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三浦 道文さん
インタビュー公開日:2018.10.23

安全運行は
この工場から
「私の勤務する検修科の仕事は、故障した車両の修理と、その故障を未然に防ぐためのメンテナンスです」
三浦さんの職場は、北海道旅客鉄道株式会社(JR北海道)の車両基地である札幌運転所。函館本線・稲穂駅のすぐ横にある大きな工場──と言えば見たことがある!という人も少なくないかもしれません。道内には車両整備を行う工場が複数あり、ここ札幌運転所では、主に札幌近郊を走る電車や、札幌から釧路・帯広方面を走る特急車両等を管理しているそうです。
車両整備は
正確に、迅速に
さすがに車両を整備する工場だけあって、場内の広さは圧巻。三浦さんによるとこの工場で担当する車両は400両以上。整備に携わるスタッフは約150名に達するそうです。
「弊社の車両は90日に1回は〝交番検査〟と呼ばれる定期検査をしています。私の班では交番検査は5人のチームで当たり、作業に与えられる時間は1日です」
日頃、道民の足として走る車両の検査には、正確さと迅速さが求められます。点検用のハンマーでボルトを叩き、その音や目視で異常がないかを調べる様子は、まるでお医者さんのようです。
「この仕事も季節で内容が変わってきます。年末年始とお盆の季節は列車が増便されるので忙しくなります。また、冬前には雪対策や低温対策の仕事も増えますし、冬本番になると列車は雪だらけで帰ってくるので、まずはそれを落とす作業からから始めることになります」
技術職だけど、
意外な経歴?
知り合いがこの仕事をしていたことから車両整備に興味を持ち、採用試験を受けたという三浦さんですが、意外なことに通っていた高校は普通科で、工業系・技術系の勉強はしたことがなかったそうです。でもそれは現場でハンデにならないのでしょうか?
「それは頑張り次第だと思います。これは私の推測ですけれど、普通科卒も全体の3割くらいいますよ」
これもまた意外。その採用試験は複数回の面接と適性検査、それと筆記試験。最近では新卒者向けのインターンシップもあるそうです。
「採用後は全合格者が集められ、研修センターで1カ月ほど基礎的なことを学びます。いろいろな講義などがありましたが、札幌駅でお客様の動きを見るという課題も印象に残っています。駅の券売機の位置や時刻表の配置、案内所の場所などは、お客様の利便や人の流れを考えて設計されているのですが、実際に観察してそれを検討してみなさい、という内容でした」
初仕事は
道具に慣れること?
その後、配置先が決まると1カ月ほど、各自の配置先に合わせた専門的な研修に入ったそうですが、検修科の三浦さんを待っていたプログラムには「廃車両を実験台にして分解したり」という豪快なものもあったそうです。
そして、気になる初仕事は、〝工具を運ぶ〟というものだったそうです。
「◯◯持ってこ~いって言われて、探して運ぶのです。工具の名前が分からなくて苦労しましたが(笑)、そうやって工具の名前や置き場を覚えて、そのうちに次はグリース(潤滑剤)を塗るのを任されて…というように仕事の内容が難しくなっていきます。実は工場内では、各々の経験に応じて〝ここまでは触ってよし〟という作業許容のランクが決まっているんです」
最初は分からないことばかりだったものの、2年目ごろには大筋の作業は理解できるようになり、任される仕事もどんどん拡大していったそうです。
日々が勉強
日々が初心!
「ミスの許されない仕事なので、技術指導や安全・作業管理については、どの先輩も厳しいです。けれど皆フランクな職場です」と、三浦さん。ベテランの域に達しながらも、新型の車両が導入されればそれに対応するなど、日々勉強だといいます。
「分からないことも時々出てきます。でも今では、マニュアルのどこを見ればそれが分かるか、すぐ想像がつくようになりました」
安全性と正確さには常に100%を求められるシビアな職場。最後に三浦さんが考える、仕事の最重要ポイントを聞いてみました。
「確認と報告です。そして、分からないことは、きちんと調べたり、恥ずかしがらずに聞くことです。分からないままでは絶対に仕事になりません」
シゴトのフカボリ
拝見!オシゴトの道具
点検用工具
ずっしり重たい工具の数々。これを腰に装着して整備にあたります。
「この仕事をしていると、自然と体力がつきますね」
インターンシップ 職業講話

北海道旅客鉄道株式会社

1987年の国鉄民営化により北海道の鉄道輸送を継承。徹底した安全最優先の運行・管理で道民に快適な交通サービスを提供しています。

住所
北海道札幌市中央区北11条西15丁目
TEL
011-700-5732
URL
https://www.jrhokkaido.co.jp/

お仕事データ

鉄道の安全な走行をサポート!
鉄道車両整備士
鉄道車両整備士とは
鉄道車両の点検や故障対応で、
安全を守るスペシャリスト。

鉄道は暮らしに欠かせない身近な「足」。その車両を点検し、事故を防ぐとともに故障などのトラブルに対応するのが鉄道車両整備士の仕事です。作業は大きく分けると二つ。ブレーキやモーター、パンタグラフ(集電装置)を点検し、状態や動作に異常がないかチェックする「列車検査」。もう一つが車両の部品をすべて分解し、長い時間をかけて修理やメンテナンスを行う「全般検査(会社によっては定期検査など呼び方はさまざま)」です。その他、必要に応じて消耗品を交換したり、整備工場敷地内で車両の走行テストをしたり、さまざまな役割を担います。鉄道の安全な運行を支えているのが鉄道車両整備士です。

鉄道車両整備士に向いてる人って?
機械いじりが好きで、
責任感が強いタイプ。

鉄道車両のブレーキやモーター、電気設備などを扱うことから、機械いじりが好きな人には向いている仕事です。専門的な知識や整備技術を習得するために、コツコツと努力を重ねられる力も求められるでしょう。点検はチームで行うことが多いため、コミュニケーション能力も必要。何より、鉄道の故障が起きると大惨事につながるため、鉄道車両整備士には人の命を預かるという責任感が欠かせません。

鉄道車両整備士になるためには

鉄道車両整備士として働くためには特別な資格は必要ありません。工業系(電気科や機械科)の専門学校や短大、大学を卒業してから鉄道会社に就職するのが一般的です。中には整備を専門とする会社を目指す人も少なくありません。正式に「鉄道車両整備士」を名乗るには国家資格「鉄道車両製造・整備技能士」が必要。1級と2級に分かれ、2級は実務経験2年以上、1級は7年以上の実務経験、または2級合格後2年以上の実務経験があると受験することができます。

※「鉄道車両製造・整備技能士」の資格については、中央職業能力開発協会のホームページをご確認ください。http://www.javada.or.jp

ワンポイントアドバイス
日本が誇る最新の鉄道技術に、
いち早くふれられる可能性も。

2016年に北海道新幹線が開業したことは記憶に新しい人も多いでしょう。鉄道車両整備士は、この新幹線をはじめとする最新の車両にいち早くふれることができ、日本が誇る技術の結晶を間近に感じられるのも楽しみの一つです。