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成島 右京さん
インタビュー公開日:2019.03.15

「盲導犬訓練士に向いているかも」
この一言が就職のきっかけです!
目の見えない・見えにくい人と手を携え、視覚障がいを持つ方の安全な歩行をお手伝いするのが盲導犬。とはいえ、ユーザーに道の段差や曲がり角を教えたり、通行人を避けたりする能力を身につけるには訓練が必要です。その役割を担うのが盲導犬訓練士。
「小さいころに犬を飼っていたこともあり、漠然と動物関係のシゴトを目指して帯広畜産大学に進みました。僕が所属していた研究室では、北海道盲導犬協会と犬の繁殖について共同研究を行っていたんです」
こういってさわやかな笑顔を見せてくれたのが成島右京さん。盲導犬訓練研修生として約3年前から北海道盲導犬協会で働いています。
「学生時代には中部盲導犬協会のインターンシップに参加しました。その際、『成島君は盲導犬訓練士に向いているかもね』という言葉をかけてもらい、素直にこの仕事を目指したんです…単純でしょうか(笑)」
先輩の訓練犬への接し方を
観察しまくる日々でした。
盲導犬訓練士は人気が高い職種の反面、欠員や補充による募集が多くはない仕事。成島さんの場合も、タイミング良くたまたま採用情報を見つけられたと振り返ります。
「新人時代は犬舎の掃除や給餌といった作業をしながら、先輩の訓練犬への接し方を観察し続ける日々。吠えそうになると『待て』で正解の行動に促したり、あえて玄関に居させて人に慣れさせたり、勉強になることばかりでした」
北海道盲導犬協会では、子犬は生後約50日までは親犬と過ごし、その後はパピートレーニング(子犬期のしつけ)のボランティア宅へ。
一般の家庭で愛情を一心に受けながら人との信頼関係を結び、1歳になる前後から盲導犬訓練士が訓練にあたります。
「ただ、いくらパピートレーニングを受けているからといって、自分の言葉が伝わるワケではありません。求めていることが伝わらないもどかしさや小さなケガを負わせてしまった後悔など、失敗を挙げればきりがありません」
褒めて伸ばすトレーニング
「クリッカー訓練」を導入中!
盲導犬訓練士は、3~4頭の担当犬の散歩や給餌、ブラッシングをしながら盲導犬を訓練しています。北海道盲導犬協会で取り入れているのが「クリッカー訓練」なる手法です。
「訓練というと厳しいイメージではありませんか?だけど、『クリッカー訓練』は叱らずに褒めて伸ばすトレーニング。たとえば、担当犬に視覚障がい者との歩き方を教える際、正解だったらクリッカーという道具の音を鳴らすんです。そして、ご褒美を与えます。アニマルウェルフェア(動物の福祉)の視点から見ても実にやさしく、効果的な手法なんです」
成島さんはお休みの日でも犬の訓練方法や心理学の本を読んで勉強することもあるとか。「首を掻いたり、あくびをしたりするのは緊張のサイン。それを見て、リラックスできるように導くこともあります」と笑います。う~ん、勉強熱心な姿勢はさすがの一言です。
北海道の冬に対応できるよう、
雪道を経験させています。
盲導犬というと視覚障がい者を目的地まで連れて行ってくれるイメージですが、実際のところは二人三脚の共同作業。視覚障がい者が目的地までの地図を頭に描き、曲がる場所や横断歩道を渡る指示を盲導犬に伝えています。
「たとえば、ユーザーさんが目の前を車が横切っているときに進む指示を出しても、盲導犬は止まったまま動きません。こうした判断ができるように地下鉄に乗ってマチナカに出かけたり、北海道の冬に対応するために雪道を経験させたりするのも訓練の一つです」
盲導犬訓練士は1歳になる前後から約7カ月にわたって担当犬をトレーニング。その後、盲導犬としての適性があると評価された訓練犬(全体の約3割)が盲導犬歩行指導員とともに視覚障がい者と歩行訓練に移ります。そして、2歳で晴れて卒業することに。
「担当する犬が卒業する時、泣いちゃったことも…。ただ、ユーザーさんの研修会やイベントでまた会えることもあるので、最近はガマンしています(笑)」
盲導犬の必要性を
もっともっと広めたい!
成島さんは現在のところは盲導犬訓練研修生。今後、訓練頭数を増やし、学科と実技の試験をパスすると盲導犬訓練士の資格が得られます。さらに実務経験を積むことで、その先には視覚障がい者に歩行訓練をする盲導犬歩行指導員の試験も待っているのです。
「歩行訓練を卒業したユーザーさんに再会すると、皆さん、『こんなに颯爽と歩くのは久しぶり』『風を切って歩ける』と口をそろえて喜んでくれます。これほどストレートな感謝の気持ちを伝えてもらえる仕事は他にありません」
一方、盲導犬は視覚障がいを持つ方にとって「飼う」ことがハードルになり、必要とする人が二の足を踏むケースが多いとか。
「盲導犬の素晴らしさを広めるためにも、僕らは啓発活動や講演に力を入れています。このような取り組みから、盲導犬の必要性をもっともっと広めたいですね」
シゴトのフカボリ
盲導犬訓練士の一日
8:30
出勤/全体ミーティング
8:45
犬舎の掃除・管理
9:30
訓練チームのミーティング
9:45
訓練
12:00
昼休み
13:00
訓練
15:30
給餌・トイレ出し
16:30
犬の手入れ・記録
17:00
全体ミーティング・引き継ぎ
17:15
退勤
シゴトのフカボリ
拝見!オシゴトの道具
盲導犬ユーザーの必需品
これは視覚障がいを持つユーザーさんが使う「ハーネス」という道具。犬がどちらの方向に動こうとしているのかを感じるための必需品です。
シゴトのフカボリ
みなさんへ伝えたいこと

