広告や宣伝の文章(コピー)を専門に書くライターです。商品やサービスの魅力を最大限に伝え、広告を見た・聞いた人を惹き付けるコピーを考えます。媒体は紙のポスターやチラシからウェブ広告、ラジオやテレビCMのナレーションまでさまざま。コピーを考える工程は「誰に・何を・どう届けるか」というコンセプトづくりにも通じることから、広告の企画やイメージを方向付けるクリエイティブディレクター(CD)という役割を担うケースもあります。
優れたコピーには「発見」や「共感」があると言われています。1つの物事をさまざまな角度から見つめたり、発想の転換をしたりするクリエイティブな思考だけでなく、メッセージの受け手がどう感じるかといった一般的な感覚も必要です。好奇心旺盛であったり、人の気持ちに立って考えられたりする人が向いているでしょう。
必要とされる資格はありません。大学・短大・専門学校でマーケティングや広告、広報などを学んだり、コピーライターの養成講座で専門的な技術を身に付けたりするのが近道。就職先は広告制作会社や広告代理店のほか、企業の広報部が一般的です。はじめから募集しているケースもありますが「コピーライター」というポストを設けていない企業もあります。営業職・企画職を経て企画力やマーケティング知識を身に付けてから転身したり、デザイナーがコピーの技術を身に付けて兼務したりといったケースも少なくないでしょう。
文章生成AIの台頭が話題となりましたが、メッセージを受け取った人の気持ちを考えたり、人からの共感を得る言葉を生み出したりするのはまだまだ人間の手でしかできません。コピーを考えるために行うコンセプトメイキングの工程は広告のみならず、あらゆるクリエイティブを行う際にも核となる部分のため応用が可能。どんな時代、どんな場でもペンと紙、そしてアイデアで勝負できるのがコピーライターという職業です。