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三島 義広さん
インタビュー公開日:2018.07.11

人間関係への関心から心理を学び、
家裁調査官の道へ。
裁判所の中でも、少年事件や離婚など家庭に関わる事件を扱うのが、家庭裁判所です。
三島義広さんは、札幌家庭裁判所で家裁調査官として勤務しています。
家裁調査官は、非行を起こした少年の処遇を決めたり、家庭内の紛争を解決するために、当事者やその家族と面接をして調査・分析をする専門職です。
三島さんは、高校生の時に部活動の友人関係を通して人間関係に興味を持ち、大学では心理学を専攻。大学で元家裁調査官の外部教授の講義を聞いたことでこの仕事を知りました。
「大学院での実習を通して、家庭環境が要因で困っている人が多いことに触れ、家庭から発生する問題を解決したいと思い、家裁調査官を目指すようになりました」
家裁調査官は対人援助の仕事。
問題解決の方法を共に探ります。
採用試験に合格し、大阪で家裁調査官補として採用され、埼玉県にある研修所での2年間の研修を経て、家裁調査官になりました。
家裁調査官は、全国に転勤があり、最初は札幌に転勤になりました。現在は、少年事件を主に担当しています。
非行を起こしてしまった少年が更生するためにどのような処遇が必要か、その少年がどのような問題を抱えどうすれば立ち直れるかを調査し、その結果を裁判官に報告することが役割です。その後、裁判官が少年の更生にとって最も適切な処分を判断します。
裁判所というと、ちょっとお堅いイメージを抱く人もいるかもしれません。
しかし、家裁調査官は人生の困難な局面を乗り越えるための対人援助をする仕事であり、先輩家裁調査官が柔軟に対応していることが印象的だったと三島さんはいいます。
まずは当事者の話をよく聞くこと。
相手の気持ちを受け止めます。
「事件解決のためには、まずよく話を聞くのが一番大切です。当事者の少年が非行を起こした時の行動や気持ちを細かく聞くことで、どのような問題を抱えていたのかを探ります」
少年事件の場合は、少年だけではなく、その保護者の話を聞くことも重要です。
親の興味を引きたくて問題を繰り返す少年と、指導を諦めてしまった保護者に関わった時は、それぞれ別々に丁寧に話を聞きました。
「それぞれが現状を変えたいという思いを持っていることを確認した上で、現状を変えるためには、相手にどうなってほしいか、自分も少し変えられることがあるとしたらどのようなことができると思うかをそれぞれに聞いていったところ、実はお互いに同じ思いを抱いていたことがわかり、意思疎通を図り関係を変えるきっかけを作ることができました。そんな時が、この仕事にやりがいを感じる時ですね」
相手を思いやり助け合う職場環境。
子育てにも安心して取り組めます。
職場環境の良さにも助けられているといいます。
「北海道に限らずですが、人と深く関わる仕事なので同僚に対しても困っていたら助けようと思う人が多いんです。特に、深刻な事件に関わることが多く、面接が思うように進まなかったり、精神的にも苦しくなることもある仕事ですが、そんな時は先輩や同僚が相談に乗ってくれるのが心強いですね」
また、現在1歳半のお子さんがいる三島さん。出生に合わせて1カ月間の育児休業を取得しました。現在も、仕事を定時で終わらせ、帰宅後はお子さんをお風呂に入れるなど、主体的に育児を行っています。
「子どもが生まれて、自分の生活も変わりましたね。職場がお互いの家庭も大切にできる環境なのがとてもありがたいです。子育ての大変さを経験することが、この仕事にも生かされると思います」
新しい知識や技術は常に勉強。
仕事以外の経験も生かされます。
家庭裁判所は道内に4カ所ありますが、事件に関わる家族や児童福祉施設などを訪問するため、道内各所に出張に行くこともあります。
「赴任して初めて北海道に住み、その距離感にとても驚きました。やはり北海道は広いですね!」
家庭裁判所で扱う事件は、世の中の情勢なども大きく影響するので、常に新しい法律知識や面接技法を学び続けているといいます。内部でも年数回の研修が行われるほか、研修所での集合研修には家裁調査官が交代で参加します。
「人と接する仕事なので、学生時代の部活動やアルバイト、採用されてからも趣味や子育てなど、何でも仕事に生かされると思います。
今後も、さまざまな経験を積んで仕事の質を高めていきたいと思います」
シゴトのフカボリ
家裁調査官の一日
8:30
出勤、始業
9:00
少年鑑別所へ出張
鑑別所で少年と面接を行った後、鑑別所技官とカンファレンス
12:15
帰庁、昼休み
同僚と雑談をしながら、お弁当を食べる
13:00
裁判官、書記官とカンファレンス
少年事件の進行方針について打合せ
13:30
少年審判に出席
15:00
面接を行った事件の報告書作成、研修の準備など
17:00
終業、翌日のスケジュールの確認
帰宅後、子どもと一緒に入浴する
シゴトのフカボリ
みなさんへ伝えたいこと