視覚障がいを持つ方は生活が不便なこともありますが、決して不幸ではありません。様々な工夫をしたり、盲導犬をはじめとするお手伝いがあれば健常者と同様に生き生きと日々の暮らしを楽しめます。そのお手伝いをするのが僕らです!

公益財団法人 北海道盲導犬協会

積雪地域に施設があるという厳しい条件を生かし、冬季期間の難しい道路状況でも安全に誘導する盲導犬を育成。点字訓練や白杖歩行訓練など、自立して日常生活を過ごす技術を視覚障がい者へ提供し、総合的なリハビリテーション施設を目指して活動。

住所
北海道札幌市南区南30条西8丁目1-1
TEL
011-582-8222
URL
http://www.h-guidedog.org/

お仕事データ

目が不自由な人の歩行をサポート!
盲導犬訓練士
盲導犬訓練士とは
犬のお世話をしながら、
盲導犬に必要な能力をトレーニング。

国家公安委員会が指定する盲導犬育成施設(全国11団体、14施設)で、盲導犬に必要な能力を犬に訓練するのが盲導犬訓練士。餌やりやブラッシング、散歩といったお世話をしながら、道の角や段差、障がい物を教える訓練をするのが主な仕事です。1歳の子犬からトレーニングを始め、半年から1年をかけて盲導犬に向いているのかどうかを評価します。生き物を相手にする仕事のため、宿直がある施設も多いようです。最終的には盲導犬の訓練だけではなく、目の不自由な方と盲導犬との歩行指導を行う盲導犬歩行指導員を目指し、新しい生活をサポートします。

盲導犬訓練士に向いてる人って?
注意深さや根気強さに加え、
社会貢献がしたいという思いがある人。

盲導犬に向いているかどうかの評価は主に性格から判断します。そのため、担当する犬をつぶさに観察できる注意深さが必要。また、服従や判断能力を養う訓練は何度も重ねなければならないので、根気強さも求められます。目の不自由な人の社会生活を支え、その後も見守り続けるため「人の役に立ちたい」「社会貢献がしたい」という気持ちも不可欠です。さらに、広報活動や学校での講演、ボランティアとの折衝など人と関わることも多い仕事。犬だけでなく、人とのコミュニケーション能力も大切です。

盲導犬訓練士になるためには

盲導犬訓練士になるには、まずは国家公安委員会が指定する盲導犬育成施設に就職する必要があります。少なくとも3年ほどの研修期間を経て、「盲導犬訓練士」の認定を受けなければなりません。各団体によって認定基準や試験方法が異なるのでホームページなどをチェックしてください。さらに、2年間の実務経験を積み、「盲導犬歩行指導員」に認定されることで、初めてユーザーとの共同訓練を行うことができます。


※盲導犬訓練士の認定については、詳しくは公益財団法人日本盲導犬協会のホームページをご覧ください。https://www.moudouken.net

ワンポイントアドバイス
各団体は定期的な採用が少ないため、
欠員募集を頻繁に問い合わせよう!

盲導犬訓練士になるための学校はありませんが、大学の動物系学科や専門学校のドッグトレーナーコースなどで犬の体の仕組みや生体を学ぶのは有意義。また、資格障がい者の自立について学び、「白杖歩行指導員」といった資格を取っておくことも有利です。ただし、どの団体も定期的な募集は少なく、欠員補充の際に採用活動を行うことが多いのが現状。盲導犬訓練士になりたい人は、各団体のHPを頻繁にチェックしたり、問い合わせをするなどして欠員がないか聞いてみることをおすすめします。