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櫻元 大稀さん
インタビュー公開日:2023.07.13

思った通りにゲームが動作する
醍醐味に魅了されました。
株式会社ハ・ン・ドは、札幌でも指折りの規模を誇るゲームデベロッパー(ゲームを実際に開発する会社)。有名メーカーのビッグタイトルも数多く手がけ、時に海外版として世界でプレイされるゲームも開発しています。今回お話を伺ったのは、プログラマーとして活躍する櫻元大稀さん。入社から3年目の若手ホープです。
「自宅にファミコンをはじめとするレトロゲーム機があり、ソフトも30〜40本ほど揃っていました。兄の影響を受け、僕も幼稚園のころからいろんなゲームで遊ぶようになったんです」
進学先を決めたのは高校2年生の春。ゲームが好きであれば、開発する側に回るのも楽しいだろうと、HCS北海道情報専門学校のオープンキャンパスに参加しました。
「オープンキャンパスでは、先輩と一緒に簡単なゲームづくりの体験にトライ。サンプル通りにプログラムするだけではありましたが、思っていたように動作する様子を見た瞬間、『ココに進学しよう』と決意が固まりました」
インターンの経験を通じ、
自分に合う会社だと確信!
櫻元さんは専門学校でUnity(ゲームエンジン)やプログラミング言語の基礎を学び、学生チームとして東京ゲームショウにも作品を提出するなど意欲的にゲーム開発を続けました。学生時代には、業界の合同インターンにも参加したと振り返ります。
「インターンのプログラムとして、他校の学生と合同でお題に対してゲームを開発する課題に取り組みました。僕は、普段から校内では仲間とともに『どうしたらもっと面白くなるか』『限られた時間の中でどこまでできるか』と議論しながら開発を進めるタイプ。ただ、企業によってはクセが強いと映りかねないため、評価されるかどうかは未知数でした」
櫻元さんはインターンでハ・ン・ドのスタッフにも好印象を抱いたため、就職活動の際にハ・ン・ドにポートフォリオを提出。面接も無事に合格し、内定を得ることができました。
「僕のスタイルを見た上で、内定をいただけたということは、自分を隠さずに働けるということ。この会社は自分に合うと確信しました」
研修ではプロ視点の
フィードバックに目からウロコ!
櫻元さんは2021年4月に新卒としてハ・ン・ドに入社。まずは実際のプロジェクトを参考にしながら、架空のゲームを開発する研修を受けました。
「研修は大きな課題に対して自分でゲームを作り、先輩からフィードバックをいただくスタイル。専門学校生時代も僕の書いたソースコードを添削してもらった経験はありますが、ゲームとして面白いかどうか、実務のプログラムとして成り立っているかどうか、それまで気づいていなかったプロ視点からのアドバイスは目からウロコで実に参考になりました」
入社後3カ月程度で櫻元さんは小さなプロジェクトに参画。当初は複数のミニゲームのうち、いくつかを担当したと振り返ります。
「実際の業務に携わってからも、先輩が隣で陰ながら見守ってくれていましたし、困ったことは何でも聞ける雰囲気。周囲の助けで安心して働けるのもハ・ン・ドの魅力の一つだと思います」
プログラムを突き詰めるのは、
大変だからこそ面白い!
現在、櫻元さんは入社から数えて5作品目のゲームプログラムに関わっています。一般にプログラミングというと難しそうに思いますが、「コードを書くこと自体に大変さは感じないですね」と意外な感想を漏らします。
「ごくごく簡単にいえば、プログラムはこちらの指示通りに動かすためのツールです。ただ、一般的なシステムとは異なり、ゲームの場合には正解がありません。プレイをより面白くするために、ユーザーがより違和感を抱かない動きにするために、プログラムを突き詰めていくことが大変。だからこそ、思い描いていた動作を導けると楽しいんです」
ハ・ン・ドはゲームのディレクターやプランナー、デザイナーとともにチームで開発を進めるのが特徴。時には自分が面白いと思うアイデアと真逆の意見が飛び出したり、ゲームに慣れていない人の視点も取り入れるべきだと議論したりすることもあるそうです。
「だけど、こうして議論しながら、より良いゲームを作ることこそ、チームで開発することの意義だと思います」
海外サイトをチェックし、
世界で遊ばれていることも実感。
ハ・ン・ドは札幌市内でも会社の規模が大きく、多種多彩なゲーム開発実績を持っているからこそ有名ゲームメーカーのシゴトも数多く舞い込みます。
「やはり大きなタイトルの開発にメインの担当として携われるのが会社の魅力。ゲームが売り出されるシーンを目の当たりにしたり、クレジットに自分の名前が流れてくるのを見たりすると、テンションが上がります。親もハード自体を持っていないのに、僕の携わったゲームソフトを買おうとしますから(笑)」
ここ最近、ハ・ン・ドでは海外展開を見据えたゲーム開発を進めるケースが増えているのだとか。櫻元さんは英語で書かれたゲームの紹介サイトをチェックし、「本当に世界でプレイされているんだ」と実感することもあると満面の笑みを見せます。
「今後は自分が先輩方から教えてもらったように、リーダーやチーフになって後輩の育成にも力を入れたいです。何でも相談できる先輩として、困りごとを解決に導けるように教えていきたいと思っています」
シゴトのフカボリ
みなさんへ伝えたいこと

