花火師の仕事は大きく「花火の製造」「花火の打ち上げ」「花火大会の準備と後片付け」の3つに分かれます。花火の製造は、「玉貼り(花火のまわりに紙を貼り付ける作業)3年、星かけ(光や煙を出す火薬の粒を作る作業)5年」といわれるほど技術が必要とされるようです。花火は火薬類取締法に関わることから、「製造作業に関する技術基準」と「保安管理技術」にもとづいて仕事を進めなければなりません。花火大会の準備や打ち上げ、撤収も人の安全を第一に管理や取り扱いを行います。花火師の所属する会社によって内容は異なりますが、日本の夏の風物詩・花火に携わるというやりがいのある仕事です。
花火師は危険物である火薬類を取り扱うことが多いため、責任感があり慎重な性格の人が向いているでしょう。花火大会の準備や後片付けには各種機材の搬入出といった重労働もあることから、体力があることも求められます。一流の花火師になるには長い時間がかかり、時に上司や先輩の技術を「見て盗む」世界でもあるため、地道に勉強を続ける粘り強さも必要です。
花火師になるために特別な学歴や技術は必要ありません。火薬を取り扱うことから、工業高校や大学の理工学部などで、仕事に役立つ「火薬類製造保安責任者免状」や「火薬類取扱保安責任者免状」を取得しておくのも一つの道のりです。ただし、花火の製造や企画を行う会社は全国でも数が少なく、規模が小さいケースが大半。花火師の募集もあまりないため、直接問い合わせをするなどして、自分からアプローチすることが必要です。
花火の打ち上げに携わるためには、「社団法人日本煙火協会」から「煙火消費保安手帳」の交付を受けることが必要。これは花火業界の自主保安制度であり、協会に加盟している花火会社の就業者や関係者のみが交付を受けることができます。まずは花火会社で現場の補助作業から始め、一定のレベルに達したと認められた後、協会の各地区組織が行う保安講習を受けた人に対して交付されます。手帳所持者には毎年、保安講習を受ける義務がある他、花火打ち上げの際には、手帳を携帯しなければなりません。
ほかにもあります、こんな仕事。