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桂 茂憲さん
インタビュー公開日:2018.07.11

公務員の中でも裁判所に関心。
さらに試験を受けて書記官に!
裁判所書記官は、裁判での手続に関わる書類を作成したり、裁判を進めるために関係者との連絡調整をしたり、法令等の調査など裁判官の補助を行う仕事です。
桂茂憲さんは、高校を卒業した時に裁判所事務官として採用されました。
もともと公務員を希望していた桂さんは、さまざまな職種を調べていくうちに、裁判所の仕事が目に留まったといいます。
「まず単純にテレビなどで見た印象でかっこいいなと思いました。さらに調べるうちに、裁判所でもさまざまな職種の人が働いていることを知り、事務官の採用試験を受けました」
事務官として約10年働く中で、裁判の手続に独自の権限を持ち、仕事の幅も広い書記官を目指したいと思うようになり、書記官になるための試験を受験。合格し、研修を経て書記官として新たなスタートを切りました。
人の人生に関わる重大な仕事。
知識は上司のサポートで習得。
高卒の事務官の試験は法律の科目がない一般的な公務員試験と同じだったため、採用された当初は法律の知識はなかったという桂さん。
仕事に必要な法律知識は、職場で上司や先輩職員が丁寧に指導してくれた上で経験を積むことができたため、困ることはなく仕事を覚えられたといいます。
その知識と経験が、現在の書記官としての仕事にも生かされています。
書記官となった当初は、地方裁判所で民事事件を担当。
裁判に立ち会って法廷で行われた手続を証明する「調書」を作成するだけでなく、例えば交通事故なら病院などから、証拠として必要な書類を取り寄せるなど、期日間の進行管理業務を行いました。
「裁判は当事者の人生に大きく関わる手続。書類の作成や送付などで、些細なミスもあってはならないので、慎重に業務を進めています」
安心して生活できる環境を整える
成年後見の業務に従事。
現在は、家庭裁判所で成年後見制度の審判に関わる業務を行っています。
成年後見制度とは、認知症などにより判断能力が十分でない人(ご本人)を援助する人(成年後見人等)を選任する制度です。ご本人の判断能力の程度を慎重に判断するため精神鑑定依頼を行ったり、成年後見人等として適している人を裁判官が決定するために、資料を集めたり、裁判官と連携して最も良い方法を考えています。
「ご本人の生活状況や財産状況に課題や複雑困難な事情がない場合などは、手続が比較的スムーズに進みますが、近年は一人暮らしで誰にも気づかれずに認知症になっていく方などもいます。
その場合、裁判官の判断を補助するために、誰が成年後見人等になるのが良いか、行政機関や福祉機関との調整も行いながら検討していきます。制度を利用したことで、ご本人が穏やかに生活できるようになると、本当によかったなと思いますね」
仕事の中での葛藤や悩みも
相談できる良好な職場環境です。
「裁判所は、人の権利を実現するために必要な裁判や審判を行うところ」と桂さん。
民事・刑事・家事など種類にかかわらず、よりよい司法サービスを実現するため、日々奮闘しています。
当事者には法律の専門用語をなるべく使わずわかりやすい言葉で説明することが大切ですが、表現を砕きすぎると趣旨が伝わらない場合もあり、試行錯誤の連続です。
「そんな時、常に相談できる上司や同僚が身近にいるのがありがたいですね。北海道内でも異動があり、札幌は大きな組織で書記官と事務官を合わせて500人ほどいますが、以前勤務した小樽は全員で30人ほどの小規模。それでも、規模に関わらず、どこに異動しても、働きやすい職場環境は変わりません」
子育てとも両立しながら、
将来は広い見識を持つ書記官に!
桂さんの奥さんも、同じく裁判所書記官として勤務しています。
そのため、夫婦で育児のために勤務しない時間(育児時間)の制度を利用し、朝は桂さんが保育園に預けて1時間遅く出勤。夕方は奥さんが1時間早く退勤して保育園に迎えに行っています。
「子育てに関わる制度を取得する人も周りに多く、職場のメンバー同士でフォローできる環境です。その分、みんな仕事と家庭のメリハリをしっかりつけて働いています」
裁判所書記官の仕事の幅は大変広く、裁判手続を行う部署にもたくさんの種類があるほか、総務課や人事課などの事務局部門の仕事もあります。桂さんは今後、多くの仕事を経験して視野を広げ、裁判所全体を見渡せる書記官になりたいと意気込みます。
シゴトのフカボリ
裁判所書記官の一日
8:10
子どもを保育園に預け、バスに乗る
9:30
始業(標準的な始業時刻は8:30、育児時間を利用)
10:00
成年後見制度の説明会
12:15
昼食(庁舎の売店を利用)
13:30
受理面接
成年後見制度の申立てをした人に対する面接
14:00
各種事務作業
精神鑑定実施のための依頼文書作成、裁判官・家裁調査官との協議
17:00
終業
シゴトのフカボリ
みなさんへ伝えたいこと

