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酒井 裕也さん
インタビュー公開日:2020.12.07

一番大きなトラックに乗りたい
思いが通じ入社2年で夢が叶う
「毎日のようにトラックの運転手と言葉を交わしたり、運転する姿を目にするうちに、憧れの気持ちが湧いてきました。かっこいいなと感じたんですね」
そう振り返る酒井裕也さんは、石狩市を拠点に荷物の保管から配送までを手がけるトラストシステムのトラック・ドライバー。入社3年目、期待の若手です。水産高校を卒業後、酒井さんが就職したのは北海道と本州を結ぶ航路のフェリー会社。そこで、乗船するトラックの誘導を担当するうちに、自分もハンドルを握ってみたいと思うようになったのだそうです。その後、別の業種でも働きますが、ドライバーになりたいという気持ちは消えず、求人を探してこの職場と出会いました。今は10t車を運転しています。
「未経験からスタートできることが魅力でした。普通免許しか持っていなかったのですが、入社時から『一番大きなトラックに乗りたい』と希望していたんです。だって、かっこいいじゃないですか」
その意欲が会社に通じ、大型免許取得の支援を受けて入社2年ほどでその夢が叶いました。
特定のルート・お客さんを持たず
臨機応変に担当し業務をフォロー
札幌近郊を中心としながら道内外への配送業務を行っているトラストシステム。積荷もさまざまですが、メインとなっているのが食料品。スーパー・チェーンなどが大口のお客さんとなっています。直接、スーパーの店舗に配送するのは主に小回りの効く2t、4tの中小型車。一方、酒井さんがハンドルを握る10t車は、スーパーの配送拠点などを中心に、大量の荷物を届けているそうです。
「スーパーの物流センターへと向かい、到着すると店舗ごとに用意されているカゴ車と呼ばれる専用の台車に荷物を振り分けてきます。こうした業務を1日3〜4件、行います。僕の場合、行き先も荷物の量も、日によって異なるんです」
というのも、酒井さんは特定のルート、決まったお客さんを持っていません。社内で「フリーマン」と呼ばれるポジションにいて、たとえばドライバーが風邪で休んだり、突発的な配送依頼が入った際、臨機応変に運転を担当し、フォローする役割を担っています。
「初めて走るルートを担当する時は、道路状況などがわからないので緊張もしますが、飽きっぽい性格なので、変化のある毎日を楽しんでいます(笑)」
4時間の遅刻という失敗をしつつも
実直さ、礼儀正しさで慕われる存在
「フリーマンは出勤時間も、運転する車両もその日によってまちまち。大変そうな印象があり、最初は不安でしたが、実際にやってみると意外と大丈夫でした」
朝5時に出社して走ることもあれば、10時近くに始業となる日もあるフリーマン。前日には予定が決まるものの、不規則なパターンに慣れることができるのか。そんな心配をしていたという酒井さんですが、今は会社の業務を円滑に動かすため、欠かせない任務を担っていることに誇りを持っていると話します。心なしか、清々しい表情の酒井さん。そう言った後で、内緒の話も聞かせてくれました。
「独り立ちした直後の話ですが、寝坊して遅刻したことがあるんです。7時半出社なのに、目を覚ましたのはなんと11時半……。さすがに叱られるというより、呆れられて。前代未聞の問題児、と言われました(笑)」
そういう時にこそ、活躍するのがフリーマン。逆の立場で、自分が配送をサポートすることもあるのだと力説する酒井さん。そんな話をしても決して開き直りには聞こえません。実直さと礼儀正しい態度で、同僚からも先輩からも慕われているようすが伝わってきました。
コミュニケーションも大切な仕事
人とのやりとり、触れ合いが魅力
大きな車両に乗りたかったのは、やはり“かっこよさ”に惹かれたから、という酒井さん。当初は怖さも感じたそうですが、慣れるとむしろ乗用車より運転がしやすいのだとか。
「視点が高くて見通しが良いことに加えて、ボンネットがないので前方の位置がつかみやすいんです。バックモニターも付いているので、後進も安全に行えます」
配送には迅速さが求められますが、事故を起こさないことが大前提。運転には全神経を集中させると同時に、積荷にも細心の注意を払っています。
「トラックに積み込む前の検品――品目・数量などのチェックを間違いなく行うこと、また、荷物や梱包に傷を付けないように荷室に積む作業にも慎重さが求められますね」
荷物に傷がつくと先方に受け取ってもらえないこともあるそうです。1,000個、2,000個といった膨大な数の積み込みでも、その一つひとつを慎重に行うなど気をつかう場面の多い仕事ですが、楽しいと感じることが酒井さんにはあるそうです。それは、社内外での人とのやりとり。
「配送センターに顔を出せば『久しぶり!』と声をかけてもらったり、荷物を下ろす場所を聞いたことをきっかけに話が弾んだり。コミュニケーションを図る場面が多いですね」
ドライバーは、一人になれるからいい。そんなイメージも入社のきっかけだったという酒井さんですが、今は、そうした触れ合いがうれしいのだと、話しています。
地震の際に感じた役割の大きさ
使命感を胸に頼れる男を目指す
安全に気を配り、積荷に注意を払いながら定時に荷物を届けるドライバーの仕事。大変そうなイメージがありますが、きついとか辛いと感じたことはないと話す酒井さん。
「身体を動かすことが好きなので、運転も荷物の積み下ろしも苦ではありません。誤解を招くかもしれませんが、仕事をしているという意識はあまり強くなくて、毎日の業務を楽しんでいるという感覚なんです」
自分にぴったりの仕事。そう感じているという酒井さんですが、その役割の大きさを自覚するできごとがありました。2018年の北海道胆振東部地震。道内全域がブラックアウトとなった地震の発生から1時間後、酒井さんはもうハンドルを握っていたそうです。
「とりあえずコンビニの荷物だけは動かそうと、出発しました。自分たちが食料を運ばなければ、多くの人が困ってしまう。大切な物流を担っているという使命感が強かったですね。ちなみにこの日は、誰一人として休まなかったんですよ」
大きな車両に乗りたいという希望とともに、酒井さんには、入社時から思っていることがもう一つあるそうです。
「それは、会社で一番、頼れる男になること。酒井に任せておけば大丈夫だと一目置かれるドライバーになることが目標です!」
近くにいた上司が、一瞬、目を丸くした後、大きく何度もうずいたのが印象的でした。
シゴトのフカボリ
配送ドライバーの一日
7:00
出勤、アルコールチェック後、荷物の積込先に出発
7:30
荷物の検品・積込
9:00
スーパーの配送センターに到着。荷下し・空の容器を回収し朝の積込先へ戻る
12:00
昼食・休憩
13:00
配送センターへ出発
14:00
到着、荷下しおよび空容器の積込
15:30
積込先に到着。荷物の検品・積込
17:00
配送センターに到着、荷下し、空容器の積込
18:00
帰社。翌日のルート等確認
19:00
帰宅
※配送で移動途中、こまめに休憩をとります
シゴトのフカボリ
みなさんへ伝えたいこと

