高校生・大学生のための北海道の仕事に出会えるキャリア探求サイト

MENU

  • HOME
  • 加地 祐基さん

加地 祐基さん
インタビュー公開日:2020.01.15

木製小物の加工、部下の指導のほか、
展示会など拡販関連業務にも携わる。
カードケース、印鑑ケースなどの卓上小物から、ランチプレートに弁当箱、掛け時計、オセロゲーム、身長計、ゴム鉄砲……。いずれも、木工の街、旭川で40年以上にわたって木製小物の製作を手がける「ササキ工芸」の、オリジナル商品です。
200点近いラインアップを持つほか、ノベルティショップなどのOEMや特注品製造にも実績がある同社で働き始めて6年目になる加地祐基さんは、クラフトチームという部門のチームリーダーを務めています。
「工場で商品の加工作業を行いつつ、部下を指導したり、係長の補佐として工場内に目を配り、職場の環境整備なども担当しています。また、最近は、お客さまとのやりとりも一部、任されるようになり、業務の幅が広がってきました」
東京にある直営店のようすを見に行ったり、雑貨の展示会・ギフトショーなどへの出店のフォロー、視察にも出かけています。つくるだけでなく、商品の拡販に関わる業務も行うなどマルチに活躍している加地さんです。
手づくり感の強い製造工程を担当、
商品の最終形まで仕上げる仕事。
ササキ工芸では、素材の加工から商品化までを自社工場で一貫して手掛けています。板から部材を切り出す木取り、細かな掘り込みなどを自動で行うNC加工、加地さんが所属するクラフトチーム、そして仕上げ・塗装・検品を経て完成します。
「クラフトチームは、ルーターと呼ばれる加工機で形を整えたり、高速で回転するやすりで表面をきれいにしたり。商品の最終形までもっていく役割を担っています」
商品にはすべて図面がありますが、寸法は示されていても工程がわかりにくいものもあり、実際のサンプルを見ながら製作するケースも少なくないそうです。また、特殊な形状の場合は、部品や刃物の位置を固定する治具(じぐ)もオリジナルでつくってしまいます。
「機械を使って行う加工も多いのですが、作業としては手づくり感の強い仕事ですね。商品にもよりますが、何度も製作をするなかで、身体の感覚でつくりかたのコツを覚えていくといった部分も大きいんです」
その意味で、奥の深い仕事と言えそうです。
会社見学で触れた工場の作業に惹かれ、
ものづくり経験ゼロから即決で入社。
大学を卒業後、加地さんが就職したのは大手小売チェーン。札幌で忙しい毎日を送っていました。
「充実はしていましたが、都会の人混みにどうしてもなじめず、地元に帰ることを考え始めて。ちょうどその頃、母が体調を崩したこともあり、転職を決意しました」
高校まで過ごした名寄に近い旭川での就職を考え、情報収集するなかで、ササキ工芸の会社見学に参加する機会を得たという加地さん。工場をぐるりと見た程度でしたが、楽しそうだなと直感したのだとか。
「ものづくりの経験はゼロでしたし、特別、興味があったわけでもありません。ただ、工場の作業内容、できあがった商品の素晴らしさに惹かれました。ここで働きたい、と即決でしたね」
入社後は、目の細かい紙やすりで表面を整える仕上研磨の仕事からスタート。2年ほどで、同社の製品でも難しいといわれるカードケースまでつくれるようになったそうです。
「形にできても、先輩よりも圧倒的に時間がかかる。それが悔しくて、先輩の手元をみながら工夫を重ね、アドバイスもいただきながら自分の技術にしていきました」
確認せずに起こしてしまったミス。
その経験を商品づくりに役立てる。
この6年間のうちには、失敗もありました。同社では、商品の最終仕上げが済むと、検品部門で出荷前のチェックを行います。
「不具合などが見つかったものについて、工場に修正依頼が入るのですが、自分が製造を担当した商品、50個ほどすべてが戻ってきたことがありました。その時は、さすがにショックでしたね」
商品を傷つけないよう、柔らかい布を下に敷いて部品を打ち付けたために、布が凹むことで取り付け位置がずれてしまった、というのが原因でした。先輩に確認せず、自分で判断したために起きたミスですが、先輩は何も言わずに修正を手伝ってくれたそうです。
「失敗は、次に生かせればいい。無言でそんなふうに言われている気がしましたし、実際、その経験はその後の商品づくりに役立っています」
比較的柔らかく扱いやすいウォールナットから、堅くて欠けが出やすいナラ、メープルまで十数種類の木材を使っている同社。その特性を理解して加工する必要があるほか、本州に送る製品は湿度の違いで狂いやすいため、調整も必要です。製造に慣れても、学ぶべきことはたくさんあると、加地さんは話します。
お客さんと直接向き合って話し、
完成までを手がけることが喜び。
ササキ工芸では、特注品の製造も数多く手掛けていますが、営業スタッフはいません。お客さんとのやりとりは、すべて工場で経験を積んだ幹部社員が行っています。
「お客さまのご要望をうかがい、技術面・コスト面から検討して提案を行いますが、実際のものづくりが分かっているので、的確にお伝えできることが大きなメリットですね」
そう話す加地さんも、まだ1社ですが担当のお客さんを持ち、やりとりを行っています。「予算的な話はまだ上司が行っていますが、お客さまと向き合い、話をしながら、試作から最終的な商品づくりまでを進める練習をしているという段階です」
お客さんが目の前にいることは、つくり手としては緊張もするけれど、商品を直接届けられ、反応にも触れられることは、ものづくりの究極の喜びでもあると加地さん。
「技術を磨きながらステップアップを目指し、自分の責任で仕事を動かせるようになっていきたいと思っています」
たまたま巡り合ったものづくりの仕事でしたが、まさに適職に出会えたという風情の加地さんでした。
シゴトのフカボリ
木製小物職人の一日
7:55
出勤、クラフトチームのミーティング
8:00
全体朝礼
8:15
加工作業
10:00
休憩
10:15
加工作業
12:00
昼食・休憩
13:00
加工業務
15:00
休憩
15:15
加工業務
17:00
清掃、ミーティング後、退勤
シゴトのフカボリ
拝見!オシゴトの道具
ノギス
図面には示されていない数値を確認したり、サンプルを見ながら製作を行う際に、外径から内径まで、あらゆる寸法を図るノギスが必須道具となります。欠かすことのできない相棒です。
シゴトのフカボリ
みなさんへ伝えたいこと

