米屋 孝貢さん
インタビュー公開日:2018.06.01

開発を請け負うだけでなく、
自社サービスも提供しています。
サッポロファクトリー1条館3階。ふだんは買い物に夢中で気付かなかったけれど、広告でも目にしたことがある有名ゲームのポスターがズラリと並んでいます。会社名はインフィニットループです。
扉を開くと、そこは広くて開放的なワンフロア。作業に集中する人や椅子で寄り集まって小さな会議を開くグループなど、思い思いに仕事と向き合っています。
「表に貼っているゲームのポスターを見ましたか?当社では他にも多くのITサービスをリリースしているんですよ」
声をかけてくれたのはシステム開発部の米屋孝貢さん。プログラム言語によってコンピューターを動かすプログラムを組み、ソフトウェアなどを作るプログラマーとして活躍しています。
ITがスゴいことになると聞き、
業界に興味を持ちました(笑)。
米屋さんもプロジェクトに参加し、開発や機能強化に取り組んでいるのが自社サービスの「シュキーン」。スマホやICカードをかざすだけでタイムカードが打刻され、出退勤を自動で管理できる優れモノです。こんなに便利なツールを手がけるくらいだから、やっぱり理系の出身?
「いえいえ、僕は大学の文系出身。回帰分析という統計学の一つを専攻していたので数字には慣れていましたが、ITとはかなり離れた分野です」
すぐさま浮かんだ疑問はなぜIT業界に進もうと思ったのかということ。それを尋ねると「周りから今後はITがスゴいことになると聞いて」と冗談交じりに笑います。
スマホアプリが完成に至らず、
その悔しさがバネになりました。
米屋さんはITの勉強に本腰を入れようと大学を1年間休学。その間に友人とIT系のビジネスコンテストに参加し、飲食店のテイクアウトを時間指定で予約できるスマホアプリのプランを考えたそうです。
「スマホ一つでテイクアウトの予約ができたら便利ですよね。アイデアは良かったと自負していますが、企画倒れで結局完成まで至らず…(苦笑)。悔しくて悔しくて、復学してから当社でアルバイトを始めつつ、別のIT企業でもインターン生としてお世話になりました」
米屋さんはインフィニットループの技術の高さや自社サービスを提供する面白さにひかれ、そのまま正社員として入社することを決めました。
チームで仕事を進めるのは、
ワイワイとしていて学校祭のよう!
プログラミングといえば、難しい専門語(プログラミング言語)を駆使してソフトやアプリを作るイメージ。文系出身でもマスターできるものでしょうか。
「人によりますが、プログラミング言語を書くこと自体はさほど難しいとは思いません。ただ、『シュキーン』にICカードをかざしてタイムカードを打刻する機能を追加するとしたら、どんなプログラムが必要か細分化するのが非常にやっかい。ボールペンをノックして芯を出すために、バネまで分解して作るべきか、大まかな動きを整えるだけで良いのか…そんなイメージでしょうか」
米屋さんは頭をかきむしりたくなるほど悩む時もあるそう。そんな時はチームの先輩が手を差し伸べてくれます。お互いに助け合いながら一つのプロジェクトを進める感覚は、「ワイワイしているので学校祭みたい」とニッコリ。
肺のCTスキャン画像から
病気を判断するAIを開発中!
米屋さんがここ最近取り組んでいるのはAI(人工知能:学習や推論など人間の知的活動をコンピューターによって実現するもの)を使ったサービスの開発です。
「コンピューターに肺のCTスキャン画像を何千枚と読み込ませ、健康な状態か病気かを学習させるんです。僕の役割は医療の特殊な画像形式をAIが読み込めるデータに変換するプログラムを書くこと」
聞けば、大学の研究室から依頼を受けた仕事なのだとか。まだ病院での実用化に至っていませんが、それでも90%を超える確率で病気の判断ができるといいます。ITの技術は世の中に役立つと実感できますね。
「お客様からも精度が高いとお褒めの言葉をいただきました。いずれは、お医者さんが何枚もCT画像を見るのではなく、病気の疑いがあるものだけをチョイスして、診断の指標にしてもらえれば。こうした働き方を少しでもラクにできる技術も、プログラマーが手がけられるフィールドなんです!」

株式会社インフィニットループ

ゲーム開発やモバイル向けアプリケーション開発、VR・AR開発といったさまざまな事業を展開。勤怠管理システム「シュキーン」をはじめとする自社サービスの提供にも積極的。ここ最近ではAIの開発にも力を入れています。スタッフのほぼ全員がエンジニアというのも特徴。

住所
北海道札幌市中央区北1条東4丁目1番地1
サッポロファクトリー1条館 3階
TEL
011-271-1118
URL
https://www.infiniteloop.co.jp/

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お仕事データ

システムやソフトをつくる!
プログラマー
プログラマーとは
プログラミング言語を使い、
コンピューターを動かす専門家。

プログラムは、主にSE(システムエンジニア)がクライアントの要望を分析して仕様書を設計するところがスタート地点。プログラマーは、それをもとにコンピューターを動かす「プログラム言語」を駆使し、仕事をさせたい内容や手順を書いてさまざまなシステムやソフトウェアをつくります。プログラムは銀行のシステムやショッピングサイト、家電製品や自動車、スマートフォンのアプリなど、活用の場は多種多彩です。また、プログラマーは、納品前にテストを繰り返し、不具合を修正する「デバッグ」の作業も行います。

プログラマーに向いてる人って?
黙々と作業をこなせる集中力と、
新しいことに挑戦する気持ちが大切。

プログラマーは基本的に一人でプログラムを書く仕事。仕事中は黙々と作業をこなすような集中力の高さが求められます。とはいえ、SEやマネージャーと相談することも数多く、人とコミュニケーションを取る機会も少なくありません。また、適切に動作するプログラムを組むには論理的思考能力も欠かせないでしょう。同じことを繰り返す時に「自動化する方法はないか」と考えるような、新しいことに挑戦する気持ちも大切です。

プログラマーになるためには

プログラマーに必要な資格はなく、絶対に卒業しなければならない学部や学科もありません。ただし、プログラミング言語やコンピューターの仕組み、ネットワークシステムといった知識を学んでおくと就職時に役立ちます。IT系の専門学校や短大・大学の情報処理系の学部に進む人も少なくありません。プログラマーは理系が有利だと思われがちですが、文系出身者や未経験者も数多く活躍しています。

ワンポイントアドバイス
プログラミング言語って?

プログラマーにとって最も大切なのがプログラミング言語。コンピューターを動かすための指示を順番通りに書いたもので、それを翻訳させることでソフトウェアやシステムがつくられていきます。Web系やゲーム系、制御系といったジャンルによって必要とされる言語は異なり、種類も「Java(ジャバ)」や「PHP(ピーエイチピー)」、「Objective-C(オブジェクティブシー)」、「JavaScript(ジャバスクリプト)」など多彩です。複数の言語を扱えるようになれば仕事の幅も広がり、ニーズや信頼も高まってきます。