いろいろな所へ行き、経験することが職業を選ぶ時や仕事にも役立ちます。民事事件や刑事事件の法廷は誰でも傍聴できるので、ぜひ足を運んでみてください。

シゴトのフカボリ
拝見!オシゴトの道具
法律の専門職の必需品、六法全書
手続が適法かどうか確認するために、常に机の上に置いて毎日のようにページをめくります。よく見る項目は、次第にどの辺りにあるかわかるようになってきます。

札幌家庭裁判所

石狩・胆振・日高地方全てと空知・後志地方の一部を管轄し、札幌の本庁と、7支部3出張所を有する家庭裁判所です。学生向けのインターンシップも定期的に行っています。

住所
北海道札幌市中央区大通西12丁目
TEL
011-221-7281
URL
http://www.courts.go.jp/sapporo/

お仕事データ

裁判手続の専門家
裁判所書記官
裁判所書記官とは
法廷に立ち会って調書を作成したり、
裁判がスムーズに進むようサポート。

裁判所書記官の仕事は、調書の作成が中心。具体的には、法廷でどのような手続が行われたかを記録したり、裁判の当事者が権利を実現するための書類を発行したり、さまざまな業務を行います。その他、裁判に関する記録や書類の作成、保管、法令や判例の調査といった裁判官の補佐役も担当。複雑な訴訟手続を裁判の当事者に説明したり、裁判がスムーズに進むよう関係者と連絡を取ったりすることも。裁判所書記官は、裁判の当事者と裁判官とを橋渡しする役割も担っています。

裁判所書記官に向いてる人って?
コミュニケーション能力が高く、
慎重かつ迅速に作業できる注意深さも必要。

裁判所書記官はオフィスワークが中心ですが、関わる人々は裁判官や裁判の当事者、弁護士、検察官、証人など多種多彩。コミュニケーションをとることが好きで、丁寧な対応ができる人は向いているでしょう。また、仲間と協力し合って裁判をスムーズに進めるチームワークも求められます。適正で迅速な裁判を実現するため、慎重かつ迅速に作業できる注意深さも必要です。

裁判所書記官になるためには

裁判所書記官として働くには、まずは裁判所職員採用試験に合格し、裁判所事務官として採用される必要があります。総合職試験と一般職試験の区分があり、総合職試験は院卒者区分と大卒程度区分に分かれて試験が実施されます。一般職試験は大卒程度若しくは高卒者が対象。裁判所事務官として一定期間働いた後、裁判所職員総合研修所入所試験に合格し、約1~2年の研修を受けることで裁判所書記官への道が開かれます。法律に携わるという職業柄、大学の法学系学部の出身者が多いと思われがちですが、一般職試験の合格者の約半数は法学部以外の出身で、高卒者で裁判所書記官になる人もたくさんいます。
 
※裁判所職員採用試験の受験資格はさまざまなので、詳しくは裁判所のホームページをご確認ください。http://www.courts.go.jp/saiyo/index2.html

ワンポイントアドバイス
裁判所書記官が作成する調書は、
公正に裁判したという証!

裁判所書記官は、裁判官や裁判の当事者の一言一句を記録するのではなく、法律に定められた手続が行われているか、争いのポイントは何かといったことをきちんと整理しながら記録をとっていきます。裁判所書記官の調書は、法律上の手続に基づいて公正に裁判したということを公に証明するもの。責任が重大な分だけやりがいは大きいようです。

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