株式会社深川硝子工芸
1906(明治39)年に、専売局の塩壜の製造を開始。昭和中期からガラス食器の分野に参入、切子、車の廃ガラスを活用した製品なども手がけています。
ガラス工芸職人は伝統の技術によって花瓶や小物から、コップやお皿などの食器、アンティーク風の作品などを作り上げる仕事。工房の多くは、明治時代に生活必需品であった石油ランプや、漁の際に使う浮き玉の製造を行っていた老舗の企業。その他、個人のアトリエも増えてきているようです。製法は「吹きガラス」に代表されるような、ガラスに熱を加えて形そのものを作るホットワークと、「切り子」のように冷えた状態で表面に加工を加えるコールドワークがあります。人の手で作られた作品には機械にない温もりや個性が宿り、オンリーワンであることも魅力です。
ガラス工芸職人には、ガラス加工に関する高度な技術や深い知識が必要不可欠。また、ホットワークの場合、1000℃以上にもなる炉の前で長時間にわたり作業する上、吹き竿を操る腕や手にも負担がかかることから、体力があることも肝心です。こうした力仕事に向き合う大胆さを要する一方、自らの作品をこだわり抜いて手がける芸術的なセンスや審美眼といった、繊細さもあわせ持つ人がこの仕事に向いているでしょう。
ガラス工芸職人になるために、特別な資格や学歴は必要ありません。美術系・デザイン系の専門学校や大学、カルチャースクールなどで技術や専門知識を学ぶことはできますが、基本的には職人の元での修行が必須なので、まずは見習いとして弟子入りするのが近道です。その他、工房やメーカーに就職するといった方法もあるでしょう。またガラス工芸の伝統があるヨーロッパを筆頭に、海外で日本にはない技術を身に付けるという道もあります。
一口にガラス工芸と言っても、日本人がイメージしやすい「吹きガラス」「江戸切子」の他にも、色鮮やかなベネチアングラスや琉球ガラスなどさまざまな種類がありますので、自分の好きなジャンルを探してみましょう。最近では伝統的な作風だけでなく、モダンな作品をつくり展示会を行っている「作家」と呼ばれる人も多くいます。展示会では作家自身も会場にいることが多いので、実際に会って話を聞くことで「伝統」にはとどまらない作品づくりへの知見が広がりそうです。
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