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藤澤 斗夢さん
インタビュー公開日:2024.10.09

人の仕事を効率化する未来のツール、
ドローンに可能性を感じて専門の道へ。
測量や農作業の現場など、ドローンを見かける場面が多くなりました。藤澤斗夢さんが勤めるHELICAM株式会社は、国内でもまだ珍しいドローン専門の会社です。
藤澤さんは高校時代に将来を考え、AIやITの分野が発展すると感じ、専門学校に進学。「中でもドローンは、単純に楽しそうということと、これまで人が行ってきた仕事の効率が上がるため今後広がってくると思い、2年生から専攻して学び始めました」
学校ではドローンを飛ばすトレーニングやメンテナンス方法を学び、仕事で活用しているところも見学して生の現場を体感。そして、ドローンを飛ばせる場所や必要な手続きなどを細かく規定した航空法も学びました。
そんな中、HELICAMの先輩が外部講師として学校に来た際に話を聞き、会社に興味を持った藤澤さん。学生時代にインターンとして仕事を体験し、その後、面接を経て無事に就職。夢だったドローン専門の仕事に就くことができました。
社会のニーズに応じて
ドローンの販売や講習を実施。
ドローンは現在、空撮の他、物を運ぶ、農薬を散布するなど様々な用途に使われており、HELICAMも幅広い業務に対応しています。
藤澤さんが担う仕事は、主に3つ。ドローンの販売、企業や個人への講習、そして測量や農業などの現場での操縦です。中でも、藤澤さんが担当することが多いのが、「講習の講師」ドローンを飛ばすには自動車などと違って免許は必要ありませんが、先ほど述べた航空法をしっかり守りながら必要な用途に合わせた操縦をするために、座学やトレーニングを行います。背景も目的も違う受講者に合わせて、臨機応変に教えています。
「講師をする時は、専門用語をなるべく使わず、一般の方にも伝わるように話すよう心掛けています。初心者の方や機械が苦手な方もいるので、その時は特に丁寧にお伝えします。受講後に『分かりやすかった』と言っていただけたり、受講者の方のフライトが上達しているところを見るとうれしくなりますね」
ドローン作業の現場では
素早い対応やチームワークも大切。
2022年から、ドローン操縦者に国家資格が設けられました。藤澤さんも「一等無人航空機操縦士」と、講習や認定を行える「一等無人航空機操縦士修了審査員」の資格を取得しました。
今、現場でドローンの重要性が特に高まっているのが農業です。藤澤さんたちが農薬散布の現場にも足を運ぶことも多いといいます。「畑では機体をしっかり見ていないと木の枝に引っかかって畑に落ちる危険性があるので、注意深く作業します。また、20〜30haの広い畑に散布することもあり、時間内に全てを終わらせるために、先輩と一緒にバッテリー交換や農薬の補充などを効率よくこなさなければいけません」
現場ではチームワークが必要とされますが、社内の人間関係が良く協力して仕事ができるところも会社の魅力だといいます。「先輩たちは、現場での経験や知識が豊富で、アクシデントが起こっても素早く対応しています。僕ももっと経験を積んで、現場のメイン担当として動けるようになりたいと思っています」
技術の進歩や法律の改正に対応し
常に学んで新しいことを吸収。
HELICAMで使っているドローンは、中国のDJIというメーカーのもの。世界中のシェアの7割を占めるほどで、技術の高さでは他のメーカーが追いつけないと藤澤さん。新しいドローンの機種が発売される時は、日本の代理店で勉強会が開かれ、藤澤さんも埼玉県に出向いて勉強会に参加するなど熱心に変化を追っています。
最近、会社で導入した機種は完全自動操縦で、箱が開いてドローンが飛んでいき、戻ってきたら箱に入って閉まるというもの。遠隔操作ができるため、測量などの場面のほか、災害時の人の捜索など可能性が広がります。
新しい機械を導入したら、機体やソフトの操作方法を覚えなければなりません。また、航空法が改正された時はその都度対応する必要があります。そのため、この仕事は常に学び続けることが必要だといいます。「それでも、最新の技術に触れられるのはやはり楽しい」と藤澤さん。新しいことへの好奇心が、頑張る原動力になっているようです。
今後は技術や用途を発展させ、
さらにドローンが役立つ未来へ。
そのほか、ドローンが最もよく使われる場面は、やはり空撮です。特に北海道は景色が美しい場所が多く、観光のプロモーションなどで撮影をする機会も多いそう。「以前撮影した積丹は、海の青さがきれいで広大な景色が印象的でした」
今後これ以上進化することはないのでは?と思うほど、技術が発展しているというドローンの世界。それでも、「箱からドローンが出てくる」など以前は考えもしなかったような機材がどんどん開発されているので、これからも新しい技術が登場するだろうと藤澤さん。今後の展望としては、自身がさらに技術を身に付けて活躍すると共に、「仕事の効率化などたくさんの可能性を持つドローンがもっと社会に広まって活用されていくと良いと思います。先ほどお話しした箱から出てくるドローンは遠隔操作ができるため、災害時の人命救助などに役立てていきたいですね」
今後のドローンの発展と共に、社会に役立てていく未来に向かって、藤澤さんの瞳が輝いていました。
シゴトのフカボリ
ドローンパイロットの一日
8:00
出勤、移動
9:30
江別市の講習場所に到着
座学講習(航空法、ドローンの基礎知識について)
12:00
昼休憩
13:00
実技講習(フライトトレーニング)
16:00
講習終了
17:00
会社に到着、退勤
※講習がある日の1日

