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村中 修二さん
インタビュー公開日:2018.03.14

楽しそう!直感を信じて
脇目もふらず司法書士の道へ。
村中さんが、この道に進むと決意をしたのは、大学生のとき。
「講義の中で、司法書士の方のお話を聞く機会があったんです。仕事内容や、生き生きと話されているその先輩の姿から、直感的に『楽しそう!』と思いました。それ以来、司法書士以外の道は一切考えなかったですね」
国家資格である司法書士の試験は年に1度。村中さんは大学卒業後、受験を繰り返しますが、不合格の連続。結局合格するまで6年の歳月を要しました。
「1年目は予備校に通い、その後は独学でしたが、1日十数時間は勉強していました。合格したときは、うれしかったというよりホッとしましたね。ただ同期にはトラックの運転手をしながら2年で合格した人もいるので、自分の勉強の仕方や要領の問題があったのかもしれませんね(苦笑)」
公的書類を作成するエキスパート。
チェックには余念がありません。
司法書士の主な役割は、個人や企業に代わって法律に基づいた書類を作成し、法律上の手続きをすることです。仕事内容として多いのは、不動産登記と法人登記。土地や建物を購入する際などに、書面で所有者を明確にするのが不動産登記で、法人登記は会社の所有者を明らかにします。
「定型の書式の中に必要事項を正確に書き込むというのが仕事の基本です。なので仮に書類に不備があれば、契約などがスムーズに進みません。例えば名前に用いられる漢字の中には、草冠には間が離れている四画の「++」の形などがありますが、このようなささいな部分ひとつでも間違えてしまうと、お客様に迷惑をかけてしまいます。誤字や脱字は許されないので、何度もチェックします」
このほかにも司法書士の仕事として、簡易裁判所での裁判代理・遺言書作成の代行業務や、認知症や障がいのある方に代わって財産の管理等を行う『成年後見人』などがあります。
研修先の事務所でお声がかかり、
そのまま就職、現在に至ります。
村中さんが所属する『寺西広司法書士事務所』は、司法書士3名、事務員1名が在籍し、ホームページを見た方からの問い合わせや、紹介での依頼主の相談等に対応しています。
村中さんはどのような経緯で、現在の事務所の所属に至ったのでしょうか?
「大学卒業後、6年目の7月に司法書士の試験を受け、同年の10月に合格通知を受けます。その後、12月は茨城県のつくば市で、東日本の合格者が集まって研修。その後2カ月ほど、札幌の合格者、当時は33名で、座学をメインとした研修を受けました。3月、4月は配属研修といって、司法書士会が指定する事務所に配属となり実務を行います。その時の配属先が今の事務所だったんです」
配属研修終了後は、紹介で別の事務所に所属する方や、すぐ独立する方も多いそう。村中さんの場合は所長からお声がかかり、研修終了後にも継続して所属することになりました。
依頼主と対面するのは一度だけ。
覚えていてもらえるとうれしいです。
司法書士はミスが許されない責任重大な仕事。法律の改正があれば書類内容にも影響が出るため、学び続ける必要もあります。しかし、大変だと思うことは殆どないと村中さんはいいます。
「基本的な書式が定まっていることに加え、過りやすい所、重点的に確認する所も決まっています。困ったら丁寧に教えてくれる先輩たちがいる環境も大きいですね」
一度依頼を受けた方から、別の案件で電話がかかってきたり、紹介を通じて仕事の領域が広がったりすることが、村中さんにとってのやりがいだとか。
「一つの案件で依頼主の方と対面する場面は一度きりです。例えば不動産登記の場合だと、土地や建物を購入した方が決済をするときだけ。書類の確認や署名捺印頂くなど、わずか1時間ほどの面会時間なんです。けれどその後、『あのときはありがとうございます』などと連絡をもらったりすると本当にうれしいもの。人を支える仕事なんだと実感しますね」
ただこなすだけでなく、
相手の立場に立つことが大切。
司法書士の仕事の多くは、担当者によって結果が大きく変わるようなことはないといいます。「だからといって流れ作業のような対応はしたくありません。しっかりと相手の立場に立ち、例えばできないことがあっても、単に『できません』と断るのではなく、他の提案をするよう心がけています。表情や言葉遣いなども丁寧に、安心して任せて頂けるようにするのが自分の仕事スタイルです」
表舞台に立つよりも、縁の下の力持ちといえる司法書士。
「当たり前のことを、当たり前にやるだけです」優しい口調ながらも力を込めて、そう語ってくれました。
シゴトのフカボリ
みなさんへ伝えたいこと

難易度は高いといわれていますが、チャレンジしてみるのが大切です。あとは私の場合、お客様に「字が汚い」と怒られたことがあるので、字はきれいに書けるようにしておきましょう!

寺西広 司法書士事務所

「お客様にとって最適な手続きを」をポリシーとし、不動産登記・法人登記・相続登記・遺言・借金問題・裁判等、司法書士業務全般を取り扱う。

住所
北海道札幌市北区北9条西4丁目7番地4 エルムビル10階
TEL
011-700-2151
URL
http://office-teranishi.jp/

お仕事データ

私たちの「身近な法律家」
司法書士
司法書士とは
法律に関する書類作成や手続きを代行。
一般市民にとって身近で頼れる存在。

個人や企業の依頼から、法律に関する書類作成や法律上の手続きを代行する仕事。不動産登記や商業登記、裁判所・検察庁・法務局への提出書類の作成、法律相談など業務内容は多彩です。中でも多い依頼が土地や建物の売買に必要な不動産登記。これは司法書士が登記所に手続きすることで初めて法的に認められます。複雑な書類の作成や法律上の手続きは一般市民には難しいため、司法書士は「身近な法律家」として頼られる存在です。

司法書士に向いてる人って?
几帳面で慎重な仕事ぶりが求められ、
常に勉強を欠かさない姿勢も大切。

司法書士の仕事の大半は書類作成や申請代理業務。依頼者の財産や権利に関わることも多いため、几帳面で慎重な作業が求められます。また、司法書士事務所で経験を積んだ後に独立開業する人も少なくないため、自分のスキルで仕事を獲得しようとする向上心のある人も向いているでしょう。新しい法律や法令改正にアンテナを張り、常に勉強を欠かさない努力も大切です。

司法書士になるためには

司法書士になるには、法務省が実施する国家試験に合格しなければなりません。年齢や学歴に関わらず誰にでも受験資格はありますが、高度な専門知識が必要。憲法や民法、商法、刑法だけでなく、不動産登記・商業登記などの知識が求められるため、大卒者でもストレート合格するのは難しいといわれています。この難関を突破するには、大学の法学系学部に進学して法律関係を学ぶのが一般的です。

ワンポイントアドバイス
簡易裁判所の弁護活動や
成年後見人など活躍の場が増加!

司法書士は認定司法書士という資格を取得することで、訴訟額が140万円以下で簡易裁判所の事件であれば弁護士と同じ活動ができます。また、最近では認知症の方をはじめ、判断力が不十分な成年者の生活を守るため、本人の代わりに権利や財産を保護する成年後見制度も拡大。司法書士が選任されるケースも増加傾向にあります。高齢化社会の進展に伴い、身近な法律手続きの専門家である司法書士が活躍する機会も広がる見込みです。