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岡田 勇希さん
インタビュー公開日:2020.02.28

親戚の愛犬がきっかけで
犬に関わる仕事を志すように。
犬は本来人懐っこく従順な動物ですが、子犬のうちにきちんとしつけをしないと、吠えたり人に飛びついたりといった問題行動を起こしてしまうことがあります。犬と人とが快適に一緒に暮らせるよう、しつけやトレーニングをするのが犬の訓練士です。岡田勇希さんは、訓練士を目指して札幌ドッグスクールで経験を積んでいます。
小学生のころに、親戚の家で飼い始めたミニチュアダックスフンドとの触れ合いをきっかけに、犬が大好きになったという岡田さん。高校生になり進路に迷った時に、母から「好きなことは何?」と問われ、真っ先に思い浮かんだのが犬でした。そして、動物の専門学校に通い、犬に関わる仕事を志したのです。
犬の訓練士は狭き門ながら、
一流の技術を学べる現職場へ。
犬に関わる仕事はペットショップ、動物病院、トリミングなどいろいろありますが、体を動かすのが好きな岡田さんが興味を抱いたのが、ドッグアジリティ(障害物競走)などのドッグスポーツ。そこで、大会で多数の成果を出し、警察犬の訓練にも携わる現在の職場で実習をさせてもらい、採用のタイミングとも合ったため入社が決まりました。
もともと犬の訓練の職場は採用の募集が少ない狭き門であると同時に、目指しても挫折する人も多いとか。「犬と関わる部分だけをイメージしがちですが、実際は掃除、ご飯の準備、敷地の整備など大変な雑務も多いんです。そして、訓練士になるための修行も厳しい。でも、僕は日本一や世界一を数多く取っている訓練士がいるこの職場に入れば技術を磨けると思ったんです」
公認の資格取得を目指して、
技術取得に励んでいます。
犬の訓練士は、一般社団法人ジャパンケネルクラブが発行する訓練士の公認資格を取得すると一人前といわれています。
岡田さんの今の仕事は、お客様から預かっている犬やスクールに所属している犬の訓練、日々の世話、通いでしつけをする「いぬの幼稚園と学校」での訓練と送迎。訓練以外にも、犬のご飯などの資材を発注したり運んだりする仕事、冬場は北国らしく広い場内で重機を使っての除雪などもあります。
お客様の犬は、子犬のうちからしつけをする、問題行動をなくすなどの目的で預けられています。訓練には犬の性格に合わせたやり方があり、先輩の指導を受けながら身につけてきました。「訓練の最初はまず遊ぶこと。たくさん遊んで、信頼関係が出来てから訓練スタートします。そうでないと叱ったときに犬は逃げてしまうので。まずは犬との信頼関係を築くことが必要なんです」
犬の競技大会にも積極的に出場。
愛犬と一緒に優勝が目標!
ドッグアジリティの大会にも年7〜8回、積極的に出場しています。入社2年目には、警察犬訓練の大会で見事、全道優勝を果たしました。さぞかし嬉しかったと思いきや、「実は、プレッシャーが大きくて緊張しすぎたのか、優勝した時は頭が真っ白になり、その時の気持ちはよく覚えていないんです…(笑)」。
また、入社後は念願の自分の愛犬も飼い始めました。シェルティー犬で、光を意味する「ルチア」と名付け、毎日一緒に出勤しています。ルチアちゃんと一緒に大会に出場することもあるとか。「やっぱり、自分の犬は特別に可愛いですね。ルチアと一緒に優勝できたら、その時は思い切り喜べるかもしれません(笑)」
決して甘くはない道。
犬の成長が、自分の成長に。
今の職場では独立したい人を応援しており、ここで経験を積んで巣立っていった訓練士がたくさんいます。岡田さんも、訓練士の資格を取って独立することを目標に仕事に励んでいます。
「技術を身につけるのは簡単ではないので、目標がないと続けていけない仕事だと思います。でも、愛犬を預けていたお客様が、訓練を卒業した子を見て『これ、本当にうちの子!?』と喜んでくれる時などは、本当にうれしいですね。その子によって覚えるペースは違いますが、理解した時に必ず『わかった』という顔をするんです。その瞬間を見逃さずに褒めることが大切なんですよ」
犬の話になると、ひときわ瞳が輝く岡田さん。大好きな犬に囲まれて、一歩ずつ目標に近づいています。
シゴトのフカボリ
訓練士見習いの一日
6:30
出勤、預かりの犬のトイレ、ご飯
7:30
スタッフの食事
清掃
いぬの幼稚園・学校の送迎
9:00
預かりの犬の訓練
11:30
犬のトイレ、子犬の昼食
12:00
昼休憩
13:00
いぬの幼稚園・学校の訓練
14:30
送迎
15:00
預かりの犬の訓練
16:30
犬のトイレ、ご飯
18:00
退勤
シゴトのフカボリ
拝見!オシゴトの道具
リードとおもちゃ、おやつ
ポケットには、常に犬の訓練に使うリードとおもちゃ、おやつが入っています。いつ犬を渡されたり、「あの子呼んできて」と言われても訓練ができる状態になっています。
シゴトのフカボリ
みなさんへ伝えたいこと

