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星野 沙畝さん
インタビュー公開日:2020.03.30

女バスのマネージャー経験が、
福祉の扉を開きました。
主に障がいを抱える人や高齢者を対象に、生活の介助や自立のための訓練、就労のサポートなどを行う生活支援員。社会福祉法人HOPが運営する「障がい者支援施設ホップ」で働く星野沙畝さんもその一人です。
「福祉の世界を目指したきっかけは、高校生のころに女子バスケ部のマネージャーを務めた経験からです。選手の手当てや体調管理だけでなく、大会前にはメンタル面のサポートを求められることも多く、自分には人を支える役割が向いているのかな…と感じました」
星野さんが選んだ進学先は埼玉県立大学の社会福祉子ども学科。社会福祉士の資格取得率が高いことに加え、医療系の他学科とも連携が盛んで、福祉の現場により近い環境で学べることが決め手でした。
「カリキュラムには実習も多く、コミュニケーションを通じて相手をどう支えるのかという相談・援助も実践的に学ぶことができました」
幅広い福祉サービスと、
支援のあり方に惹かれたんです。
社会福祉士の資格を生かせる仕事といえば、病院や地域包括支援センターの相談員が代表的。ところが、星野さんは児童デイサービスや通所施設の現場で利用者様と直接関わることにより、さらに質の高い相談・援助ができるのではないかと考えました。
「もともとUターンしようと思っていましたが、埼玉県で北海道の求人を見つけるのは思った以上に大変。大学の先生に就職先の相談をしたところ、札幌の福祉施設をいくつか紹介してもらいました」
その一つが社会福祉法人HOP。生活介護や共同住居、通所に自立訓練といった幅広い福祉サービスを展開していることを知り、多彩な経験が積めると感じたそうです。
「利用者様が社会や地域の中で、より良く暮らすことを含めた支援にあたるという考え方も魅力的でした。私もその一員になりたいと強く思い、入職を決めたんです」
利用者様の仕事をスムーズに
進めるためにサポート!
星野さんが配属されたのは生活介護や自立訓練、就労継続支援B型(※)などの福祉サービスを提供する「障がい者支援施設ホップ」。最初はメンター(教育係)が付きっきりで仕事を教えてくれた上、周りの先輩方に分からないことを尋ねるとすぐに教えてもらえたと振り返ります。
「私がメインで担当しているのは就労継続支援B型の業務です。外部から請け負った仕事を利用者様に進めてもらいながら、期限内にキチンと完了させるためのサポートをしています」
就労継続支援B型として請け負う仕事は、機関紙の折り込み作業だったり、食品工場のバット洗浄だったり、時には病院の売店で仕入れや接客にあたることもあります。
「私たち職員は利用者様の体調確認や声がけ、生活面の援助をしながら、納期に間に合わないような場合は作業を手伝うこともあります」

(※)雇用契約を結んで働くことが困難な方に、軽作業などの就労訓練を提供。利用者様は工賃をもらいながら自分のペースで働くことができます。
石鹸で手を洗う「理由」を
伝えることがカギでした。
「障がい者支援施設ホップ」の利用者様は、自閉症スペクトラムやダウン症、発達障がいといった障がいを抱える人が多いとか。中にはルーチン作業を完璧にこなしたい「こだわり派」や自分の考えを貫き通す人も少なくないといいます。
「例えば、石鹸で手を洗うことを受け入れてくれない利用者様もいました。けれど、水洗いだけでは雑菌を殺せないという理由を改めて説明することで、理解を示してくれたんです。私の伝え方や言葉のチョイス一つで、利用者様が成長する姿を毎日のように目の当たりにできるのがこの仕事の魅力だと思います」
利用者様は決して気難しいわけではなく、仕事の合間に世間話を交わすことも多いようです。「工賃はコツコツ貯金しているとか、今度ゲームを買うために仕事を頑張っているとか、経済面でも利用者様を支えられていると思うと、やりがいもひとしおです」
伝え方を試行錯誤し、
全体をまとめる方法も模索中!
星野さんが大学で勉強したのは、主に相談・援助によって利用者様と一対一の関係を築く方法。一方、現在の仕事は生活支援員として集団をまとめる役割も担います。
「利用者様の中で誰にアプローチすると全体がまとまるのか、何を支援することでメリハリがつくのか、その声がけや工夫の仕方が難しいと感じています。ただ、利用者様同士の関係を見極めながら、自分の伝え方を試行錯誤していくというところが奥深さでもあるんです」
星野さんは自分の経験値を高めるためにも、福祉の現場で働くことを決めました。今は率直にどのような感想を抱いているのでしょうか?
「まだ入社から1年程度なので自分の課題をクリアしようと無我夢中。このまま支援の質を向上させて利用者様を見守るのも合っているような気がします。若い職員が多く和気あいあいとしていますし、たくさんの人と関わる楽しさは何にも代えがたいですからね」
シゴトのフカボリ
生活支援員の一日
8:30
始業/利用者様のお弁当作り
9:30
就労継続支援の作業
12:00
昼休み/利用者様への声がけ
13:00
就労継続支援の作業(1時間ごとに休憩)
16:00
利用者様と掃除・片付け
16:30
作業の記録/翌日の準備
17:30
退勤
シゴトのフカボリ
拝見!オシゴトの道具
就労継続支援の作業に
ペンやメモ帳はいつも携帯しています。この指サックは、利用者様の就労継続支援の作業で請け負っている機関紙の折り込み作業に役立つ必需品。紙がかなり薄いので、枚数を数える時に大活躍しています。
シゴトのフカボリ
みなさんへ伝えたいこと

