笠井 雅貴さん
インタビュー公開日:2021.03.18

楽曲制作への関心が引き金に。
高校時代から夢はプログラマー。
「中高時代はいつもパソコンが身近にある感じ。プログラマーには“なるべくしてなった”ような気がしますね」といって笑うのは笠井雅貴さん。札幌マチナカのビルにオフィスを構えるIT企業のプログラマーです。
「特に夢中になったのは楽曲制作。高校時代には簡単な作曲システムも開発していました。この分野を極めたいと考え、音楽情報処理技術を習得できる室蘭工業大学に進学したんです」
残念ながら音楽情報処理の研究室は教授都合で入学直後に閉鎖。笠井さんは大学院に進むも音楽関連の研究ができず消化不良の日々を過ごしたといいます。
「なので卒業後もIT業界に進む気になれず、しばらく地元でのんびりアルバイトしていたんです(笑)」
大切なのは企業の規模ではなく
誰と、どんな仕事をするのか。
気楽とは言えバイト生活は何かと不安定。そろそろ正社員就職をと考えた笠井さんが就活支援サイトで出会ったのが、アイケイシステムズという会社。飲食店支援を目的としたwebシステム開発などを手がける技術者集団でしたが、社員数はわずか3名。
「就活をする中で大切にしたのは、どんな仕事をするか、そして誰と働くか。確かに小さな会社でしたが、システム開発へのこだわりは高く、何より札幌の飲食業界を盛り上げたいという熱意が社長やスタッフからビシビシ伝わってきたんです。この仲間の一員になりたい、即座にそう思いました」
入社して7年。その間、様々な開発プロジェクトや制作チームに参加してきた笠井さんですが、「どんな仕事をするか、誰と働くか」を大切にする思いは、入社時と全く変わらないといいます。
少人数の会社だからこそ
大きなやりがいがある。
少人数の会社の「良さ」は他にもあるというのが笠井さんの持論。
「大きな企業のプログラマーは、巨大なシステムの一部を担当することが多いんです。場合によっては業務の全体像もわからないまま、指示された範囲のプログラミングに打ち込むというケースも。それではいくら素晴らしいシステムが完成しても手応えややりがいは感じられないですよね。その点うちは少数精鋭スタイルなので企画や設計段階から開発、さらに納品まですべての工程に関わることができます。お客様との打ち合わせもプログラマー自身が担当するので、お褒めの言葉や感謝の声を耳にする機会もあります。反対に『もっと使いやすくできない?』なんてハッパをかけられることもあったりしますけどね(笑)」
クライアントを深く理解する、
それが最適なシステムを作る条件。
現在開発しているのは市内の総合病院の勤怠管理システム。実は笠井さんは勤怠管理システム作成のオーソリティ。心血を注いだオリジナルのベースプログラムは構築済みで、それを活用しながら企業ごとにカスタマイズしているのだとか。
「たかが勤怠管理、されど勤怠管理。そのシステムの作成の過程で社員や職員の出退勤の状況はもちろん、職場環境や働きやすさの度合い、福利厚生や制度の活用の様子なども浮かび上がってきます。お客様企業に最適なシステムを提供するということは、その企業の実情や課題、ビジョンなどを深く理解するということでもあるんです」
IT企業と言っても多種多様、
しっかり見極めて就職を。
笠井さんが所属する会社にはデザイナーやコピーライターも在籍しています。
「センスあふれるホームページを作るにしても、自分たちが制作したアプリをPRする上でも、飲食店応援サイトでお店の紹介をする上でも、“見たくなるようなレイアウトを考える”とか“心に響くコピーや伝わりやすい文章を書く”というプロの技術が不可欠。弊社が制作したwebサイトやアプリが個性的でおしゃれと言われるのは、我々とクリエーターが絶妙なタッグを組んでいるからなんです」
なるほど。デザイナーとプログラマーが真剣な表情でミーティングしているなど、職場はどこか編集プロダクションのよう。
「同じIT企業でもプログラミング専門、映像に特化した企業、アプリ開発やゲーム作成が得意な会社、弊社のようなクリエイティブ重視の組織などなど多種多様。この業界を目指す学生さんは、意中の会社がどのジャンルのどんな仕事に取り組んでいるか、しっかり調べたほうがいいと思いますね」
シゴトのフカボリ
みなさんへ伝えたいこと

仕事をする上でいちばん障害になるのは自分自身の「先入観」。思い込みやなんとなくのイメージで、尻込みをしたり挑戦しないのはもったいない。いつもクリアで素直な自分でいよう!

シゴトのフカボリ
拝見!オシゴトの道具
My Blue Goods!
学生時代にたまたま青い文房具を買ってから、縁起かつぎのようにスマホや名刺入れ、時計に至るまで身の回りのものは全て青一色なのです。

株式会社アイケイシステムズ

デザイナーやライターも在籍。アプリやウェブ開発の他フリーペーパーも発行。つくる楽しさ、伝える喜びを全員で共有するクリエイティブ系IT企業。

住所
北海道札幌市中央区南2条西7丁目5-6 第3サントービル5F
TEL
011-222-8872
URL
https://www.ik-systems.net/

お仕事データ

システムやソフトをつくる!
プログラマー
プログラマーとは
プログラミング言語を使い、
コンピューターを動かす専門家。

プログラムは、主にSE(システムエンジニア)がクライアントの要望を分析して仕様書を設計するところがスタート地点。プログラマーは、それをもとにコンピューターを動かす「プログラム言語」を駆使し、仕事をさせたい内容や手順を書いてさまざまなシステムやソフトウェアをつくります。プログラムは銀行のシステムやショッピングサイト、家電製品や自動車、スマートフォンのアプリなど、活用の場は多種多彩です。また、プログラマーは、納品前にテストを繰り返し、不具合を修正する「デバッグ」の作業も行います。

プログラマーに向いてる人って?
黙々と作業をこなせる集中力と、
新しいことに挑戦する気持ちが大切。

プログラマーは基本的に一人でプログラムを書く仕事。仕事中は黙々と作業をこなすような集中力の高さが求められます。とはいえ、SEやマネージャーと相談することも数多く、人とコミュニケーションを取る機会も少なくありません。また、適切に動作するプログラムを組むには論理的思考能力も欠かせないでしょう。同じことを繰り返す時に「自動化する方法はないか」と考えるような、新しいことに挑戦する気持ちも大切です。

プログラマーになるためには

プログラマーに必要な資格はなく、絶対に卒業しなければならない学部や学科もありません。ただし、プログラミング言語やコンピューターの仕組み、ネットワークシステムといった知識を学んでおくと就職時に役立ちます。IT系の専門学校や短大・大学の情報処理系の学部に進む人も少なくありません。プログラマーは理系が有利だと思われがちですが、文系出身者や未経験者も数多く活躍しています。

ワンポイントアドバイス
プログラミング言語って?

プログラマーにとって最も大切なのがプログラミング言語。コンピューターを動かすための指示を順番通りに書いたもので、それを翻訳させることでソフトウェアやシステムがつくられていきます。Web系やゲーム系、制御系といったジャンルによって必要とされる言語は異なり、種類も「Java(ジャバ)」や「PHP(ピーエイチピー)」、「Objective-C(オブジェクティブシー)」、「JavaScript(ジャバスクリプト)」など多彩です。複数の言語を扱えるようになれば仕事の幅も広がり、ニーズや信頼も高まってきます。

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