雑誌や新聞、書籍といった紙媒体から、ソーシャルゲームをはじめとするデジタル分野まで、さまざまなメディアのイラストを手がけるのがイラストレーター。多くの場合は出版社や広告代理店から依頼を受け、打ち合わせを通して希望に添ったイラストを描いていきます。オーダーに応じて多彩なタッチを描き分ける人もいれば、個性あふれる絵柄で仕事を獲得する人も。他にも絵本作家と共同で制作したり、アニメキャラを生み出したり、工業製品をCGで描いたり、幅広い分野で活躍しています。いずれも、見る人へ楽しさや分かりやすさなどを届けることが大切です。
イラストレーターは絵を描くことが好きであることが大前提。さらに、線描や着彩、表情付けなどのテクニックを磨き、個性を確立する努力を続けることが大切です。一見すると作家性が高そうな仕事に思えますが、依頼主の要望を理解してイラストに落とし込む力も必要。出版社や広告代理店のメンバーと仕事を進めることが多いため、コミュニケーション能力も求められるでしょう。
イラストレーターには特別な資格は必要ありません。ただし、絵が好きという気持ちだけでは成功が難しく、多くの人は芸術系の大学・短大、または専門学校のイラストレーション科などで基本となる技術を身につけています。学校卒業後はデザイン会社や広告制作会社、ゲーム会社などに就職し、経験を積んでいくパターンが一般的です。
最近では、イラストの仕事のほとんどがデジタル化されています。ゲームのキャラクターやWebサイトに掲載するビジュアルはもちろん、紙媒体の挿絵も絵画ソフトのデータで提出することが多いようです。そのため、定番のデザインソフトである「Illustrator(イラストレーター)」や「Photoshop(フォトショップ)」などを使用できるほうが有利でしょう。ただし、色鉛筆や水彩画など、アナログ画材が訴える力もあるため、どちらも扱えるとよりベターです。