地方公務員の中で都道府県の役所や公的機関で働く人が都道府県職員。住民台帳や税金の管理などを行う「一般行政」、道路や河川の整備などに関わる「土木担当」、建物の審査や検査といった業務に携わる「建築担当」、機械設備の工事や保安などを担当する「機械担当」というように幅広い業務によって人々の快適な暮らしを支えています。地域によっては農林漁業の研究サポートや施策・企画といった一次産業の仕事を担当することも。都道府県職員は市区町村の運営サポートや国とのパイプ役に加え、地域の工業や農業などを盛り上げるのも重要な役割です。
都道府県職員は市区町村よりも大きな範囲で人々の暮らしを支えることから、広い視野で地域貢献がしたいと考えている人に向いているでしょう。住民の意見を聞くことはもちろん、地域を本気で変えたいと強く思う気持ちも大切。また、公共事業など大掛かりな計画を立て、実行する仕事も多いため、決断力と判断力も必要です。関係各所との協力も欠かせないので、調整能力の高さも求められます。
都道府県職員は地方公務員にあたるため、各都道府県の職員採用試験に合格する必要があります。試験区分の名称は都道府県によって異なりますが、求められる学力が「大学卒業程度」「短大卒業程度」「高校卒業程度」に分かれることが多いようです。試験合格後は、受験時の区分に従って庁舎などに配属されます。まずは希望する都道府県のホームページを確認してみましょう。
市区町村の職員が地域住民に直接サービスを提供するのに対し、都道府県職員は国や他の自治体、企業といった団体と関わることが多い仕事です。地域住民一人ひとりと接する機会は少ない一方、市区町村をまたいだ総合開発計画、道路や公共施設の建設・管理、都道府県全体の教育や社会福祉の維持といった大きな課題に取り組みます。それに対して結果を出すため、やりがいもまた大きいでしょう。