警察の組織は大きく分けて二つ。一つが国の行政機関であり、国家に関わる公安や警察組織の調整、各都道府県警察を指揮する「警察庁(国家公務員合格者より採用)」。もう一つが私たちの暮らしに身近な「都道府県警察」です。後者はパトロールや交番勤務で地域の生活と安全を守る地域部門、犯罪の捜査や逮捕を行う刑事部門、防犯・非行・ストーカーなどの対策をする生活安全部門、交通違反の取り締まりなどを担当する交通部門、駅や空港をテロなどから守る警備部門、装備や広報といった後方支援の総務・警務部門に分かれます。
人を助けたい、街の安全を守りたいという正義感の強い人は向いているでしょう。ただし、自分の感情だけで突き進むのではなく、周囲の仲間と協調しながら理性的に行動する力も必要です。事件や災害などの緊急時には、いち早く現場に急行して対応したり、長時間の捜索をしたりすることもあるため、臨機応変に対応できる力や粘り強さがあることも素養の一つです。また、市民と会話することも多いことから、一般常識やコミュニケーション能力を身につける必要もあります。
警察官になるには警察官採用試験に合格する必要があります。地方公務員の都道府県警察として働く場合は都道府県単位で採用試験を実施。北海道警察の場合はA区分(大学等を卒業または卒業見込みの人)とB区分(A区分以外の人)に分かれ、教養や論文などの1次試験、口述や体力を試験する2次試験を突破して採用に至ります。いずれの区分も採用基準日現在で18歳以上33歳未満という年齢制限があります。
※国家公務員として警察庁や皇居警察本部に勤める道もあります。
テレビドラマでおなじみの刑事、カッコイイ白バイやパトカーの隊員、証拠に鋭い目を光らせる鑑識といった警察の専門分野。他にも、仕事は幅広く、まだまだたくさんのフィールドがあります。これらの仕事にいきなり就けるわけではありませんが、最初に経験する交番勤務への真摯な姿勢、パトロールの成果など勤務実績や本人の適性が評価されると、希望する専門分野で勤務することができます。努力が実り、あこがれの部署で働けるようになった時の喜びはひとしお。このように刑事や白バイ隊員などになっている職員もたくさんいます。スタートはみんな一緒。目標に向けて努力することが一番大切です。