シゴトのフカボリ
拝見!オシゴトの道具

藤澤さんの「愛機」Matrice30T
現場でよく使うドローンです。雨や雪に強く、赤外線センサーが付いておりズームが効くので、災害時の捜索や建設業の点検、防犯用にと幅広く活用できます。
シゴトのフカボリ
みなさんへ伝えたいこと

お客様からいただいた仕事に対し、信頼される働きができるように常に意識しています。仕事以外でも同じように、人からの信頼を得ることを大切にしています。

HELICAM株式会社

企業や個人にドローンシステムの導入を支援するため、豊富な機材と知識、経験により機体の選定から理論・実技講習までサポートを行っています。

住所
北海道札幌市北区新川1条5丁目3-1
TEL
011-200-9785
URL
https://www.helicam.jp

お仕事データ

未来を開く空の技術者!
ドローンパイロット
ドローンパイロットとは
「飛ばす」「撮影する」
「データを収集する」の専門家。

ドローンを操縦して空撮や測量、点検作業などを行う専門家。建設現場の進捗確認、農地の生育状況チェック、災害時の被害状況調査など、地上からでは難しい作業を空から効率的に行います。高度な操縦技術はもちろん、撮影技術やデータ解析などを駆使。ドローンの活用範囲は拡大しており、例えば、物流分野では配送業務など新たなサービスを視野に入れています。2022年12月に施行された改正航空法により、無人航空機操縦者技能証明制度が開始され、より高度な飛行にも対応可能となりました。新たな視点から課題解決や価値創造に貢献するのがドローンパイロットの仕事です。

ドローンパイロットに向いてる人って?
冷静沈着で細心の注意を払いつつ、
新たな価値を生み出す豊かな発想ができる人。

ドローンパイロットは高価な機器を扱い、時に危険を伴う作業を行うため、冷静さと細心の注意力が不可欠です。同時に、クライアントのニーズを理解し、空からの新しい視点で価値を生み出す創造力も求められます。技術の進歩が速い分野のため、常に学び続ける姿勢も大切。また、撮影データの加工や報告書作成なども行うため、PCスキルも必要です。チームで作業することも多いので、コミュニケーション能力も重要なスキルの一つです。

ドローンパイロットになるためには

ドローンパイロットとして働くためには、まず民間の教習所や専門学校などで基本的な操縦技術と知識を習得します。さらに、用途に応じて写真測量技士や測量士、電気工事士などの資格があると有利です。より高度な飛行を行うには、無人航空機操縦者技能証明(国家ライセンス)の取得が必要になる場合もあります。大学や専門学校でドローン技術を学ぶコースもありますが、他分野からの転職組も多いのが特徴。実際の現場経験を積むことが重要で、建設会社や測量会社、空撮会社などに就職したり、フリーランスとして活動したりするのが一般的です。また、ドローンの販売、メンテナンスやインストラクターとして働く専門の会社もあります。

ワンポイントアドバイス
活躍の場は多岐にわたり、
専門性を活かせるのも魅力!

ドローンパイロットの活躍の場は実に多様です。建設、農業、防災、環境調査、エンターテインメントなど、様々な分野でニーズが高まっています。無人航空機操縦者技能証明制度の開始により、今後はより高度な飛行も可能となり、新たな事業が生まれることが期待されます。「都市開発に貢献したい」「農業の効率化をサポートしたい」「美しい映像で感動を届けたい」など、自分の興味や専門性を活かせる分野を選べるのも魅力です。また、技術革新が進む分野だけに、新しいサービスや活用法を自ら開発していくチャンスも多いでしょう。