私自身は社会福祉士の資格を取得してから就職しましたが、福祉の仕事はコミュニケーションが何より大切。利用者様とのおしゃべりや関わりを楽しめる気持ちがあれば、知識がゼロからでも成長していけると思います。

社会福祉法人HOP

法人の理事長ご本人が筋ジストロフィー症の当事者であり、難病や重度の障がいで困っている方々を支えようと社会福祉法人HOPを創業。札幌市内を中心に、障がい者支援施設を数多く展開する他、就労継続支援B型事業所としてカフェ「ぷちりーべ」も運営。

住所
北海道札幌市西区二十四軒4条6丁目3番2号
TEL
011-632-7077
URL
https://www.hop.or.jp/

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お仕事データ

日常生活や生産活動をサポート。
生活支援員
生活支援員とは
障がい者や高齢者が社会で
快適に暮らせるよう支える存在。

障がい者や高齢者の暮らしに密着し、日常生活のサポートや身体機能・生活能力の向上につながる支援を行う他、障がい者支援施設などでは生産活動にも関わります。
具体的には、衣服の着脱や入浴などの生活習慣を身につけてもらったり、農業や軽作業、陶芸、木工といった作業を指導したり、施設における人間関係や不満、将来の不安の相談にのることもあります。働く場所は障がい者支援施設や高齢者の介護施設の他、就労移行支援事業所、就労継続支援事業所など多種多彩。いずれも一人ひとりの利用者様に寄り添い、快適な暮らしができるように支えることが大切です。

生活支援員に向いてる人って?
いつも笑顔で明るく、
相手に一生懸命向き合える誠実な人。

障がい者の中にはさまざまな生き辛さを抱え、不安や悩みを抱えている人もいます。そのため、いつも笑顔で周囲に明るい雰囲気を広げられる人は向いているでしょう。利用者様には繊細な心の持ち主も少なくないため、相手の立場を考えながら一緒に悩んで解決方法を探すような誠実さも大切です。また、スタッフ間での情報共有なども重要なことから、コミュニケーション能力も求められます。

生活支援員になるためには

生活支援員になるために必要な資格はありません。事業所によっては未経験から働ける職場も多いようです。ただし、福祉系の大学や短大、専門学校などで障がいや高齢者福祉について学び、社会福祉士や精神保健福祉士、介護福祉士、社会福祉主事任用資格といった資格を取得しておくと就職に有利でしょう。また、利用者様の送迎を行う施設もあるため、普通自動車免許も取得するのもおすすめです。

ワンポイントアドバイス
就労継続支援事業所の
「A型」と「B型」の違いって?

障がい者が利用する施設の中で、「就労継続支援A型事業所」「就労継続支援B型事業所」の二つを聞いたことがありますか?いずれも利用者様に生産活動の機会を提供したり、就労に必要な知識や能力を身に付けてもらったり、「働くこと」の支援を行っています。A型は利用者様と雇用契約を結んだ上で最低賃金以上を保障し、時には一般就労への移行もサポート。B型は雇用契約を結んで働くことが難しい方に生産活動ごとの工賃を提供しています。これがA型とB型の大きな違いです。

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