家具製造メーカーや家具製作工場、家具工房で、テーブルやイス、デスク、キャビネットなどを手掛けるのが家具製造工。デザイナーが描いた設計図をもとに、材料の切り出しや削り、塗装、組み立てといった工程を経て完成品を作ります。多くの家具製造企業では機械化が進み、木工機械作業、組み立て作業、仕上げ作業などを分業しているようです。一方、顧客の注文に応じてオーダーメイドの家具を作る職人も活躍。インテリアにこだわる人も増えているため、熟練の技術は今後も必要とされています。どんな家具製造に携わるとしても、使う人の暮らしを心地よく彩るという目的は同じです。
家具の材料を傷めずに工具や機械を扱う器用さに加え、誤差や変化を感じ取る感覚の鋭さが求められます。立ち仕事も多く、時には納期とのせめぎ合いもあることから、厳しい条件下でも気を緩めることなく作業を続けられる体力・精神力も必要です。住環境や家族形態の変化、さらにトレンドなどをいち早くキャッチし、家具づくりに落とし込めるよう勉強を欠かさない向上心も大切。何より、ものづくりが好きな人は家具製造工に向いているでしょう。
家具製造工に必要な資格や学歴はなく、未経験者を受け入れる家具メーカーもあります。ただし、最近は大学や短大のプロダクトデザイン系学科・コースで家具製造の知識や技術を身に付ける人が多いようです。また、専門学校のなかには家具職人を養成する学科やコースが設けられているところもあります。その後は、家具メーカーや家具工房に就職をすることが家具製造工としてのスタートラインです。
家具製造工として働くなかで、「家具製作技能士」の資格取得を目指す人も少なくありません。これは家具を製作する上で十分な知識と技術を持っていることを証明する国家資格です。1級と2級があり、それぞれ試験には学科と実技があります。資格取得のためにはデザインや素材に関する知識、工具の扱い方、構造力学などの専門性が必要です。この資格を取ることで、ステップアップや独立などの際にアピールになります。
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