犬のしつけや訓練は、まず一緒に遊んで信頼関係を作ってから。飼い主さんとも同じです。お家に帰ってからも愛犬と幸せに暮らし続けてもらうために、それぞれのお客様に合わせて犬との接し方を伝えています。

札幌ドッグスクール

預かりや通所で犬のしつけ、訓練を行うスクール。警察犬の訓練も委託されています。オーナー・スタッフはアジリティの国際大会での実績も多数。

住所
北海道札幌市南区簾舞137番地
TEL
011-596-3964
URL
http://www.xn--pckb1a1b3a2skeu133bqyq.jp/school_top.html

お仕事データ

ペット犬をしつけるプロ!
ドッグトレーナー
ドッグトレーナーとは
しつけや問題行動の解消によって、
犬と人とが快適に暮らせる橋渡し役。

家庭でペットとして飼われている犬をしつけるのがドッグトレーナーの仕事。基本的なマナーやルールをトレーニングし、無駄吠えや噛みつき、トイレを覚えないなどの問題行動を解消します。犬ごとの性格や飼い主との関係、過去の育て方をしっかりとヒアリングした上で、一頭一頭の個性や生活環境に合わせたしつけを行うことも重要な役割です。また、飼い主に対しても効果的なしつけ方法をアドバイスしたり、犬への接し方を伝えたりするなどのコミュニケーションが必要。犬と人とが心地よく暮らしていくための橋渡し役を担うのがドッグトレーナーです。

ドッグトレーナーに向いてる人って?
根気強く犬と向き合え、
人とのコミュニケーションも必要。

ドッグトレーナーは、犬とふれ合う時間が大半を占める仕事。犬が好きな人に向いていますが、多彩な犬種に平等に愛情を注げなければいけません。時にしつけが上手く進まないこともあるため、犬の学習論理といった行動パターンを理解しながら、根気強く関わることも必要。また、飼い主の悩みをヒアリングする「カウンセラー」としての役割も担い、的確なアドバイスを送るなど、人とのコミュニケーション能力も重要です。

ドッグトレーナーになるためには

ドッグトレーナーとして仕事をする上で必須となる資格はありません。多くの場合、高校卒業後に大学や専門学校、スクールに進み、犬の知識やトレーニングスキルを身に付けます。ただし、まったくの未経験からアルバイトを始め、実践を通じてドッグトレーナーになるケースも少なくないようです。「日本ドッグトレーナー協会」が認定する「ドッグトレーナーラインセンス」、「日本ペットドッグトレーナーズ協会」が認定するドッグトレーナー資格「CPDT」、「日本愛玩動物協会」が認定する「愛玩動物飼養管理士」といった民間資格を取得するのも就職の際に有利です。

ワンポイントアドバイス
職場の選択肢が広がっている仕事。
訪問型のサービスもニーズが上昇中。

ドッグトレーナーは、犬のしつけ教室やしつけサービスを提供するペットショップ、トリミングサロン、動物病院、さらにペット関係の企業などさまざまな場所で活躍しています。最近は、広いスペースを独自に持つ必要がないことから、訪問型のサービスも増えているようです。フリーランスのドッグトレーナーがお客様からの依頼を受けるケースもあるので、活躍の場の選択肢は広がりつつあるといえるでしょう。