毎日の経験、その時々で考えたことが、やがて自分の技術、知識になっていきます。その積み重ねが、職人への道。今、この瞬間を疎かにしない。そのことを、常に心がけています。

株式会社ササキ工芸

1976年に家具の部品加工をメインに創業。加工時に出る端材を使ってライターケースをつくったことを皮切りに木製小物の製造へと進出し、現在に至る。

住所
北海道旭川市永山14条3丁目4番10号
TEL
0166-25-2288
URL
https://sasaki-kogei.com

お仕事データ

多種多彩な家具を製作。
家具製造工
家具製造工とは
設計図をもとに材料を加工し、
使う人の暮らしを彩る家具を。

家具製造メーカーや家具製作工場、家具工房で、テーブルやイス、デスク、キャビネットなどを手がけるのが家具製造工。デザイナーが描いた設計図をもとに、材料の切り出しや削り、塗装、組み立てといった工程を経て完成品を作ります。多くの家具製造企業では機械化が進み、木工機械作業、組み立て作業、仕上げ作業などを分業しているようです。一方、顧客の注文に応じてオーダーメイドの家具を作る職人も活躍。インテリアにこだわる人も増えているため、熟練の技術は今後も必要とされています。どんな家具製造に携わるとしても、使う人の暮らしを心地よく彩るという目的は同じです。

家具製造工に向いてる人って?
ものづくりが好きで、
体力や精神力にも自信がある人。

家具の材料を傷めずに工具や機械を扱う器用さに加え、誤差や変化を感じ取る感覚の鋭さが求められます。立ち仕事も多く、時には納期とのせめぎ合いもあることから、厳しい条件下でも気を緩めることなく作業を続けられる体力・精神力も必要です。住環境や家族形態の変化、さらにトレンドなどをいち早くキャッチし、家具づくりに落とし込めるよう勉強を欠かさない向上心も大切。何より、ものづくりが好きな人は家具製造工に向いているでしょう。 

家具製造工になるためには

家具製造工に必要な資格や学歴はなく、未経験者を受け入れる家具メーカーもあります。ただし、最近は大学や短大のプロダクトデザイン系学科・コースで家具製造の知識や技術を身に付ける人が多いようです。また、専門学校の中には家具職人を養成する学科やコースが設けられているところもあります。その後は、家具製造メーカーや家具工房に就職をすることが家具製造工としてのスタートラインです。

ワンポイントアドバイス
家具を製作する技術の証、
国家資格の「家具製作技能士」!

家具製造工として働く中で、「家具製作技能士」の資格取得を目指す人も少なくありません。これは家具を製作する上で十分な知識と技術を持っていることを証明する国家資格です。1級と2級があり、それぞれ試験には学科と実技があります。資格取得のためにはデザインや素材に関する知識、工具の扱い方、構造力学などの専門性が必要です。この資格を取ることで、ステップアップや独立などの際にアピールになります。