学生時代の勉強や部活動、アルバイト、そして遊びも、何でも経験として生かせる仕事です。学生の皆さんに家裁調査官の仕事について知り、興味を持ってもらえたらと思います。

札幌家庭裁判所

石狩・胆振・日高地方全てと空知・後志地方の一部を管轄し、札幌の本庁と、7支部3出張所を有する家庭裁判所です。学生向けのインターンシップも定期的に行っています。

住所
北海道札幌市中央区大通西12丁目
TEL
011-221-7281
URL
http://www.courts.go.jp/sapporo/

お仕事データ

家族・人・社会の架け橋
家裁調査官
家裁調査官とは
家庭や非行の問題に取り組む!

家庭裁判所に配属され、裁判官の指示を受けて少年事件や家事事件について調査・報告を行います。少年事件の場合は、なぜ非行を起こし、どのような環境で育てられてきたのかなどを少年や保護者と一緒に考えることが必要。調査では、少年や保護者と面接し、言葉での表現が苦手な少年を理解するために心理テストをしたり、家庭や学校などを訪問したりします。家事事件では、主に離婚や親族間の紛争解決に向け、当事者や子ども、関係者と面接し、気持ちを受け止めながら具体的な事実を聴取。その結果を基に、報告書を作成します。

家裁調査官に向いてる人って?
重要な職責を担う自覚と、
人間的な温かさが求められる!

家裁調査官は、離婚や親権者の変更といった家庭で起こる紛争事件、少年の非行などを調査して報告書を作成します。その結果は審判や調停を行う上で重要な資料に。そのため、家族や少年の人生を左右する重要な職責を担っているという自覚を持つことが必要です。また、難しい年ごろの少年や家庭の問題を扱うため、人間的な温かさや気配りも求められます。

家裁調査官になるためには

家裁調査官は国家公務員。裁判所職員採用試験の総合職試験(家庭裁判所調査官補、院卒者区分、大卒程度区分)に合格し、家裁調査官補として採用されることが必要です。採用後は、約2年間の研修を経て、家裁調査官に任命されます。試験科目に心理学や社会学、教育学、法律学があるため、それらを学べる学部の出身者が多いようですが、採用後に充実した研修を受けられることから理系学部などの出身者もいますので、多種多様な知識を持った人が目指す職種と言えるでしょう。
 
※詳しくは裁判所のホームページをご確認ください。
http://www.courts.go.jp/saiyo/index2.html

ワンポイントアドバイス
複雑な事件やトラブルが増え、
家裁調査官の役割は重要に。

ここ最近では、少年による重大事件やインターネット社会が引き起こすトラブルなどが大きな社会問題となっています。さらに、非行を起こした少年だけではなく、保護者への対応や被害者を巡る人権などにも関心が高まっています。離婚に伴う子どもの親権を巡る問題や児童虐待など、家庭裁判所には絶え間なく新規の案件が持ち込まれ、内容も複雑かつ困難なものに。こうした環境の変化が起こる中で、家裁調査官の果たす役割はますます重要になっています。

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