画家 山本雄基
拠点である札幌のほか、栃木、台湾、ドイツのギャラリーで定期的に個展を開催。円をモチーフにした独特の作品で、多方面から評価を受けています。
仕事としての範疇を超え、絵を描くことを追求するのが画家。顔料をにかわで溶いて紙や絹布に描く日本画、油絵の具などを使ってキャンバスに描く洋画などの区別もありますが、それよりも、絵画に独自の解釈を与え、人間の本質に迫ろうとするのが画家の醍醐味です。絵の具に限らずさまざまな材料を使い、PCをはじめとした最新のテクノロジーを駆使して表現する画家も増えています。作品の収入だけで生活できる画家はほんの一握りといわれ、創作活動の合間に美術講師やデザイナーといった仕事を持つ人も多いようです。
「絵が描きたい!」「絵画が好き!」という強い気持ちと、実際に制作を長年続けていくことが大切です。技術を磨き続ける努力はもちろんのこと、人と異なるテーマやイメージを表現できるセンスも求められます。テーマやモチーフ、作品の成長のために、幅広い好奇心を持ち、常識に縛られずに物事を多角的に観察できることも重要。また、他の職業に比べて一人前になるだけでも多くの歳月を要することもあり、努力が必ずしも金銭的評価につながるとも言えないので、それでも高いモチベーションを抱き続けるという強い精神力も大切です。
画家には免許や資格は必要ありません。立場はさまざまですが、絵が売れることで生計を立てている画家の場合、一般的には、美術大学や芸術系の専門学校を卒業後、公募展やコンクールでの入選を経て、コマーシャルギャラリーに所属するケースが多いようです。美術の専門教育を受けずに、独学で一流の画家へと駆け上がった人もいるなど、道は一つではありません。単に絵が上手な作品だけが評価される世界でもないことから、独自の世界観を探求し、さまざまな発表の場に応募し続けることが大切です。
最近は、地方でもユニークな展覧会やイベントが増え、アートが身近になってきています。大企業が作品を購入する機会も増えており、画家を目指す若い人がチャンスをつかむ機会は十分にあるはずです。また、インターネットやSNSを活用することで、より多くの人に作品の存在を知ってもらうことや、展覧会の告知などの広報活動が容易になりました。地方にいながら、グローバル活動にも利用できるため、さらに活動の場が広がっていくと考えられます。