私は主にゲーム内のイベント開催に合わせてアイテムの衣装を描いています。例えばイースターの時期にはうさ耳をモチーフにしたり、夏場には水着を用意したり、チームメンバーでどんなファッションが良いか話し合いながら仕事を進めているんです」
ゲームではキャラクターが動くため、腕や肩といった関節の位置を決めてパーツごとに衣装を描いているそうです。
「ゲームの敵キャラは私たちがデザインして、ユニティという専門のソフトで動きを付けています。使い方は直感的ですぐに慣れますが、自然な動きって何だろうと悩まされるんです。例えば、飛び跳ねて着地する時は一度体が沈んだほうがリアルだよな…みたいに」
ゲーム業界は大変…
というイメージが覆りました!
ところで、イラストのクオリティを突き詰めるあまり、帰宅が遅くなることもあるのでしょうか?
「私もゲーム業界は大変だと覚悟していました。でも、フタを開けてみると忙しい時でも残業は1〜2時間程度。自社サービスのゲームということもあり、イベントの周期を予測しながら作業を進められるのがポイントです。しかも、上司は一人ひとりのスキルを見ながら、無理なく納期に間に合うスケジュールを組んでくれます」
山影さんとお話ししていると、本当に楽しそうに仕事と向き合っているのが伝わってきます。充実した毎日なんですね。
「ウチの会社は案を出してから実施までがスピーディー。イベントの内容や衣装の試作など、自由にアイデアを出せてすぐにゲームに落とし込めます。そうして自分のデザインを発信し、SNS上で衣装がカワイイといった反応が見られると本当にうれしい!好きを仕事にするってこういうことなんだと感じる毎日です!」