橋や道路、ダム、トンネルといったインフラに加え、農地の造成や斜面の防災なども含めた土木工事を進めるにあたり、調査・計画・設計を行うのが土木設計技術者。具体的には現場の測量や地質・地形の調査からスタートし、気候や周辺環境、社会経済の条件などさまざまな情報を収集した上で基本設計のプランを立てます。それに基づき、設計図面や仕様書など工事に必要な書類を作成。場合によっては用地の確保や周辺住民への説明、行政への諸手続きを行うこともあります。所属する企業によって得意分野は異なりますが、いずれもライフラインや地場産業を支えることにつながる手応えの大きな仕事です。
土木設計技術者はお客様の要望に添った設計を行うだけでなく、工事現場の課題を見つけ、その解決につながる提案をすることで高い評価が得られる仕事です。客観的に状況を分析したり、解決策を編み出したりすることが好きな人には向いているでしょう。また、工法や資材、設計ソフトは日々進化するため、常に勉強する姿勢も必要。デスクワークだけでなく、現地調査に行くことも多いため、心身ともにタフであることも求められます。
土木設計技術者になるために特別に必要とされる資格や学歴はありません。高校や専門学校、短大、大学で土木工学などを学び、構造力学や土質力学、コンクリート工学といった知識を身につけてから就職するのが一般的です。勤務先は、建設会社、コンサルティング会社、官公庁、各種研究機関の土木部門など多種多彩。土木設計技術者として経験を積み、「技術士」や「土木施工管理技士」などの関連資格を取得することでステップアップすることも可能です。
土木工事は橋や道路、トンネルなどのインフラを手がけることが多く、土木設計技術者も「トンネルができて通勤が便利になった」「この橋のおかげで買い物に出かけるのがラクになった」「放水路ができたので洪水の不安が減少した」という暮らしに密着した感謝の言葉を聞くことができるのもやりがいの一つです。また、畑の斜面を平らにすることで農作業を効率化させるなど、生産者の仕事に貢献することもできます。
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