公益財団法人 さっぽろ青少年女性活動協会(SYAA)
札幌市内の児童会館や札幌エルプラザ、青少年山の家等各施設を管理運営。人と人とのつながりを通じて青少年の健全育成と青少年女性の社会参加を促進し、魅力あふれる地域社会創造のための主体的な活動を支援することにより、地域社会の発展及び向上を図り、もっと豊かな生活の実現に寄与していくことを目的に、各種事業を展開しています。
主に共働き家庭の小中高生を対象に、放課後や土曜日、春・夏・冬休みなどに、児童館(学童保育施設/学校の余裕教室や公民館などにも設置)で遊びや生活の場を提供するのが児童館支援員。子どもたちが基本的な生活習慣や発達段階に応じた遊びを身につけ、自分の気持ちを表現できるよう適切にサポートします。おやつの提供や安全・安心な環境の整備、緊急時の対応などの他、日々の様子を保護者に伝え、家庭と連携するのも重要な仕事。子どもの成長を支援しながら、保護者の子育てと仕事の両立を支える大切な存在です。
子どもが好きなことに加え、同じ視点に立って「なぜ泣いているのか」「どうして喜んでいるのか」を考えられる人は児童館支援員に向いているでしょう。この仕事はただ見守るだけではなく、児童館で過ごす時間を使って成長を支援する必要もあるため、教育意欲があることも求められます。また、子どもたちはもちろん、保護者や学校の教員と連携を取ることも多いため、コミュニケーション能力があることも素養の一つです。
児童館支援員になるために必要とされる資格や学歴はありません。高校や専門学校、短大、大学を卒業後、児童館を運営する団体や企業に就職するのが一般的です。ただし、任用資格(採用後に初めて有資格者としての効力が発生する資格)として都道府県の認定する「放課後児童支援員」もあり、主に子ども40人につき2名以上の認定者を配置することが定められています。この任用資格の要件は、保育士・社会福祉士・教員免許などの有資格者、大学で社会福祉学など一定の課程を履修した人、5年以上(高卒以上相当の学歴者は2年以上)の関連実務経験者などがあり、就職後に取得を目指すことも可能。都道府県が実施する「放課後児童支援員認定資格研修」を受講・修了することで資格を取得できます。
近年は女性の社会進出や共働き家庭の核家族化が進んでいます。一方、子どもが保育園から小学校に上がる際、保護者が仕事を辞めたり、勤務時間を短くしたりするなど、就労体系を変えざるを得なくなる「小1の壁」といった社会問題が話題です。こうした状況から、政府は児童館を中心とする学童保育で受け入れられる子どもの人数を増やすことを目標の一つとして掲げています。また、「民間の学童保育」も少しずつ増えているようです。今後、安心して子どもを預けられる児童館支援員の仕事はますます重要になり、活躍の場も多彩になっていくでしょう。