問診や触診だけでは診断が難しい場合、医師の指示のもと、診療に必要な各種検査を行うのが臨床検査技師。主に病院や検査センター、保健所、検診センターなどで活躍しています。検査の種類は患者様の血液や尿などを調べる「検体検査」と、心電図や脳波測定といった身体を直接検査する「生体検査(生理機能検査)」。こうした検査結果を分析・評価し、医師に伝えることで、今後の治療方針が決まるケースも数多くあります。また、臨床検査技師は検査データを集めるだけでなく、病気の兆候や変化を見つけるための手がかりとしての役割も担っているのです。
医療に関する分野に興味があるだけでなく、日進月歩の技術革新を学び続ける旺盛な知的好奇心が必要です。臨床検査では顕微鏡の標本や機器のモニター画面から、患者様の身体に異常がないか分析するため、検査過程に間違いがないか正しく判断する力も求められます。また、機械化が進んでいるとはいえ、病理標本や血液標本の製作などは人の手で行うことも多いことから、手先が器用な人も向いているでしょう。患者様が不安にならないよう、思いやりや気配りを持って接したり、チーム医療の一員として連携したりするコミュニケーション能力も不可欠です。
臨床検査技師になるためには、臨床検査技師の国家資格が必要です。まずは、臨床検査技師の養成課程がある短大(3年制)や専門学校(3年制)、大学に進み、所定の課程を修了すると受験資格を得ることができます。そして、国家試験に合格し、臨床検査技師の国家資格を取得すると、臨床検査技師として病院などで働く道が開けます。
臨床検査の世界では、簡易化や機械化が進みつつある一方、人にしかできない検査においては高い専門性が求められています。その代表例としては、がん細胞の早期発見を専門にする「細胞検査士」や腹部エコーなどの超音波検査を専門に行う「超音波検査士」。これらは臨床検査技師が取得できる上位資格であり、高度な専門性を備えている人材としてニーズが高まります。ステップアップのためには、ぜひ取得を目指したい資格です。
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