国家公安委員会が指定する盲導犬育成施設(全国11団体、14施設)で、盲導犬に必要な能力を犬に訓練するのが盲導犬訓練士。餌やりやブラッシング、散歩といったお世話をしながら、道の角や段差、障がい物を教える訓練をするのが主な仕事です。1歳の子犬からトレーニングを始め、半年から1年をかけて盲導犬に向いているのかどうかを評価します。生き物を相手にする仕事のため、宿直がある施設も多いようです。最終的には盲導犬の訓練だけではなく、目の不自由な方と盲導犬との歩行指導を行う盲導犬歩行指導員を目指し、新しい生活をサポートします。
盲導犬に向いているかどうかの評価は主に性格から判断します。そのため、担当する犬をつぶさに観察できる注意深さが必要。また、服従や判断能力を養う訓練は何度も重ねなければならないので、根気強さも求められます。目の不自由な人の社会生活を支え、その後も見守り続けるため「人の役に立ちたい」「社会貢献がしたい」という気持ちも不可欠です。さらに、広報活動や学校での講演、ボランティアとの折衝など人と関わることも多い仕事。犬だけでなく、人とのコミュニケーション能力も大切です。
盲導犬訓練士になるには、まずは国家公安委員会が指定する盲導犬育成施設に就職する必要があります。少なくとも3年ほどの研修期間を経て、「盲導犬訓練士」の認定を受けなければなりません。各団体によって認定基準や試験方法が異なるのでホームページなどをチェックしてください。さらに、2年間の実務経験を積み、「盲導犬歩行指導員」に認定されることで、初めてユーザーとの共同訓練を行うことができます。
※盲導犬訓練士の認定については、詳しくは公益財団法人日本盲導犬協会のホームページをご覧ください。https://www.moudouken.net
盲導犬訓練士になるための学校はありませんが、大学の動物系学科や専門学校のドッグトレーナーコースなどで犬の体の仕組みや生体を学ぶのは有意義。また、資格障がい者の自立について学び、「白杖歩行指導員」といった資格を取っておくことも有利です。ただし、どの団体も定期的な募集は少なく、欠員補充の際に採用活動を行うことが多いのが現状。盲導犬訓練士になりたい人は、各団体のHPを頻繁にチェックしたり、問い合わせをするなどして欠員がないか聞いてみることをおすすめします。
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