さらに経験を積み、仕事の質を高めて、誰からも頼りにされる存在になることが目標です。どんな場面でも、着実に仕事をこなせるプロフェッショナルになれたら、かっこいいだろうなぁ(笑)。

トラストシステム株式会社

自社倉庫をもち、ニーズに応じた配送システムを確立することにより、業績拡大を続けています。イノシシのマークが入ったトラックが目印です。

住所
北海道石狩市新港西3丁目767-2
TEL
0133-76-6961
URL
https://www.trustsystem.jp/

お仕事データ

女性もどんどん活躍中!
トラックドライバー
トラックドライバーとは
荷物を積み込み日本各地へ。
我が国の物流を支える原動力。

荷揚げ場所から荷物を積み込み、個人宅、会社、店舗などへ運搬、配送する仕事。一口にトラックドライバーといっても「軽トラ」と言われる小型トラックもあれば、「タンクローリー」や「ミキサー車」などの大型トラックまで車種はさまざま。必要な免許も普通自動車免許や中型自動車免許、大型自動車免許、けん引免許など乗り込むクルマによって変わります。大型は高速道路も含めて長距離を走ることが多く、小型は集配所から集配所へのルート配送といった近距離の運転をすることが多いようです。

トラックドライバーに向いてる人って?
安全に、時間通りに荷物を届ける集中力。

長時間運転することが好きで、何より安全に時間通りに荷物を目的地へと届けるために集中できることが大切。荷物の重さはさまざまですが、積み込みや荷下ろしなど体を動かすケースも多いので、体力に自信があると有利です。運転中はほとんどの場合一人ですが、集配所などではお客様や同業者への最低限のあいさつは必要。

トラックドライバーになるためには

トラックドライバーは基本的に学歴はさほど重視されません。物流会社や運送会社の採用試験に応募するのが近道です。とはいえ、中型トラックであれば「中型免許」、大型トラックであれば「大型免許」、さらにトレーラーなどを扱う場合には「けん引免許」が求められます。運ぶものによっては「危険物取扱者免許」や「毒物劇物取扱責任者免許」などの取得も必要。最近ではこのような資格は入社後に会社負担で取得させてくれる企業が多いようです。

※各種免許取得の条件については全日本トラック協会のホームページなどをご確認ください。http://www.jta.or.jp/index.html

ワンポイントアドバイス
国交省も応援する「トラガール」!?

トラック運送業界は男性のイメージが強く、他業種に比べて女性の進出が遅れていたといわれています。ところが、近年は、細やかな気配りやコミュニケーション能力、丁寧な運転など、女性ドライバーならではのスキルが大注目。国土交通省では、女性の活躍を促進するため、女性トラックドライバーを「トラガール」と名付け、さまざまな取り組みを進めています。