パン職人の仕事はおいしいパンを作ること。主にパン生地の材料の配合や仕込み、発酵、焼き上げを担当し、商品を店舗の棚に並べます。パン作りは、その日の気温や湿度に合わせ、材料や水の配分、焼き時間などを微調整するのが大切。職場によって異なりますが、各工程を分担することもあれば、一連の作業を一人で行ったり、工場で製造するケースもあります。パンを食べるなら「朝」という人が多く、朝早くからわざわざ足を運んでくれる人のために、朝3~4時ごろから作業をスタートさせるのが一般的。また、日常的な食べ物だからこそ、新たな食感やテイストがお客様に喜ばれることから、新商品の開発もパン職人の仕事の一つです。
パン職人の仕事は夜が明ける前から始まるケースが大半。さらに立ちっぱなしの作業が多く、小麦粉の袋を担いだり、オーブンから大量のパンを取り出したり、力仕事も少なくありません。そのため、パンが大好きという強い気持ちが何よりも大切です。また、パン生地は「生きもの」であり、種類によって材料の配合や製造の方法が異なるため、技術習得にはかなりの経験が必要。一人前になるまでには時間がかかる職業なので、コツコツと努力を続けられる人が向いているでしょう。
パン職人には特別な資格や免許は必要ありません。一般的にはパン作りに必要な知識や技術を学べる製菓・調理専門学校などに進み、基礎的なスキルを身につけた後にベーカリーやメーカーに就職するケースが多いようです。進学が難しい場合は、パン屋でアシスタントやアルバイトとして働きながら修業をするという道もあります。
パン作りには特別な資格が必要ないとはいえ、プロフェッショナルとしての実力を証明するために国家資格の技能検定制度「パン製造技能士」を取っておく人が多いようです。この他、「パンアドバイザー」や「パンコーディネーター」など、さまざまな民間資格も用意されています。お店のスタイルによって許可の種類が変わってきますが、自分で作った商品を販売する場合は「菓子製造業許可」、イートインコーナーを設ける場合は「飲食店営業許可」など、開業の際を目指す場合には各種許可も必要です。