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インフラメンテナンススタッフ_津田 秀斗さん
インタビュー公開日:2025.05.09

暮らしの「当たり前」を守る
機械やサービスを提供。
私たちが暮らす日本では、頻繁に停電になったり、水道が出なくなることは、まずありません。鉄道などの公共交通も海外の人が驚くほどの正確さで運行しています。
そんな私たちにとっての「いつも」を支えているのが、日立パワーソリューションズという会社です。日立グループが培ってきた技術力を生かし、電力会社や鉄道会社、ものづくりの工場などで使われる機械や装置、サービスなどを提供しています。
その中で岩見沢工場は大型の発電機や発動機(モーター)の点検・整備に特化した重要拠点です。北海道内で使われる機械類はもとより、首都圏を走る地下鉄のモーターもこの工場で整備。止まることが許されない社会インフラの安定稼働に貢献しています。
勉強はとにかく苦手・・・。
“記念受験”でまさかの採用!?
今回お話を伺ったのは、岩見沢工場で様々な機器のメンテナンスに携わる津田秀斗さん。札幌工業高校で学び、卒業と同時に就職。聞けば工業高校に進んだ特別な理由はなく、「机に向かう勉強から開放されると思った(笑)」と笑顔を見せます。
「電気科を選んだのもたまたまなんですが、そのおかげで授業を通じてインフラを支える仕事や風力発電に興味がわきました。高校に届いた求人票に『日立』の文字を見つけ、ネームバリューに惹かれて応募したんですが、正直、自分でも“記念受験”みたいな気持ちでした。先生からも『そんな成績じゃ(就職は)難しい』と言われてたので、採用されたときは“運が良かった”って感じでしたね(笑)」
インフラを支え国内外で活躍。
地元への思いが募り岩見沢工場へ。
津田さんが入社した当時は、本社配属が慣例だったそう。
「茨城県日立市にある本社の品質保証を行う部署に配属になり、発電所で使われている蒸気タービンの検査業務を担当していました。検査は納品前の新品もあれば、納品後の定期メンテナンスもあります。特に本社時代の後半は日本国内はもちろん、海外を含めて各地の発電所を訪れる日々でした」
韓国、ドイツ、オランダ、パキスタン、マレーシア…長いと3カ月近く現地滞在することもあり、1年の3分の2は出張だったと振り返る津田さん。国内外で多様な経験ができるのは楽しく、仕事にもやりがいを感じていました。
一方で、年齢を重ねるにつれて、地元である北海道に戻りたいという思いも強まります。2020年、希望が叶って岩見沢工場に異動になり、現在の業務に携わるようになりました。
分解、整備しながら仕組みを
明らかにするリバースエンジニアリング!
検査業務には長く携わっていたものの、発電機やモーターの整備は未経験。岩見沢工場で働くようになった津田さんは、周囲のサポートを受け一から知識と技術を学んでいきました。
「作業は基本的に3〜4人のチームで行い、モーターの分解や組み立てをします。常に仲間と相談しながらの作業です。わからないことがあってもベテラン社員が相談に乗ってくれますし、経験からのアドバイスももらえます。
工場ではリバースエンジニアリングという手法も用います。リバースエンジニアリングとは、通常、図面をもとに機器を分解したり整備したりするのとは逆に、機器を分解、整備しながら、その仕組みや設計を明らかにしていくこと。図面もない古い機械や海外製の装置を自分たちの手で蘇らせるのは、この仕事ならではの醍醐味といえますね。
以前携わっていた品質保証は営業的な要素を含み、対人対応も多くありました。一方、今はものづくり的で黙々と打ち込めるのが魅力。プロっぽくてかっこいいですよね?」
「また頑張ってこいよ」
言葉に込めたプロの想い。
発電所や水道施設、鉄道で使われる機械類の中には、故障やトラブルを未然に防ぐため、定期的なメンテナンスが必要なものが少なくありません。岩見沢工場でしっかりと整備されたモーターが社会インフラとして活躍し、数年後、再び工場に戻ってくる。そのサイクルを津田さんたちは『帰って来る』と表現します。
「意識することは少ないですが、自分たちが整備した機械に愛着があるんだと思います。人々の暮らしを支えるために休まず動き続けた機械が、あちこちすり減ったり、傷ついたりしてここに帰って来る。それをまた、元通りピカピカに整備して送り出すのが自分たちの役割です。『また頑張ってこいよ』って」
津田さんの言葉からは、仕事にかけるプロとしての想いが伝わってきます。
また、日立パワーソリューションズは日立グループならではの好待遇と充実した福利厚生も魅力だそう。
「先日、子どもが生まれたんですが、当たり前のように育児休暇を取らせてもらいました。休日も多く、残業は少なめ。イマドキの働き方ができるのもこうした職場だからだと思っています」
シゴトのフカボリ
インフラメンテナンススタッフの一日
8:50
出勤、体操、朝礼
9:00
現場対応(ポンプ場で試運転の立会)
11:30
移動・帰社
12:15
昼休憩
13:00
工場内作業(モーターの分解作業等)
15:00
午後休憩
15:10
作業再開
17:20
退勤