いくらキレイなプログラムを書けたとしても、ゲームは結果として「面白くてナンボ」。この気持ちを忘れずに、面白いゲームを作り続けたいと思っています。ジャンルやタイトルに偏りなく、多くのゲームで遊ぶことも、「楽しくプレイできる感覚」を磨くのに大切です。

株式会社ハ・ン・ド

札幌を本社に東京と名古屋にも拠点を構える道内トップクラスの規模のデベロッパー。社内にディレクター、プランナー、CGデザイナー、プログラマーを抱え、企画段階からチーム体制でゲームを開発できるのが強み。開発実績はビッグタイトルも多く、中には海外版として世界に飛び出していく作品も。

住所
北海道札幌市中央区北1条西3丁目2番地 井門札幌ビル 6F
TEL
011-200-0264
URL
http://www.hand.co.jp/

お仕事データ

楽しい「時間」を創る
ゲームクリエイター
ゲームクリエイターとは
企画からシナリオ、キャラ制作まで
ゲームづくりに携わる人の総称。

現在のゲームはグラフィックも動作も高度なため、さまざまな分野のエキスパートが共同で作り上げるのが主流です。具体的な分類はプロデューサー(予算やメンバー管理)、ディレクター(制作の進行確認・指示)、プランナー(企画・立案)、シナリオライター(ストーリーやセリフの考案)などの企画職と、プログラマー(プログラミング)、グラフィックデザイナー(登場人物や背景を制作)、サウンドクリエイター(ゲーム内音楽を制作)などの制作陣。こうしたユーザーの目に見える部分を生み出す職種は「クライアントサイド」と呼ばれる一方、多くのアクセスがあってもゲームを安定的に動作させたり、プログラムが動く環境自体を作ったりする「サーバーサイド」という分野に携わるエンジニアもいます。一般的にはこれらゲームを生み出す人たちの総称をゲームクリエイターと呼びます。

ゲームクリエイターに向いてる人って?
ふだんから自分の感性を磨き、
仲間と協力して物事を進められる人。

新しいゲームを手がけるには、ヒット作につながるアイデアや発想が大切。アートにふれたり、流行に興味を持ったり、ふだんから感性を磨くことが好きな人は向いているでしょう。また、ゲーム制作の現場はチームで仕事を進めるのが基本。仲間と一緒に物事を完成させるような協調性も必要です。また、場合によっては何年もかけて一つの作品を作り上げることもあるので、9時~17時の勤務時間というよりは働き方が不規則になりがち。そのためスタミナや根気も求められます。

ゲームクリエイターになるためには

ゲームクリエイターに資格が求められるケースはほとんどありません。ゲームメーカーやゲーム開発会社に就職してキャリアをスタートするのが一般的です。プログラマーやグラフィックデザイナーといった開発陣を目指す場合は、ゲーム制作に関連する専門学校・短大・大学で知識やスキルを身につけると良いでしょう。プロデューサーやプランナーなどの企画職は大卒以上の学歴を求められることが多いようです。また、独学からゲームクリエイターを目指すこともできます。

ワンポイントアドバイス
一流クリエイターへのチャンスは誰にでも!

ゲームクリエイターの中にはゲームメーカーで実績を積んでヒット作を生み出した人もいれば、大手企業から独立して今や名の知れた開発会社を設立した人もいます。さらに、最初は独学でコツコツとゲームの制作を始め、コンテストへの入賞をきっかけに業界に進出して大ヒットタイトルを手がけたクリエイターも。面白いゲームを作る力さえ持っていれば、誰にでも一流になれるチャンスがあるところもポイントです。