酪農家が休みを取る際、その代わりに搾乳や餌やり、牛舎の清掃などの作業を行うのが酪農ヘルパー。多くの場合、地域の酪農家が協力しあって運営する組合や農業団体に所属し、加盟酪農家の牛を日替わりでお世話します。酪農家が急にヘルパーをお願いしたいときに依頼される「臨時ヘルパー」と、毎月決まった日数、サポートを行う「専任ヘルパー」がおり、牧場の仕事に取り組んでいます。酪農は生き物相手で、1日でも搾乳ができないと牛が病気になる可能性も。「ヘルパー」というとアルバイトのように聞こえますが、冠婚葬祭や病気・怪我をした時のピンチヒッターとして酪農家を支える大切な仕事です。
まず、牛に愛情を持って接しなければならないため、動物好きであることは大前提。酪農ヘルパーは一つの牧場に勤め続けるのではなく、日によって仕事場が変わります。酪農家によっては搾乳機や牛の飼い方などの作業方法が違うケースも多いため、さまざまな環境に適応し、求められる仕事をこなすスキルも大切です。基本的には早朝と夕方の2回搾乳作業があり、体を動かすことも多いため、体力に自信がある人にも向いているでしょう。
酪農ヘルパーになるために必要とされる学歴や資格、経験はありません。一般的には高校卒業後、農業関連のコースを置く専門学校や短大、大学で酪農の知識や技術を学び、酪農ヘルパーを雇用している組合などに就職する人が多いようです。ただし、派遣先の牧場に通うためにも普通自動車免許は取得しておいたほうが良いでしょう。就職先の利用組合ではベテラン酪農家や先輩ヘルパーが作業を教えてくれ、一人で業務ができるようになるまでは、OJT(実地訓練)を通じて仕事を学べるケースが大半です。
近年、酪農家の戸数は高齢化や後継者不足の理由から減少している一方、一戸あたりの牛の飼養頭数は増加傾向です。生産性や効率性を高めなければならず、機械の自動化やロボットの導入が進んでいるものの、依然として人手不足には変わりありません。さらに、国としても酪農家の労働環境を向上させるために酪農ヘルパーの積極的な雇用を奨励しています。つまり、この仕事は今後もニーズが高く、将来性についても安定的といえるでしょう。
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