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江部 陽子さん
インタビュー公開日:2018.04.23

特許権や商標権などの
知的財産を守っています。
人が考えた工夫やアイデアの中で利用価値が大きいものを「知的財産」と言います。新しい発明品やブランドのロゴ、マークなどもそのひとつ。「財産」と付くように、知的財産はお金と同じような価値を持ち、それらを守るために「特許権」「商標権」といった権利が認められています。
江部陽子さんが携わる弁理士という職業は、まさに特許や商標のスペシャリスト。人々が試行錯誤の末に生みだした、とっておきの「ひらめき」を依頼者の依頼に基づき守る仕事です。
「特許も商標も法律で守られた『強い権利』です。簡単には侵害できないし、侵害をすれば罰則もあります。どちらも一般の方にはなじみが薄く、権利を得るための手続きも複雑。そのお手伝いをしているのが私たちなんです」
大学時代はメダカの研究!?
法律家だけどリケジョです。
法律をつかさどる仕事というと「文系出身」のイメージが強いかもしれませんが、江部さんは理学部で生物学を専攻したリケジョ(理系女子)。
「子どものころから理科が好きで、大学ではメダカの生殖腺に関する研究をしていました。卒業後はいくつかの仕事を経験したんですが、やはり理科分野に近い仕事をしていきたいと考えて弁理士を目指すことを決意したんです」
弁理士には特許法など法律の知識は不可欠ですが、出願する技術がどのようなものかもしっかりと理解していなければならず、江部さんはそこに目をつけたそう。
「新しい技術、またそれが生まれた背景を理解する際に、理系学部で学んだ知識を役立てられるんです」
専門分野は食品や化粧品。
生物学の知識をフル活用しています。
ひとくちに特許と言っても内容はさまざま。弁理士の得意ジャンルも異なります。
「メカトロニクスに強い弁理士もいれば、ITに強い弁理士もいます。私の場合、生物学を学んでいたので、食品やコスメ、医薬品に関する特許を手がけることが多いです。食品会社や化粧品会社から寄せられる依頼を主に担当しています」
特許や商標は日本で出願された場合、日本国内でしか保護されません。外国でも権利を主張するためには、その国の法律にのっとって特許の出願をしなければなりません。
「私が所属する事務所では海外15カ国以上の現地の特許事務所と提携し、依頼者のニーズに合わせて海外での特許権や商標権の取得もサポートしています」
特許を通じて北海道の
元気にも貢献できます。
自然が豊かな北海道では、動植物に由来する技術の特許申請を依頼されることも多いそう。
「過去には北海道ではおなじみの『かすべ(エイ)』を原料にしたサプリメントに関する特許に携わったことがあります。稚内地方で採取される珪藻土を牛舎の床敷材に活用するという技術もありました。特許を通じて北海道に貢献できるのはうれしいことですね」
最近は北海道の企業が海外に進出し、現地生産をスタートさせることも多いそう。
「北海道で生まれたアイデアやマークを海外でも保護してほしいというニーズが、今後拡大していくと思います」
いかに独自性を強調できるかが
弁理士の腕の見せ所。
日本では年間およそ30万件の特許が出願されています。そうした中、新しい特許として認められるのは簡単ではありません。
「既に多くの技術が特許として認められているので、出願しようとする案件が過去の特許に似ているケースは少なくありません。だからこそ従来のものとの違いや新しいアイデアが加えられた部分に光を当てて『今までとはココが違うんです!』と、特許庁にアピールすることが大切なんです」
出願する人と何度も打ち合わせを重ねて出願書類をまとめていくこともあるという江部さん。そうした努力が実を結び、特許として認められることが何よりの喜びだと話してくれました。
シゴトのフカボリ
弁理士の一日
8:30
出勤
8:40
朝礼、スケジュール確認
9:00
出願書類作成
12:00
昼食
13:00
顧客打ち合わせ
14:00
来客対応
15:30
意見書の作成
17:30
退社
シゴトのフカボリ
みなさんへ伝えたいこと

おもしろ〜い!を大切に育ててください。
シゴトに関係があってもなくても、興味があるものを掘り下げる気持ちが大事!

シゴトのフカボリ
拝見!オシゴトの道具
知的財産権法文集
特許法や実用新案法など知的財産権の条文が書いてあります。法律の改正もあるので、その度に買い替えが必要です。

佐川慎悟国際特許事務所

特許・実用新案・意匠・商標の登録など、知的財産の育成、保護を通じてお客様を元気にする専門家チーム。外国における特許権や商標権等の取得もサポート!

住所
北海道札幌市中央区大通西5丁目11番1号 電通恒産札幌ビル3階
TEL
011-261-2590
URL
http://sagawa-ip.com/

お仕事データ

企業や人の「知的財産」を権利化!
弁理士
弁理士とは
意匠や発明、技術、商標など、
「知的財産」を守り、権利化へ。

弁理士の多くは特許事務所に勤めており、仕事の代表例は特許や意匠、商標といった「知的財産」の権利化をサポートすること。特許庁への出願手続きは煩雑なので、その代理をするのが主な業務です。弁理士はまず類似内容の発明がないか、特許に値する技術かなどを調べるところからスタート。特許の出願書類の内容は複雑で数も多く、不備なく価値を守れるよう綿密に作成しなければなりません。さらに、出願後も意見書や補正書を作成し、審査官のOKが出るとようやく権利の取得にたどり着きます。特許の出願は国内だけでなく、アメリカやヨーロッパなどへ出願することがあるため、場合によっては海外の法律や英語の知識も必要です。

弁理士に向いてる人って?
知的財産の法律と理工学系の知識に加え、
お客様から信頼される人間性も大切。

弁理士には知的財産の法律知識に加え、次々と登場する技術を理解するためにも機械や化学、電気など理工系の分野の知識を理解していることが必要。お客様は大切な発明やアイディアの特許出願を代理人に託すため、何よりも信頼されるにふさわし人柄が大切です。また、文章作成業務も多いことから書き物が得意な人も向いているでしょう。最近は海外の代理人とやりとりをする機会や外国語の書類を読み書きする機会も多いことから、高い語学力を身につけた人材の需要も高まっています。

弁理士になるためには

弁理士として働くためには弁理士国家資格が必要。年齢や学歴による受験資格は設けられていませんが、特許出願の実務では理工系の知識が求められるため、大学の理工系の学科に進むのが比較的多いステップです。弁理士国家試験は合格率10%ほどの難関。学生の合格者は少なく、特許事務所やメーカーなどに就職後、働きながら合格を目指すのが主流です。


※弁理士国家試験については、詳しくは特許庁のホームページをご確認ください。
https://www.jpo.go.jp/indexj.htm

ワンポイントアドバイス
「国際出願」と「地方開業」が
今後の弁理士の注目ポイント!

ビジネスのグローバル化が進み、年々重要度が高まってきている分野が、日本企業が海外で特許権を取得するような「国際出願」。ここ最近の出願数は大幅に伸び、この先も国際出願に対応できる特許事務所や弁理士の需要は高まると考えられています。一方、地方の弁理士のニーズが高まっているのも注目ポイント。弁理士の多くは関東圏と近畿に集まっていますが、個人の発明家や研究機関、企業はどの地域にもあります。地方で特許事務所を開業し、地元で埋もれている知的財産の権利化に向けて尽力している弁理士も増えつつあります。