シゴトのフカボリ
みなさんへ伝えたいこと

社会インフラからものづくりの工場まで、モーター(発動機)は私たちの暮らしのいたるところにあります。その「動き」を支えることは、社会を支えることに繋がっています。

株式会社日立パワーソリューションズ 岩見沢工場

日立グループが培ってきた技術力で、エネルギーの安定供給や、社会インフラの安定稼働に貢献。岩見沢工場は大型発動機(モーター)や発電機のメンテナンスに特化し、北海道の電力会社やガス会社、工場などで使われる機器の整備を担う。

住所
北海道岩見沢市3条東11-1
TEL
0126-22-3520
URL
https://www.hitachi-power-solutions.com/

お仕事データ

機械を使った暮らしと産業を守る
機械設備メンテナンススタッフ
機械設備メンテナンススタッフとは
機械設備の安定稼働を支え
暮らしとビジネスの安心を守る。

住まいや店舗、工場、一次産業などで使われるさまざまな機械設備について、設置や修理、メンテナンスを行う仕事です。機械設備が壊れると「生活が不便」「営業ができない」など影響が大きくなるため、故障が発生した時にはスピーディーに対処したり、定期的なメンテナンスでトラブルを未然に防いだりするのが主な仕事です。現地での対応が難しい場合は一度製品を回収し、工場などで修理を行うこともあります。
機械の老朽化など、修理が難しいと判断される場合は、新しい機械への買い替え提案なども行います。

機械設備メンテナンススタッフに向いてる人って?
「なぜ?」「どうして?」を
深く掘り下げる探究心がある人。

一口に修理やメンテナンスと言っても、作業内容は多岐にわたります。消耗部品の交換や発生頻度の高いトラブルであれば、マニュアルなどを見ながら対応することが可能ですが、老朽化した機械が故障したり、原因不明の不具合が生じたりした場合は、自身の経験や同僚のアドバイスを頼りにして、自ら問題を解決していかなければなりません。
こうした仕事で大切なのは、表面的な知識を覚えるのではなく、「なぜそうなるのか」「別の場合はどうか」など、物事を追求して理解を深めようとする向上心。日頃からそのように習慣づけることで、さまざまな故障やトラブルに対応できる経験が積み重なっていきます。

機械設備メンテナンススタッフになるためには

機械設備を製造しているメーカーや販売代理店に入社したり、修理・メンテナンスを専門に行う会社に入社することで、この職業に就くことができます。多くの場合、職場の研修やOJTを通じて業務に必要な知識や技術を習得します。
仕事をするために資格は不要ですが、機械設備のメンテナンスに関係する資格として、国家資格の「技術士」、国家検定の「機械保全技能検定」などがあります。

ワンポイントアドバイス
修理メンテのプロになれば
長く活躍することができます。

機械設備には定期的なメンテナンスや修理が欠かせません。どんな機械設備を扱うかは担当する業界によって千差万別ですが、一度身に付けた知識や経験は他の業界の機械設備でも応用できることが多いです。あらゆる機械に精通したプロフェッショナルとなれば、長く活躍していけるでしょう。