土木や建築をはじめ、工事を行う土地に対し、位置や形状、面積、高さなどの測量作業を手がけるのが測量士の仕事です。まずは測量計画にもとづき、さまざまな計測機器を駆使して現地でデータを収集。こうした野外で行う作業は「外業」と呼ばれ、チームを組んで実施されます。一方、事務所内で行う仕事は「内業」。観測したデータをもとに、測量ソフトによって図面作成を行います。測量士は決して華やかな仕事ではありませんが、測量の結果にもとづいて開発計画を立てたり、建設条件を変更したりするなど、工事の「始まり」となる縁の下の力持ちです。
測量士が作成した図面を前提に工事の計画が立てられるため、測量データには絶対の正確性が必要。幾度となく作業位置を変えながら高い精度で測量するこの仕事には、真面目で粘り強い性格の人が向いているでしょう。「外業」は都市部だけではなく、山奥や森の中で行われることもあることから、ある程度の体力も求められます。測量作業はチームで息を合わせることも大切なので、協調性の高さも適性の一つです。
測量士になるためには、測量士の国家資格を取得した後、国土地理院に申請・登録する必要があります。国家試験は年齢や学歴は不問で誰でも受験可能です。一方、学歴や職歴などの指定条件をクリアすることで資格を得るルートもあります。
①文部科学大臣の認定大学で測量科目を修めて卒業し、1年間の実務経験を積む
②文部科学大臣の認定短大・高専で測量科目を修めて卒業し、3年間の実務経験を積む
③国土交通大臣の登録を受けた専門学校で1年以上専門科目を履修し、2年間の実務経験を積む
④測量士補の資格取得後、国土交通大臣の登録を受けた養成施設で専門科目を履修する
資格取得後は、測量会社や建設コンサルタント会社、地図製作会社などで働くのが一般的です。
測量士は角度を計測する「トランシット」や距離を計測する「光波測距儀(こうはそっきょぎ)」、位置情報を計測する「GPS」など、専用の測定機器を使って各種データを収集しています。近年、これらの機材は飛躍的に進歩し、得られるデータは質も量も大きく向上しているようです。今後はドローンを使った測量など、新たなテクノロジーを使った分野の開拓にも期待が寄せられています。
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