有限会社坂東牧場
1950年に競走馬の預託・繁殖をスタート。'72年に法人化し、繁殖・育成・トレーニングを一貫して手がけ、全天候型のコースによる育成を行っています。
競走馬生産・育成スタッフは、競馬場で活躍するサラブレッドを生産し、育成する専門職です。牧場で種牡馬と繁殖牝馬の交配から始まり、妊娠中の母馬の健康管理、子馬の出産立会い、生まれた子馬の日常的な世話と調教まで、競走馬の一生に深く関わります。具体的には、馬の餌やり、牧場での放牧管理、健康チェック、蹄の手入れ、基本的な騎乗訓練などを行います。また、獣医師と連携して病気の予防や治療にも携わり、馬の血統管理や記録作成も重要な業務です。自分が手塩にかけて育てた馬が競馬場で勝利を収めた時の喜びは格別で、多くの競馬ファンに感動を届ける、やりがいに満ちた仕事です。
何より馬が好きで、動物と接することに喜びを感じる人に向いています。馬は大型の動物なので、ある程度の体力と、馬に対して恐怖心を持たずに接することができる人が良いでしょう。馬の世話は毎日欠かせない地道な作業の連続ですが、その積み重ねが馬の成長につながることを理解し、コツコツ取り組める人が求められます。また、馬の小さな体調変化にも気づける観察力があると重宝されます。早朝や夜間の作業もあるため、不規則な勤務時間でも頑張れる人や、チームで協力して仕事を進められるコミュニケーション能力も大切です。競馬や馬に関する知識は働きながら身に付けることができるので、最初は「馬が好き」という気持ちがあれば十分です。
必須資格はありませんが、馬に関する知識や技術を学べる専門学校や大学の畜産学科で学ぶと有利です。また、競馬学校や乗馬クラブでの研修プログラムに参加する方法もあります。多くの場合、牧場に就職して実務経験を積みながらスキルを身に付けていきます。北海道の日高地方や十勝地方には多くの競走馬牧場があり、募集も比較的多く出ています。未経験者歓迎の牧場も多いので、まずはアルバイトや研修生として働き始める人も少なくありません。馬の扱いに慣れてきたら、「認定装蹄師」や「家畜人工授精師」などの専門資格を取得することで、より専門性の高い業務に携わることができるようになります。
競走馬の生産・育成で培った技術は、乗馬クラブでの乗用馬の管理や、観光牧場でのポニーの世話、さらには動物園での馬の飼育など、様々な分野で活用できます。また、最近では馬を使った療法(ホースセラピー)や、馬とのふれあいを通じた教育プログラムなど、新しい分野も注目されています。競走馬業界で経験を積んだ後、独立して自分の牧場を開く人や、海外の牧場で働く人もいます。馬に関わる仕事は思っているより幅広く、一度身に付けた技術は長く活かすことができる魅力的な職業です。競馬ファンでなくても、動物好きなら十分にやりがいを見つけられる仕事と言えるでしょう。